2014年6月29日(日) 曇り時々雨
麦草峠→丸山→高見石小屋→中山展望台→中山→にゅう→白駒池→麦草峠
今朝は早く目が覚めてしまった。ここのところ雨ばっかりなので、お天気が心配になり、いつもよりも2時間早く起床する。パソコンで確認すると気になっていた雨雲は西から東へ移動していた。家の外はザァーザァー降りの雨の音が聞こえている。そして、悩んだ。行くか、行かないか。いったんは諦めかけていたが、たとえ3~4時間でも歩きたい。そんな思いが行動させたのだろう。この季節、コケを眺めたく、北八ヶ岳は白駒池周辺へ出掛けてみることにした。雨が降っていて、後で後悔するよりも、行って納得することが先決だと考えた。単純なこんな答えを出すのに90分も掛かってしまう。忙しく準備して食べる物も食べず、車を走らせた。麦草峠なら国道299号線だから正丸峠から下道を行けばいいが、それでは歩く時間がなくなってしまう。ここは下仁田ICから254号線を走り、内山峠を越えて佐久穂町へ出ることにした。来月から高速道路の割引率が変わる。度重なる交通費もバカにならない。ここは頑張って下道を走り、多少なりとも経費節減を考えなければならないだろう。これからはケチケチ作戦で山を楽しみたい。
<メルヘン街道から浅間山>
予定通り、下仁田ICを降りる。高速道路では雨脚が強かったが、ここでは小雨になっていた。途中、榛名山辺りに青空も覗きはじめ、順調に天気が回復していることを感じる。しかし、内山峠を越えて、佐久へ入っても依然、八ヶ岳は雲に被われていたが、メルヘン街道からは雲海が眺められた。
<麦草ヒュッテ>
麦草峠手前の有駐車場を通過し、峠の無料駐車場へ滑り込む。幸運にも2~3台の空きスペースがあった。驚きだ、この天気で、この時間で、既に満車に近いとは。ここはトイレが新しく建替えられている。そう考えるとだいぶ久し振りに訪れたことになるだろう。まずは、車中でおにぎりを食べ、ゆっくり身支度をしてから歩き始めた。
<小さな森の住人>
このコースは2~3回訪れているが、いつも白駒池からだった。今回は丸山から中山、そしてニュウと白駒池を回ってみようと思う。この時季、麦草ヒュッテ前の花は少ない。シカの食害がひどいのか、鹿除けネットの扉を開け、丸山へ向かう。
<苔の中にオサバグサ>
道はいきなりコケの原生林へ入り込んだ。苔の観察ツアーなるものが山小屋で企画されている様子。数十名の団体さんと出会う。その他にはこの天候だからか、行き交う登山者は少ない。苔の名前が書かれた小さな名札が置かれ、コケにも色々と種類があることが判った。それによれば、丸山の森を代表する苔の名前は「チシマシッポゴケ」というらしい。茎の長さは5~8cm、先端がしっぽの様に鎌形に曲がっているからこの名前になったようだ。
<苔むした山道>
<丸山>
<高見石小屋>
麦草峠から意外と高見石小屋は近い。ここに昨夜テント泊した登山者と会話したが、土砂降りの雨が凄かったという。雷も聞こえたらしく、今朝は早々に退散だと言っていた。まずは、高見石へ登ってみたい。展望はそれほど良くないが、このコースは見晴らしの良い場所が少ない場所なので、貴重な展望台だ。
<高見石から茶臼山>
<高見石から白駒池>
<ここは大きな石がゴロゴロ>
<高見石小屋>
小屋へ戻り、休憩しながらパンをかじる。食べながら地図を広げ、コースタイムを計算していた。ニュウまでおよそ2時間、天気と今日の調子によっては黒百合ヒュッテまで足を延ばしてみようか。そんな事を考えていた。
<雨に濡れた道>
<青々とした苔がいっぱい>
<中山の展望台から>
見晴の良い場所へ到着した。ここは中山の展望台で、東天狗と西天狗が良く見える。その天狗岳が非常に近くに感じられた。それに、北八ヶ岳特有の縞枯れ現象も眺められる。天気が良ければ御嶽山や乗鞍も見えそうな場所だが、雲が低く垂れ込め、車山や霧ケ峰、それに美ヶ原さえも見えない。さて、ここからしばらくは長丁場だ。チョコバーをかじって腰を上げる。
<左から東天狗岳、西天狗岳>
ニュウと中山峠の分岐では一休みして考えた。これから、どうしようか、黒百合ヒュッテまで行ってみようか、それともやめようかと。時間的には十分であったが、この天気がいつまで続くか分からない。そう思うとここは早めに切り上げることがいいだろうという事でニュウへ向かう。
<ミツバオイレン>
<コミヤマカタバミ>
<東天狗岳と硫黄岳>
<群生していたイワカガミ>
<また天狗と硫黄>
<ニュウ>
ぶらぶら散歩気分で下って来たらニュウが見えてきた。ここまで来れば既に着いたも同じだ。ここはあの岩から風景を眺め、お昼ご飯にしたい。今朝、麦草峠でおにぎりを3個食べてしまったので、残るはパンだけだが、コーヒーでも飲みながらのんびり休憩しよう。
<ニュウから北八ヶ岳>
<次々に湧き上がる雲>
<ニュウから稲子岳と天狗、硫黄>
<そろそろ白駒池へ>
<にゅうの森>
<花一輪>
<もののけの森>
ニュウで休憩して下山したが、ここは苔むした原生林が雨に濡れて輝いていた。その名もミヤマクサゴケというらしい。倒木や木の根元などにマット状に群落をつくる中型のコケだという。そして、ついにパラパラと雨が降り出す。しばらく時間が経過したが降り出した雨は止まず、時折激しくなったりしていた。ここで、カッパを羽織り、ザックカバーをした。その後、何気なく下っていれば、突然、足元をすくわれたような感覚を感じた。次は右に倒れ込んで、大腿筋に衝撃を受ける。手はストックを握っていたが、倒れ込んだ拍子に腕から水溜りにのめり込む。原因は張り出した濡れた根っ子に足を滑らせ、転倒してしまったようだ。体重を右足に移した瞬間に、すってんころりんと倒れ込んだ次第である。大人だから我慢すれば良かったのか、痛いものは痛いので、思わずイテテテっ、と口走ってしまった。(帰宅してみればケツの右下の大腿筋が青くはれ上がっていて、3日たった今もまだ痛みが消えない。それに、青アザになっている。)
<白駒池>
<白駒荘>
<青苔荘>
ここは観光地で、手軽に立ち寄れる場所だ。有料駐車場からもほど近く、道も整備されていて行き交う方は軽装な身なりをしている。池を一周する方もいるようで、傘を差しながら歩いていた。この小雨の中、木道歩きは足元に気を使う。
<苔、こけ、コケ、こけちゃった>
<麦草峠へ戻って>
ニュウまでは順調に歩けたが、その後がぶらぶら歩きになってしまい予想以上に時間を食ってしまった。苔めぐりでこけちゃった、なんてシャレにもならない痛みが記憶に残る。麦草峠では市の主催でハイキングに来たという方としばらくは雑談をした。ロープウェイで上がって、北横岳から縞枯山、茶臼山を歩いて来たという。4班に別れ、まだ後ろの班が到着していないので、それを待っているのだという。
<八千穂高原の白樺林に咲くアヤメ>
帰りも下道で内山峠を越えた。そして、下仁田ICから高速に乗ったが、高坂SAで事故渋滞がはじまったという交通情報だった。通過に2時間以上もかかるというので、これまた仕方なく花園ICで降りて下道で帰る。雨に濡れた苔の輝きがとても印象的だった北八ヶ岳、静かな森の中に広がるおとぎの国のような感覚の一日だった。そして、太ももの痛みは、しばらく続きそうな感じである。
私も好ましく思います。
とりわけここからの東西天狗の姿がいいですね。
名著『北八ッ彷徨』の著者・山口耀久さんも可愛がっていた山のようです。
私が「ニュウ」を知ったのもこの本からでした。
高速料金は高すぎます。
おまけに「近郊区間」というのがあって、都心からの場合はかさあげで割高感が募ります。
感覚的には現行料金にの半額以下が妥当だと思います。
通勤割引がなくなり、休日割引も7月からは3割。
ガソリン代の高騰も痛いですが、これだけは節約の仕様がありません。
単でのマイカー山行ではせめてできるだけ下道走行で節約を図るしかないですね。
久し振りの八ヶ岳でした。北八ヶ岳は池もあったりして、梅雨の時期には展望が期待できませんので、ぶらっと歩けるのでとても気楽なコースです。この時季の苔もなかなかいいもんでした。改めて苔の風景もいいもんだと感じました。
そうですね、高速料金の3割は痛いです。せめて、通勤割引があったら助かったのですが、そうですか。通勤割引がなくなりましたか、ちょっと考えちゃいますね。