2014年3月29日(土) 晴れ
川場スキー場→剣ヶ峰山→武尊山(沖武尊)
武尊山(ほたかさん)は北アルプスの穂高岳と区別するため、上州武尊山とも言われている山だ。関越道を走っていれば赤城SA付近でその山容は良く眺められ、主峰の沖武尊をはじめとする、中ノ岳、家ノ串、前武尊、剣ヶ峰山などの峰頭が南面の川場谷を囲んでいる。今日は残雪期の上州武尊をはじめて登ることにした。この時期、谷川もいいが駐車場代やらロープウエイ代とやらで往復のガソリン代が出てしまう。その点、ここはリフト代がその半額で済むという計算だ。それに駐車場は無料で、スキー場のフタッフが登山者にも気遣いをしてくれるという評判だ。春休みもたけなわ、桜も咲き始め、ここ数日間で季節は春の陽気になった。スキー場がクローズしてしまう前に好天を狙って、谷川連峰や上越国境の峰々を展望してみたい。それに尾瀬の至仏山や燧ケ岳も以前から残雪期の眺めを求めていたような気がする。高速を使えば沼田ICまではそれほど時間はかからない。奥多摩や奥秩父の山へ行く時よりもずっと遅くていい時間だ。だが、不運な事に、前橋IC付近で事故渋滞になってしまい、やや遅れて川場スキー場へ到着した。ここのスキー場もはじめてであり、様子がいまいち分からない。しかし、係員の誘導で迷うことなく無事駐車場へ到着した。身支度をするもみなさんスノーボードのいでたち、一風変わった格好でカウンターでリフト券を購入した。窓口には登山届も準備され、積雪期の登山者をむかえている。そして、2本のリフトを乗り継ぎ、剣ヶ峰山の下へ一気に駆け上がった。
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<上州三峰山、鬼岩、浅間山>
稜線からやや下がった位置にリフトの終点があり、そこから目の前の大岩壁を左から急登する。今日は気温が上がると予報していた。いくら上がるからといっても秩父辺りの山へ出掛ける服装ではいかがなものかと、それなりに装備した。それに、今シーズン初めてアイゼンを履くことになった。ピッケル、ワカンは準備せず歩き出す。賑やかなゲレンデとも離れ、急斜面を登る。雪質はやはり春だ、アイゼンがまったく効かない。それでも、無いよりはまし。そんな程度の腐り具合だ。
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<かすかに富士山、西峰>
大岩壁を登り上げると、剣ヶ峰山の鋭鋒が待ち構えている。一枚脱いで歩き始めたが、やはり暑くなってきた。ここで休憩しながら、また脱いで薄着になる。気温も相当上がったのだろう、半袖ででもいいような雰囲気だ。日差しも強く、サングラスが欲しい。代わりにゴーグルを掛けたが、顔から汗が噴き出てきた。出来るだけ足元の雪は見ず、遠くの山を眺めるように進んだ。
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<白砂山、谷川>
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<赤城山、子持山>
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<子持山、榛名山、八ヶ岳>
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<武尊山>
目指す山頂が見えてきた。意外と近い。ぶらぶらと景色を撮りながらだった。ここはのんびりと雪山を楽しむのにはいいかもしれない。そう思った。上州武尊は3回目だが、一回は途中で熊に遭遇して帰ったことがある。熊除けの鈴も付けずに歩いていた。すると突然目の前を黒い岩のような物が左上から右下へ落ちて行った。何だろうと立ち止まって辺りを見回していたら、熊がこちらを見ているので慌てて大声を出した。しかし、それは後の祭りである。熊がこちらへやってくる気配に思わず逃げ出した。今思えば、まるで動物園の熊でも見ているような感覚だった。恐らくあちらさんも驚いたのであろう。それにしても、目の前を横切るスピードは物凄かった。
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<谷川>
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<浅間山>
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<四阿山、草津白根山>
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<志賀、白砂山、稲包山、三国山周辺>
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<苗場山、平標山、仙ノ倉山、万太郎山、谷川>
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<白毛門、朝日岳>
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<巻機山>
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<笠ヶ岳、朝日岳、柄沢山>
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<剣ヶ峰山>
良かった。無事剣ヶ峰山を通過した。このコースの一番の難所は、この剣ヶ峰山を越えるところだ。山頂は左右が切れ落ちていて、足がすくむほど高度感がある。雪がなければ何でもないところだが、雪が付くだけで緊張感が増す。それに、岩場を下る数mは足場も確保する必要があるような場所だった。今日は雪も少なく、さほどでもなかったが、アイゼン、ピッケルが欲しいところだろう。ここを降りれば、再びのんびりと残雪の風景を堪能できる。
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<武尊山>
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<剣ヶ峰山>
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<獅子ヶ鼻山、谷川>
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<剣ヶ峰山>
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<獅子ヶ鼻山>
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<剣ヶ峰山、浅間山>
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<至仏山、燧ケ岳>
おっと、目の前に待望の尾瀬が見渡せる位置に来た。もう直ぐ山頂だろうが、これほど眺めがいいと足が止まってしまう。最高の天気に恵まれた。時々踏み抜くことがあるが歩きづらさはない。時間が止まって欲しい。帰りたくない。いつまでも眺めていたい。そんな気持ちだ。
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<中ノ岳、越後駒周辺と平ヶ岳>
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<越後の山々>
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<巻機山>
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<谷川>
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<武尊山山頂>
山頂に着いたが、まずはここの眺望を楽しみたい。ご飯はそのあとだ。既に十数名の登山者が思い思いに陣取っている。普段見れない尾瀬や越後の山々に人気があるようで、ほとんどの方が北向きに座っていた。ここへ到達するのにコースタイムの2倍以上を掛けてしまった。というか、足が止まってしまうような眺めに引き込まれてしまったという感じだ。では、武尊山山頂からの絶景をじっくり眺めよう。
続きは『川場スキー場から上州武尊山と光り輝く残雪の峰々(復路)』で。
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