山さんぽ花さんぽ

奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

明智平から茶ノ木平とシロヤシオ満開の薬師岳東尾根

2014年05月18日 | さんぽ


2014年5月17日(土) 曇りのち晴れ

清滝神社→清滝一丁目バス停→(バス)→明智平→茶ノ木平周回→細尾峠→薬師岳→丸山→大木戸山→三ノ宿山→やしおの湯→清滝神社

4~5年前、細尾峠から薬師岳、夕日岳、それに地蔵岳を往復したことがある。丁度、今時分だったかもしれない。ツツジが山道脇に咲き乱れ、それはそれは印象深い記憶に残るハイキングだった。これほどまでにトウゴクミツバツツジが咲いている山はそう簡単にあるものではない。そんな感じだった。地図に記載された「禅頂行者みち」という古道と、「夕日岳」という何ともロマンチックな山名に益々興味が惹かれたことを思い出す。今回は単独なので、時間とコースは自由に計画した。まずは、車でバス停の清滝一丁目近くに駐車する。そこから、路線バスを利用して明智平まで移動し、ロープウェイ脇の道から歩き出す。車はやしおの湯の駐車場を拝借する予定でいたが、当日、バス停横に清滝神社駐車場があったので、そこを利用した。今日歩く薬師岳から東へ延びる尾根には、丸山、大木戸山、三ノ宿山があるが、ここもシロヤシオとトウゴクミツバツツジに出合える山のようだ。天気に不安はあったが、アカヤシオとヤマツツジにも出会えそうな贅沢なコースに設定した。そうと決まれば準備は三日前から始める。一日目は装備品のリストを作成し、二日目はその準備をする。三日目は食糧の調達と早く寝ることに集中した。久々に日光周辺の山へ出向くが、早出のワクワク感とドキドキ感が重なって、充分に睡眠をとることができなかった。それでも、予定通り午前3時前には家を出ることができた。年寄は朝が早いというが、それは本当だと思う。何故なら歳を重ねる度に早起きが苦にならなくなってきたように感じている。


<展望台から華厳の滝>
バスは5分遅れて清滝一丁目バス停へ着いた。大型の観光バスだった。それが路線バスとして運行されている。湯元、中禅寺湖方面への便ではこれが一番早く、6時25発である。バスには5名の方が乗車されていた。明智平で下車したのは勿論、私一人だけ、ロープウェイもまだ運転されていない時間帯である。ここから、クサリが掛けられている山道へ入って歩き出す。そして、歩く事10分ほど、直ぐに山頂駅へ到着だ。これならロープウェイに乗る距離でもないと思った。山道から山頂駅へ出るにはいささか問題があった。それは、鉄の柵が張り巡らされ、建物のドアは当然開かない。その柵を跨いで乗り越える他はない。こそ泥のような行動だが、柵を乗り越え、展望台へ上がった。そこからは華厳の滝がさすがに良く見える。天気は曇天で、時折小雨がパラついていた。


<中禅寺湖の上に虹がかかった>
ロープウェイの展望台から送電線の鉄塔下まで登って来た。ここも見晴らしがいい。奥日光の山々は生憎、雲の中だが、偶然にも中禅寺温泉あたりに虹をみる事ができた。南を向けば関東平野にポッコリと筑波山のシルエットが浮かんでいる。


<筑波山>


<アカヤシオがまだ咲いていた>


<見えたのは社山だけ>
細尾峠分岐から更に奥の茶ノ木平へ立寄ってみた。ここは名前の通り、平坦な場所だ。モミやコメツガなどが多く、花を咲かせる樹木は見当たらない。それに、日光らしく、笹が生い茂っている。かつてはここに中禅寺温泉からロープウェイが掛けられていたようだ。今はその山頂駅周辺の跡地が伐採されていて、眺めがいいらしい。今日は山の見晴よりも季節の花に出合う為にやって来たが、やはり日光を代表する名峰は真近で見たい。そんな目的で茶ノ木平を周回する。そして、ロープウェイ跡地から眺めればやはり予想通り、峰々はまだ雲の中だった。


<篭石>
茶ノ木平を一周した後、分岐まで戻って細尾峠を目指して下った。笹が足元を隠す程度に踏み跡は薄いが峠が近づくに従って、しっかりしてくる。篭石なる場所になれば再びアカヤシオが咲きはじめ、更に下れば直ぐにトウゴクミツバツツジに変った。峠が近づけば近づくほど、緑も色濃くなり、シロヤシオとミツバツツジの彩りが鮮やかになる。静かな山腹にツツジの重なり合う色彩がとてもいい感じで目を惹かれた。


<ここにもアカヤシオ>


<禅頂行者みちが続く薬師岳、夕日岳、地蔵岳>


<安蘇山塊の上に薄っすらと富士山>


<トウゴクミツバツツジが出てきた>


<シロヤシオも咲いている>




<半月山>


<薬師岳山頂>
細尾峠では、これから登るというグループに出会った。時間的にもちょっと遅めの出発なので、どこまで行くのか気になるところだが、薬師岳山頂でご飯を食べている最中にそのグループがやって来た。十数名のグループなので山頂はいっきに賑やかになる。禅頂行者みちは峠から気軽に歩けるのでたくさんのハイカーが入っている様子だ。登山口となっている峠には路駐の車でうまっていた。さてこれからが本番だ。今回の計画では薬師岳から東へ延びる尾根歩きに主眼を置いている。どれほどの花が咲き誇っているのだろうか、それにどの程度の長丁場なのか、不安はあるが、ここまで来たら行くしかない。エスケープは三ノ宿山あたりから北の尾根伝いに細尾の町まで下って、そこからバスで戻る予定でいる。今朝の食事はおにぎり二つ、そしてお昼も二つ。これでおにぎりは全部食べてしまった。残るはパンが二つに飴ぐらいだが、その他に何か食べやすい物が欲しかったように思える。長丁場の時は食べ物にも一工夫必要かもしれない。


<男体山を眺めて>


<薬師岳東尾根に入って>


<シロヤシオとトウゴクミツバツツジが花盛りだ>



<宇都宮方面を眺めて>


<ひっそりと石祠>
ここの尾根はやや笹が濃いが、しっかりと踏まれていて、時たま出合う古びた石祠。この風情がとてもよく似合う。それでいて、シロヤシオにトウゴクミツバツツジが咲き乱れ、山歩きをする者として魅了する空気感が溢れているように思えた。勿論、静寂した深山の雰囲気が漂うこともプラスになっている。ただ、残念なのは場所によって、車やバイクの音が聞こえることだ。


<満開のシロヤシオ>




<ツツジが咲く尾根道>



<大真名子山、小真名子山>




<やっと丸山>
ここまで凄い花だった。やっと丸山に着いたが、ここまでのツツジの咲きっぷりには申し分のないほどの花盛りだった。数人の方に追い抜かれてしまったが、この丸山の山頂で戻るという方に出会った。千葉からやって来たという。昨夜、大谷PAで車中泊し、細尾峠から歩いて来たとの事。アカヤシオがまだ見られそうな山はないかと聞かれ、篭石付近で咲いていたと説明すれば、相方の顔を見て「明日、そこへ行こう」と話していた。どこかでまた車中泊するらしく、袈裟丸山も見頃だと思うと伝えれば、違う場所を探しているようだった。


<天気が良くなってきた>



<大木戸山>



<日光の市街地だろうか>


<高原山>


<女峰山>


<石祠>


<見頃のシロヤシオ>


<三ノ宿山>
すっかり初夏の陽気になってしまった。今朝は肌寒かったが、今では半袖で清々しい。ここの尾根はそれほどの高低差はないが、やはり疲れてくるとアップダウンは応える。おまけに小刻みに上がったり下がったりと忙しい。この先、どれほどの時間が掛かるのか予想も出来ないが、明るいうちに下山できればいいと考えている。それよりも残り少ない飲料水が心配だ。暑くなってきたのはいいが、水分補給を小まめにとらなければならない。そんなこんなで遠慮がちに水を飲むはめになってしまった。それにチョコも食べたいが、夏は溶けてしまうので持参しなかった。食べて、歩いて、そしてまた食べて歩いて。それも楽しみのひとつだが、何故か今回の食糧は少な目にしてしまった。これでは元気が出せない。幾分、ふらついているような気がする。


<男体山>


<ヤマツツジ>


<ヤマツツジとシロヤシオ>


<ヤマツツジが多くなる>
途中では休み休み歩く様になってしまう。その結果、時間ぎりぎりで無事下山できた。ここで残り少ないペットボトルの水を一気に飲み干した。下山したのは、やしおの湯が目の前にあり、送電線の鉄塔51号の黄色い杭のある場所だった。ここから1kmほど歩けば清滝神社だ。お疲れ様でしたと心の中でつぶやく。思えば三ノ宿山からの道のりが長かったように感じる。薬師岳東尾根の途中には山名の他に、道標はひとつもなかった。あると言えば巡視路手前の北へ向きを変える所に矢印が書かれた木片が置いてあった位だ。朝は出発前に清滝神社で安全祈願をしたので、帰りは下山報告を行う。そして、帰路はゆっくり足尾経由で帰宅した。それにしても、シロヤシオとトウゴクミツバツツジの共演に酔いしれた山行に満足感いっぱいだ。これで、一週間はニヤニヤできると思う。心地よい疲れが残されているうちは、あのツツジの咲きっぷりの光景を思い出すだろう。


7 コメント

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ツツジの乱舞 (たそがれオヤジ)
2014-05-19 12:59:18
すごい乱れ咲きですねぇ。白ももう咲いていましたか。
先日、その辺を歩かれた方のネット記事に、他のハイカーに今年は不作だと言われ、そんなものかなぁと首を傾げたと記されていましたけど、やはりすごいじゃないですか。
自分も体験していますが、薬師岳から先、夕日岳方面よりも三ノ宿山方面が群れていますよね。それでいて、圧倒的に夕日岳方面に向かう方が多い。これ、何ででしょうかね。
登り返しがあってもたかが知れているんですがね。
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たそがれオヤジさん (あんぱん)
2014-05-19 20:55:19
こんばんは、たそがれオヤジさん。
狙った通り、シロヤシオが満開でした。いやぁ~、あんな凄いとは思ってもいませんでしたので、びっくりです。これを見てしまうと他の山は遠慮がちになってしまいますね。それに、人も少なく、ツツジにうっとりするばかりで、歩いては眺め、また歩いては眺め、なかなか前に進めませんでした。もう少し、晴れ間が覗けば良かったのですが、こればかりはどうしようもないですね。エスケープはたそがれオヤジさんが歩かれた尾根を参考にしていました。ありがとうございました。
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やったね!(*^-^*) (トムラウシ)
2014-05-20 06:17:59
ツツジの共演、おめでとうございます!
静寂さがまた良いですねU+2661
素敵な写真とお話をありがとう♪
(*^-^*)
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U+2661 (トムラウシ)
2014-05-20 06:21:39
ハートマークが文字化けしました f(^^;)
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Unknown (風花爺さん)
2014-05-20 06:47:40
私は数年前、薬師岳と夕日岳を結んで歩きました。
ほぼ同じ時期だったのでその時もシロヤシオとミツバツツジの競演が見事でした。
シロヤシオは写真にするとなかなか綺麗に再現できなののですが、あんぱんさんの写真はとてもキレイに写っていますね。
愛子様のお印になっている花だけあって気品があります。
夕日岳は名前に惹かれて行ってみましたが、山は普通でした。
確か300回も登った、という方の木製プレートがあったように記憶しています。
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トムラウシさん (あんぱん)
2014-05-20 21:05:09
ありがとうございます、トムラウシさん。
ツツジのタイミングとしては、ちょうどいい時季に訪れたようです。でも、標高の高いところではツボミも見受けられましたので、しばらくは楽しめそうな雰囲気でした。去年は不作でしたが、今年のシロヤシオは当たり年ですね。
それにしても、GWの岳沢、ヒヤヒヤもんでしたね。ナイフ持参で眠るなんて想像もできません。でも、無事でなによりです。
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風花爺さん (あんぱん)
2014-05-20 21:11:19
いつもお世話になります、風花爺さん。
やはり行かれていましたか。でも、300回には驚きですね。まるで、金時山のようです。あそこは1,000回以上の方がたくさんいますが…。でも、風花爺さんの未踏の山なんてないのではありませんか。むしろ、そちらの方がびっくりです。健康は宝ですね。いつまでも元気でいたいものです。
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