アンコウ物語

徒然なるままに

モノ作り日本製造業への危惧

2015-11-26 22:27:32 | 経済

 日本のメーカーは戦後、切磋琢磨してモノ作りのノウハウを獲得し、高品質、高性能を武器に
世界市場に進出し技術国ニッポンの名声を高め、海外で多くの市場に販路を広げ、つい最近
までアメリカに次ぐ第二の経済大国を築き上げた原動力となった。しかし、モノ作りで日本経済の
発展を牽引してきた日本の製造業が最近どうもおかしい。長く続いた不況のため企業は
研究・開発への投資を減らしたのか、日本メーカーの開発力が減退しているように思われる。

 先日、所属している協会のHP立ち上げを会員に葉書で案内するためPCで原稿を作った。
これをプリンターで官製葉書に印刷するため、まずコピー用紙を葉書大に切ってそれに
試し刷りを行った。何度か試し刷りを行った後、このコピー用紙がプリンターの中で紙づまりと
なり出てこなくなった。メーカーの
Canonへ電話をして解決策を問合わせた。電話に出た
担当者の指示に従って作業を行ったが、詰まった紙は出てこなかったので、その担当者から
メーカーへプリンターを送って修理に出すよう要請された。修理代も教えて呉れた。修理が
終わるまで待てない印刷物があったので止む無く、以前購入した同じ販売店で前とほぼ同じ
機種の新しいプリンターを購入した。新しいプリンターの購入価格は驚くなかれ、修理代よりも
3,000円、25%も安かった。

 新しいプリンターを購入するよりも修理代の方が高いことなど理解に苦しむ。修理に出した
プリンターの通常の保証期間は1年間であったが、500円を追加すると3年間に延長出来ると
言うのでそれを選んだ。このプリンターは昨年の6月に購入したので、500円を追加しなかったら
保証期間は切れていた。こんな価格設定で製品販売を誘導することなど消費者を愚弄するものだ。
メーカーとしてあるまじき行為である。更に、印刷用紙が詰まった程度の極く簡単な故障で一々
メーカーの工場に送り修理をするなど全く無駄な作業である。資源の無駄遣いも甚だしい。
メーカーのHPにお客様メール相談センターと言う窓口があったので下記のメッセージを送った。

 

    『プリンターのトラブルについて、お客様相談センターへ電話で問合わせを行いました。
    
担当者からの指示でトラブル解決の作業をしましたが、解決しませんでした。この為、
    
修復は出来ないとわかりCanonへ修理依頼を出すよう提案されました。販売店経由で
    
修理の依頼を致しました。

    修理に約2~3週間掛かると電話相談の際言われましたので、急ぎの印刷のため

    新しくPixusMG6730を購入致しました。幸い、修理代11,880円より大幅に安く購入
    
出来ました。最近、貴社だけではなく多くのメーカーで見受けられますが、製品価格
    
より修理代のほうが高い場合が圧倒的に多く何時も疑問を感じています。このような
    
仕組みで製品販売を増加させることは本来メーカーの正しいあり方ではありません。

    メーカーにもこのような仕組みにならざるを得ない事情があるかもしれませんが、
    
誰が考えても理解に苦しむ方策です。幸い、保証期間内でしたので修理に出しましたが、
    
保証が切れていたら、ゴミとして処分しておりました。購入してから僅か1年5ヶ月で
    
ゴミとなる運命になるところでした。

    このような印刷用紙が詰まった程度の簡単な故障は使用者側が容易に修理できる
    
構造で、設計・製造するようお願いしたいと思います。メーカーとしては販売額が
    
減少するため、出来ない相談と考えるかも知れませんが、しかしこのような他社との
    
差別化が販売増に繋がります。』

 

このメッセージに対してメーカーから、「貴重なご意見は設計・製造部門に伝え、今後の製造の参考に
させて戴きます」、と返事があった。正常な仕組みの製造業への回帰を期待したい。




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