タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

バールの正しい使い方

2023年05月04日 | 読みました!見ました!

青木雪平さんの「バールの正しい使い方」(徳間書店)を読了しました。図書館から借りていた2週間の期間内にちょうど今回の四国行きがあったので、全体の1/4くらいは四国の地で読みました。

小学生を主人公にした「日常生活を描く」的なミステリーですが、かなり人生哲学的な内容も含んだ面白いストーリーでした。幼いころの病気や、父親が頻繁に仕事を変えるために引っ越しを繰り返す生活のために、周囲に無難に溶け込もうと擬態を繰り返す主人公の小学生・礼恩くん。この子も一見何の問題もない子のようだけど、病気で入院を繰り返すという健康上の問題も含め、家庭環境もなかなか厳しい状況です。

この小説は、転校を繰り返すその小学生の礼恩くんが、行く先々で出会うクラスメイトたちの嘘を描いた連作短編集です。教室ごとに異なるルール、力関係が生々しく、それを受け入れる礼恩くんのどこか冷めたモノの見方に、少し寂しく悲しい印象も受けました。登場する嘘は小学生らしい可愛らしいものばかりと思いきや、その背後にある真実や理由が判明すると見え方が一変します。子どもたちが主人公の青春小説としても、ミステリとしても面白い小説でした。

さて問題の題名「バールの正しい使い方」ですが…、これがいまひとつピンとこなかったんだよなぁ…。

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