山さんぽ花さんぽ

奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

再び大ドッケの福寿草自生地へ

2013年03月24日 | さんぽ


2013年3月23日(土) 晴れ/曇り

毛附トンネル→カラ沢→福寿草自生地→峠ノ尾根→地蔵峠→金倉橋→毛附トンネル

再び福寿草自生地を訪れることにした。この時季、多くの方が訪れているような気がする。そう考えると控えるべきであったかと思ったが、踏み跡が気になりこの目で確かめたかった。どれだけ踏み荒らされてしまったかと。それに前回訪ねた時、見ず知らずの私にお茶ときんぴらを出してくれた方へのお礼をしたいという気持ちがあった。そこで今日はのんびりカラ沢から峠ノ尾根を回る予定だ。秩父地方も桜がほころび春を迎えていた。カタクリも咲きはじめ春本番という感じだ。正丸峠を越え、影森のいつものセブンイレブンでいつものおにぎりを購入する。そして、いつもの浦山大日堂の駐車場へ。しかし、既にいっぱい、はみ出して路駐している状況である。


<廃屋>
山へ入る前に先々週ご馳走になり、それっきりになってしまった方へ、まずはお礼方々ご挨拶に立ち寄った。ガラガラっと戸を開け、大きな声で「おはようございます」と挨拶をすれば、キョトンとした顔。「憶えています?、先々週、山から帰って来て、お茶をご馳走になった私を…」と切り出した。二言三言会話が始まり、やっと思い出してくれた様子。そんな事でちょっとしたものを届けたかった。



<山道>
例によって、細久保に向い、廃屋を過ぎて作業道が消える。しかし、消えているはずの道が、福寿草が咲く頃になるとしっかりと踏み跡が出来ていた。今日もたくさんのハイカーが入っている様子。私の前には5~6人が、後ろにも7~8人が続く。ちょっと考えさせられたが、私もその一人であることを忘れてはならない。踏み荒らさない為には足跡を最小限に抑えることだと感じた。



<ハシリドコロ>
鹿よけのネットをくぐり、沢へ下りるポイントに出た。以前は作業道がはっきりと上に向かって延びていて、降下ポイントが不明瞭であった。しかし、今は何てこった。上へ向かう作業道は荒廃し消えているではないか。それに比べ沢へ下るべき道筋がしっかりと出来上がっていた。ここが迷う第一ポイントであったが、冒険心も消えてしまうほどだ。



<まだ雪が残る>
カラ沢へ下りると10人前後の方達が休憩中であった。ここが迷う第二ポイントだが、落葉はここもしっかり踏まれ、「どうぞこちらです」という感じである。



<沢筋をつめて>
沢の谷間をつめると、普段人が入らない景観に変わる。それは静かな山間に残る自然の姿だ。しかし、足元にはしっかりと踏まれた跡があり、その跡を追う。休憩中に下から上がって来た4~5人の一人は地図を片手に、「ここは右よ、右に行くのよ」と言いながら踏み跡のない沢の右端をドカドカ登って行く。右側は落石のありそうな斜面、それに左側の進むべき踏み跡を確認しているのにもかかわらず目的地へまっしぐらって感じ。まるでイノシシが突進するような光景を連想した。














<福寿草自生地>
目的の自生地に着いた。支尾根側にザックを下し、踏み跡の濃い場所へ入ってみた。自生地の回りには7~8人のグループが二つ。あとは5,6人がまばらに休息中である。誰しも花を見に来たので一番見やすい場所を確保したいのだろう。しかし、そこは花のことを考えれば真ん中にドカとは座れないが中央でワイワイ。そして自生地の頭でワイワイ。または薄い踏み跡を拾ってウロチョロする人。そんな調子だ。私もその一人であることを思えばゴタゴタ言える立場ではないが、思い余って一言、「花芽のある場所は歩かないで下さいね、自然を大切にしましょうね」と。そうは言っても違う場所でまたウロウロしていた。踏まれてしまった小さな福寿草が目に入り複雑な思いだ。今日はお天気がいまいちのため花びらは開かずぱっとしないが、見頃は過ぎてしまったようだ。せめて自分だけでも歩き回らないように大ドッケの福寿草を楽しみたい。



<支尾根>
ここを約100mほど登れば尾根に上がれる。



<大平山への尾根筋>
大平山から来たという単独の方に出会った。「咲いていますか?」という問いに、「え~、まぁ~」と濁した言い方になってしまった。それは踏まれてしまった花を思い出してしまったからだ。気を付けてと背中を見守る。



<仙元尾根>
ここも定番になってしまった景色だ。見新しいものはなにもない。天気予報通り、午後は雲が多くなってきた。今にも雨が降りそうな空だ。



<峠ノ尾根>
尾根はすっかり雪も消え、落葉フカフカになった。ほとんどの方が自生地を往復していたが、「あの方達も行くから行ってみよう」と4名のグループが支尾根に上がって来たが、後ろにはいないようだ。迷うとすれば峠ノ尾根への分岐だ。どうしたかと頭をかすめる。



<61号鉄塔>
新秩父線61号の鉄塔下に出た。だいぶ下がってきた。スミレも咲いている。途中、大持山を見つめながら雑木林の中に立っていた方がいたが、何をしていたのだろうか。小さな椅子まで持参していたが。それも一人で。



<地蔵峠>
ここには細久保、地蔵峠ハイキングコースのプレートがある。毎回、決まって巡視路を下り、天目山林道へ出ていたが、このプレートの示す左側の集落が見える方向へ下ってみた。踏み跡はあるものの細く埋もれている道だ。荒れていてここを歩く方はいない様子。途中、寸断された場所が2ヶ所、今は使用していないと思われる巡視路の新秩父線61号という黄色い杭。



<作業小屋>
緩やかに下れば集落が近づいているのが分かった。民家の青い屋根がしだいに近づき、大きくなってくる。木工所だろうか、木材を切るノコギリの音が聞こえる。



<民家の庭先へ下山>
下山した場所は民家の庭先。鍵こそ掛けられていなかったが、金網の扉でふさがれていた場所だ。静かに庭先を失礼しながら通過する。狭い車道を進めば金倉橋バス停へ出た。そこから毛附トンネルを抜ければ駐車した場所へ戻る。しかし、ここは旧道をのんびり歩き、庭先に咲く花を眺めながらテクテク進んだ。



<スミレ>
思えば福寿草自生地は賑やかで、花の咲く時季は毎度のことのようだ。しかし、写真を撮る為の行動は慎重にしたい。そばに近づきいい写真を撮りたい。その為に気付かない花を踏みつけているように思える。私も含め、足元には常に意識する必要があるだろう。それに薄い踏み跡を拾う方がいるので、闇雲に歩き回らないようにしたいものだ。来年もひっそりと咲いてほしい大ドッケの福寿草である。

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
福寿草再び (たそがれオヤジ)
2013-03-25 08:52:37
おはようございます。またいらしたのですね。
今回はうって変わって人ごみでしたか。
どこの山を歩いてもそうですが、グループ、団体になると、旅の恥はかき捨て気分になっちゃうのが不思議です。一人では決してしないことも、団体の一員になると、平気で大胆になったり、蛮行すらしてしまう。
これでは、対象になってしまう自然や生き物がかわいそうですよ。
返信する
たそがれさん (あんぱん)
2013-03-25 21:21:45
こんばんは、たそがれさん。
いつもお世話になります。って言うか、お世話になりっぱなしで…、恐縮です。
あの福寿草をはじめて見る方は興奮するのでしょうかね。大声を出してみたり、ウロウロしてみたり、大きなジジババがはしゃいでいるようにしか見えないですよ。でも、たぶん私もはじめて訪れた時はあんな風だったのかもしれないと思うと反省ですね。
返信する
福寿草自生地 (HIDEJI)
2013-03-26 20:02:56
あんぱんさん、はじめまして。
奥武蔵や秩父の山歩きが好きな埼玉県人です。
先日、福寿草自生地に行きましたが、その際、ホットな情報として参考にさせていただきました。ありがとうございます。
私も初めて目の当たりにした光景に、はしゃいでしまったクチで、恥ずかしい限りです。
それにしても写真綺麗ですね。うらやましいです。
それと魅力的なコースの数々、今後も参考させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
返信する
HIDEJIさん (あんぱん)
2013-03-27 17:21:57
こんにちは、HIDEJIさん。
ご訪問、ありがとうございます。HIDEJIさんのHP、拝見させて頂きましたが、記憶にありましたのでびっくりです。こちらこそ宜しくお願いします。日和田山は私のところからすごく近いです。クライミングは2~3回お遊びでジム通いしたことがある程度で、経験はまったくありません。これをご縁に今後ともどうぞよろしくお願い致します。
返信する
赤岩岳 (HIDEJI)
2013-04-20 02:04:06
あんぱんさん、こんばんは。
西上州や埼玉と群馬の県境は、私にとっては聖地のような領域で、今年こそ大ナゲシと出来れば赤岩岳に訪れたいと考えており、非常に興味深く拝見させていただきました。
赤岩岳の圧倒的な存在感、そして西上州の山々の迫力、写真からも十分に伝わり、ますます行ってみたくなりました(^_^;)
山頂部の写真を見ると確かにどこを登るのだろうかと悩みますが、参考になりました。
返信する

コメントを投稿