アンコウ物語

徒然なるままに

居住者の減少

2012-09-06 21:33:21 | 原発事故

 

 福島第一原発からの距離が20KM~30KMの市町村は原発事故の直後、意味が曖昧な
「緊急時避難準備区域」と云う名称の地域に指定されました。この区域に指定された市町村の
中に楢葉町といわき市に挟まれた広野町があります。この町で福島第一原発に一番近いところで
原発からの距離が21KMあります。この町の放射線量は20KM圏内に比べかなり低い数値です。
広野町広報によると2011年10月13日のデータで町内で一番高い線量の場所は
0.98マイクロ
シーベルト/h(μSv/h)でした。10ヶ月後の2012年8月13日ではこの町の最高値が
0.47μSv/hで、
町内全体の平均は0.25μSv/hとなりました。原発に近い浪江町、大熊町、更には原発から
30KM離れた飯館村等の地域に比べれば相当低い数値です。

 「緊急時避難準備区域」は行政からの避難指示が無く、事故以降も町内に居住が可能です。しかし
放射線被曝を恐れ、多くの町民が町外へ避難をしました。2012年7月31日の広野町の人口は、
世帯数1,914世帯、総人口5,284人ですが、2012年8月17日現在の町内居住世帯数は
264世帯、居住者数は427人しかおりません。一方、ホットスポットデータでは、千葉県船橋市の
総合公園「ふなばしアンデルセン公園」の一角で2011年10月13日に測定された放射線量が
広野町の6
倍の5.82μSv/hだったと報告されておりますが、船橋市民が多数避難したと云う
情報はありません。

最近の広野町の平均放射線量0.25μSv/hは年間の被曝量が1ミリシーベルトを若干超過する
程度でこの数字では
健康に異常をきたすことはないと云われております。日本での自然界から受ける
年間放射線
被曝量は1.5ミリシーベルトです。しかし現在の町内居住者が人口の一割に満たないと
云うことは
何を意味するのでしょう。原発事故以来行政から出される報告に信頼性がありません。
町は町内全てを放射線測定をしたわけではなく、かなり高い放射線量があるホットスポットが残されて
いる可能性を否定できません。町民は
行政の情報に基づいて自己の行動を委ねることが出来ず
自分で判断することを余儀なくされているものと
思います。福島第一原発から20KM圏外でも
限界集落が増えて行くものと思われます。



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