2012年11月3日(土) 晴れ
国民宿舎→硯岩→掃部ヶ岳→耳岩→杖ノ神峠→杏ヶ岳→杖ノ神峠→湖畔の宿→国民宿舎
11/3、今日は文化の日だ。秋も真っ盛り、行楽日和である。富士山の雪景色も見たいが、しばらく訪れたことがない榛名山の山へ行く。
掃部ヶ岳
掃部ヶ岳は「かもんがたけ」、杏ヶ岳は「すもんがたけ」と読むらしい。年寄は早起きだから2時30分ごろ家を出た。高速道路は使わず、上武道路からのアプローチだ。赤城山は近いが榛名山になると少々時間が掛かる。今日のような行楽日和の祝日には渋滞が予想されるので下山後はサッサと切り上げる計画だ。
榛名富士
夜明けと同時に榛名湖畔へ到着する。まだ薄暗い。どこの駐車場にも車が2,3台駐車されていた。三脚を担いで動き回っている人もいる。そして、無料の町営駐車所へ駐車した。おにぎりをひとつ食べて早速身支度を開始する。外は薄氷がはる寒さだ。ザックを担いで歩き始めた方も数人いる。登山口の近くにはトイレも建てられていて様変わりしていた。
硯岩から
登山口を入れば良く踏まれた山道が続き、途中から階段も整備されたハイキング道である。一汗かく前に尾根の鞍部に出た。ここを右に行けば突き当りが硯岩だ。榛名湖畔が一望できる見晴らしのよい場所である。向いの烏帽子ヶ岳も見晴らしがいいが登山口から近いのはこちらだ。だからスニーカーで訪れる人もいる。
紅葉は
北風が寒い。手袋が必要な季節になってしまったもんだ。おまけに鼻水も出る。歩くときは気になるのでチーンと勢いよく吹き飛ばす。しかし、風の強い時は難しい。飛ばす方向を間違えると悲惨な目にあってしまうからだ。榛名山には最高峰の掃部ヶ岳、相場山、二ツ岳、天目山などが連なる。なかでも富士山に似た榛名富士は良く知られるところだ。
湖畔は
赤城山、妙義山とともに上毛三山のひとつに数えられている榛名山は山と湖水があり、絵になるようないい感じの風景が眺められる。さて、そろそろ分岐の鞍部まで戻りたいが、先客がいなくなったので、ここの風景を撮り収めよう。
烏帽子ヶ岳も
だいぶ前になるが階段までは整備されていなかったように思える。それが延々と掃部ヶ岳山頂まで続いている。歩き易いような、歩きずらいような丸太の階段だ。辺りは笹が広がり緩い登りから山頂が近づくときつくなる。ここは山頂まで登らないと見晴らしがよくない。葉が落ちた樹林越しに眺めるだけだ。
妙義山が
掃部ヶ岳山頂に着いた。山頂は南側に開けている。実にいい眺めだ。関東平野が丸見えのようだ。見渡せば浅間山から八ヶ岳の山々、それに南アルプスの甲斐駒か北岳か、頂きが真っ白い。それに、金峰山をはじめ奥秩父の山々も眺望できる。
八ヶ岳が
これほど見晴らしがよい山頂とは思いもよらなかった。しばらくはこの眺望を楽しみたい。
榛名湖も
山頂から西へ向かう。笹が足元を隠す。整備された東側の山道とはほど遠い。それとは比べものにならないほどである。笹が足元を隠して見えなくしている。深いところでは腰辺りまであり、その中を泳ぐように下るが朝露がすごい。あわててスパッツを着けた。
杏ヶ岳
山頂辺りはすでに落葉になってしまった。西峰からさらに笹が生い茂る。道筋がわからないほどだ。初めての方では面食らうだろう。下刈りがまったくされていない山道だ。足を取られないようにゆっくり歩くしかない。
行楽日和
下っていると耳岩だろうか、見晴らしのよさそうな岩峰があった。その岩のてっぺんに一人で登っている方がいた。新潟から来たというのでまたびっくりだ。てっぺんまでは登れないので早々に前進する。次は展望が良いとされる送電線の鉄塔下へ立ち寄った。上越国境の山々は雪が降っているのだろう、雲の中だ。
浅間山に雪も
ここの鉄塔下からよく見えるのは浅間山付近の山だ。鼻曲山や浅間隠しなどがよくわかる。四阿山や谷川も望めるが、今日は雲が多い。
まだまだ
再び深い笹の中を下る。足を滑らすように。手探りはできないので足探りだ。やがて杖ノ神峠に飛び出る。ここから天神峠へ戻るが、今日は杏ヶ岳へ行ってからにする。
杖ノ神峠
峠から階段を上がる。ここも山道は笹が生い茂っている。覚悟して歩くが、やがて笹もなくなり気持ちのよい尾根歩きの道となった。
青空も
紅葉もいい感じである。遅すぎた感はあるが静かな山の時間が味わえるのがいい。杏ヶ岳はマイナーな山だから人も少ないだろう。そう思いながら景色はないものの晩秋の山歩きを楽しんだ。静かに落葉の道を歩くのがいい。
晩秋の思い
アップダウンしながら徐々に標高を下げて行く。3個のピークを超えると4個目が目的の杏ヶ岳だ。昭文社の地図によれば「鏡台山、榛名湖、天狗山方面の展望がよい」と記されている。その展望を期待していた。しかし、山頂からはまったくその展望は得られない。山頂の周りの木々が伸びてしまったようだ。もっともこの地図は今から11年前のものだからしょうがない。
杏ヶ岳山頂
杏ヶ岳山頂でお昼ご飯にした。先客は耳岩で御一緒の方2人だ。新潟の方と地元群馬の方である。雑談をしながら食べた。食後のコーヒーを飲もうとしたがいつものバックにない。白湯で我慢し戻ることにした。「お先に…」と声を掛け出発する。するとすぐに団体さんがやって来た。
山林越しに
行楽日和もしだいに雲が多くなってきた。後から地元群馬の方に追い着かれる。いろいろ群馬の山のお話を聞きながら杖の神峠まで戻った。すると峠には、どうしたのだろうか、中年の男性がうずくまっていた。そばにいた方に声をかければ滑落したのだという。そのお母さんと息子さんだ。頭部を打って側にいた方にここまで下してもらったらしい。歩けず、吐き気がするのだというので救助要請をすることに。
湖畔の宿から
携帯は途切れ途切れ、ここまで来てくれるかどうか。電話は通じたのかどうか、心配するお母さんと息子さん。名前と携帯の番号をメモし、湖畔から確認することに。早速下山開始した。そこまでは約1時間のコースタイム。走ること2、30分。やっと湖畔の広場へ到着する。すると着くやいなや、救急車と消防車がやって来た。そばへ歩み寄り場所と容体の状況説明をする。林道がある為、救急車は入れることを説明をする。するとすぐさま峠へ向かった。しかし消防車はだめ。なんだかんだと辺りはものものしい雰囲気になった。すると、今度はバタバタと上空をドクターヘリが旋回してきた。そして、ヘリは閉鎖中の駐車場へ降りる。そんなこんなの出来事があった。大事に至らなければいいが…。
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