2014年4月12日(土) 晴れ
大宝バス停→花桃の郷→皇鈴山→登谷山→釜山神社→塞神峠→葉原峠→岩根山ツツジ→春日神社→法善寺→野上駅
里山では色々な花が咲き、木々も芽吹きはじめて、季節は確実に進んでいる。東秩父村、大内沢地区の「花桃の郷」は桜とハナモモが山全体を覆うほどになり、その様子はまるでピンクのじゅうたんを敷き詰めたようになるという。車なら寄り道程度で充分だが、皇鈴山から展望を楽しみ、春を満喫すべき登谷山の高原桜、岩根山のミツバツツジ、それに長瀞の桜並木を堪能したいという欲張った内容を考えた。外秩父七峰縦走ハイキングコースを含み車道歩きも多いが、春の花を存分に楽しめるというものだ。この山域は高原をドライブする方が多く、夜景も一見の価値があるらしい。とにかく春らしいハイキングが楽しめればいいということである。花桃の郷へは東秩父村営バスが寄居駅より和紙の里まで運行されているので、これを利用した。帰りは混雑する長瀞駅は外して野上駅からの乗車で帰宅する計画である。たくさんの春に出合えることを願い、寄居駅でバスを待つ。
<花桃の郷>
寄居駅を下車するが、この時間で電車を乗り換える方達は多い。ザックを背負っているので、長瀞アルプスか、破風山か、それとも桜の山、蓑山だろうか…。いずれにしてもその周辺だと思う。そして、たった一人ザックを背負って、この駅を降りたのは私だけだった。南口でバスを待つが、迷うことはなくバス停はひとつだけだ。ぽつんと立つ一本のバス停、どことなくのどかな感じがする。やがて、やって来たのは中型のバスで、整理券を受け取り、料金箱もあった。秩父は浦山のぬくもり号を思い出していたが、立派な普通のバスである。そして、事前に役場へ問い合わせていた大宝バス停に降り立つ。数分下ったところにのぼりと案内板があり、入口は明白だ。まずは花桃の郷の中心部へ行き、春の色に染められた大内沢の集落を眺めて見たい。沿道にはニリンソウの群生地があっが、まだまだ咲きはじめたばかりの様子。
<大内沢>
この地区の中心地には見晴しに絶好の場所、展望台があるので、そこでひとまず休憩する。花の見頃は過ぎているが、まだまだ花の景観は残されているようだ。集落にはこいのぼりも上がり、GWと思えるような雰囲気を感じる。時たまツーリングの車が上がって行くが、その数は極々わずかだ。そして、静かなこの風景に見惚れて里山の春を肌で受け取る。
<桜は散り始め>
<新緑の季節>
<皇鈴山>
大内沢の花桃の郷からは林道を登って来た。途中、別荘地らしき場所もあり、平野部の眺めはいい。ハイキングコースの「大内沢観光みかん園」の道標を発見する。そして、林道から外秩父七峰縦走ハイキングコースと合わさり、皇鈴山へ到着した。ここの見晴は中々いい。霞んではいるが、冬はもう少しいい眺めかもしれない。ただ、車道歩きがあるのは残念だが。ここで一息入れて登谷山へ行こう。その前に軽く食べてからだ。
<両神山>
<城峰山>
<秩父市街地>
<蓑山>
<浅間山遠望>
登谷山には牧場があり、稜線沿いに進めばその頂きだ。関東平野が丸見えの頂は、春の穏やかな風が吹き抜ける。とにかく稜線を突き進んで行くと、有刺鉄線の柵に出合い、天体観測村らしき場所に出た。夜景は一見の価値あり、というふれ込みだけあって遮るものが何もない。中継所の脇に入り更に突き進んだ。踏み跡はしっかりついているし、テープもある。安心して進んだが、見当違いの尾根を下る方向に誘導された。慌てて軌道修正し、再び関東ふれあいの道へと合流する。車道歩きだが、桜並木がちょうど見ごろになっていた。桜に青空、それにこのポカポカ陽気、日本の季節の楽しみ方はいろいろだが、春全開に満足感いっぱいだ。
<破風山>
<釜山神社>
<小林山>
<パノラマ展望台から不動山>
<萩根山>
思い出した。それはそれは大昔の出来事だった。そうだ、確かにここだ。あれは地図も持たず、嬉しさのあまり登山靴の履き慣らしにやって来た場所だ。車道歩きに耐えて耐えて歩いていたが、我慢しきれずこの山道へ入ってしまう。都合悪くなったら戻ればいい、そんな安易な感じで深入りしてしまった訳だ。そして、岩場が多く、戻るに戻れなくなってしまった事を思い出す。四苦八苦しながら運よく麓の集落へ降りられたが、その場所が分からず、ハラハラドキドキしたことを憶えている。山道も消えて、やがてヤブの中をウロウロしたあの苦い経験がある場所だった。今は何やら意味不明のものが多く飾られ、信仰の山になっているようだ。パワースポットとも呼ばれているらしいが、当時はまったくそんなものはなかった。今思えば岩の上で昼寝でもして、お茶でも飲もうという軽い目論みで、ここへ入り込んでしまったが、その結末はプチ遭難寸前だったように思える。だからこの先は深入りせず、戻ることにする。そして、ふらっと立ち寄った昔の懐かしい場所を後にした。
<葉原峠>
<塞神峠>
<思いもよらぬカタクリ>
葉原峠にて
ここまで昼ご飯らしいご飯は食べずに来てしまった。どこかでゆっくり食べたいと考えながら歩き通してしまった訳だ。頭の中ではこの葉原峠で腰を据えて食べようと思っていたが、新潟は長岡からやって来たという方達に声を掛けられた。ストックをどこかに忘れたという内容で尋ねられ、途中見掛けたことを伝える。男性一人が忘れ物を取りに向かったが、ついでに同僚の方に新潟の山の様子を伺った。そして、しばらくして忘れ物を探しに行った方が戻り、新潟の方達を道ずれにツツジ園まで下るが、ここがハッキリとした山道ではなく踏み跡の薄い藪漕ぎになってしまう。
<岩根山のツツジ>
<ツツジも満開、桜も満開>
ここはすっかり観光名所になってしまったようだ。一昔前は入園料など徴収しなかったように思えるが、今は¥800も徴収している。おまけに園外から見えなくするために、紅白の幕までが張られていた。どことなくせこい感じだ。ならば、こちらもせこく、幕の隙間からその咲き具合を撮り収めた。そして、ここから再び山道へ戻って春日神社経由で下山する。
<春日神社>
岩根山ツツジ園から再び林道を上がって、ハイキングコースへ入った。当然ながら誰もいない。静かなこの場所で本日のお昼ご飯を食べることにしよう。ここならゆっくり食べられる。後は下るだけで、お腹いっぱい食べても問題ないだろう。ここでしっかり食べて、帰りの電車の中では柿の種で我慢だ。
<法善寺>
しだれ桜で知られる法善寺に下山した。春日神社から尾根を下ったが、途中で山道が消えてしまい、ちょっと焦った。しかし、無事下山だ。ここから水管橋を渡り、桜並木を歩いて野上駅へと向かう。やはりこの桜のシーズンは観光客でいっぱいだ。特に国道は渋滞の様子。当てずっぽうに歩いたが、たくさんの花に出合える事ができて良かった。昨日、今日と、身も心も春色に染められた週末だった。
電車の中から…、ってことは仕事帰りですね。お疲れ様でした。岩根つつじって、美味しそうな和菓子ですね。名前、はじめて知りました。定かではありませんが、食べたこと、たぶんあると思います。でも、最近は饅頭とか、焼き芋が癖になってしまって、毎週、買い置きしています。
そうそう、標高の高い場所では相当寒かったようですね。季節外れの冬景色でビックリしたのではないですか。あの大倉尾根を往復ですか。ガッツでしたね。お疲れ様でした。花の季節、トムラウシさんの季節ですね。ありがとう^^
土曜日の夜はよほど寒く風も強かったのでしょう。エビのしっぽもありました。
さすがにびっくりしました。
土曜日の夜はよほど寒く風も強かったのでしょう。エビのしっぽもありました。
さすがにびっくりしました。
スマホから電車の中からです♪
岩根ツツジの岩根って、地名だったんですね!
この季節、無性に食べたくなる和菓子は「岩根ツツジ」というなのキントンです。岩に根を張るど根性ツツジを想像しておりました、長年…笑。
今年は大雪でしたね。特に奥多摩とか奥秩父とか…。まだ里山なれど残雪を見ます。季節感を感じるために今回は桜を目的に出掛けてみました。変わらぬ日常生活から一歩抜け出し、季節感溢れる自然の中に身を置くことで日本の四季の変化を味わっている次第です。残雪の山といえば、残雪期だけ登れる山があるのですが、どうも今年も行けそうにありません。体力は衰えるばかりですが、せめて夢は大きく持ちたいものですね。ありがとうございました。(^^)
季節の足取りの早いこと・・・。
日本の季節変化が一番劇的なのが春ではないでしょうか。
改めて”日本っていいな~”と思います。
岩根山の花は見事ですね。
早くに知っていたら私もはせ参じていたでしょうが、残雪の山の追っかけをしていたため、来春に持ち越しでしょう。
この写真は幕間から摂ったものですか?
それならせこい勝負に勝ちましたね。