etceterakoの勝手にエトセトラ

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花組「外伝ベルサイユのばら-アンドレ編-/EXCITER!!」

2009年09月06日 | 宝塚歌劇

 何を削って何を足したかとか、中日との違いを書いてます。ネタバレ全開なのでよろしくお願いします。

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 紳サマーーーーーーーーー!(泣)
 わたしは中日公演にすごくすごく感動して、だから花組も超楽しみにしてたんだよーーーーーっ!!
 なのになぜ、こんなことになっているのだーーーーっ!(泣)

●小公子が無いっ!!

 幕開いたら、小公子がないんですよ・・・。「ベルサーイユ~♪ベルサイユの薔薇~♪」無し。いきなり子供時代のアンドレとマリーズです。あんっまりにも自然に芝居から入ったので、わたし、公演見ながら悶々と悩んで、

「あっれー。小公子って、全ツ版だけだっけ? 中日は無かった・・・かも?」

 という気になってしまった。
 休憩時間に隣の友人Rに、

わたし:「中日って、小公子なかったっけ?」

 って聞いたところ、みっちゃん好きの友人Rの回答は、

友人R:「いやいやいや。オープニングのダンスでタニちゃんが、みっちゃんに薔薇渡すところがすっごい好きだった!絶対見た!絶対あった!」

 でした。そうか・・・。つうか、よく考えたら、小公子なければ中日当時にもっとわたしが大騒ぎしとるはずだな。

 とにかく、どんなカタチでもいいから、オープニングのダンスは絶対にあるべきだとわたしは主張しますっ。全ツ版について「(オープニングの)ピンクピンクした雰囲気はいかがなものか」と書いたことありますが、あれはオープニング自体を批判したのじゃなくて、床にピンク色の敷物を入れていたことに対する批判なんだって(泣)

 オープニングのレビューはいるっしょ!
 だってベルばらは、ミュージカルじゃなくて宝塚「歌劇」だもん!レビューの伝統を薄くするのは、キケンすぎるよっっ!

●いろいろな記憶が混ざるのだった・・・

 けっきょく2006年でベルばらにハマッて以来、上演されたものをほとんど見ているわたくし。外伝も全部見てるし。なんか、どれがどれかわかんなくなって、記憶が混乱してきたよ・・・。

 今回、衛兵隊の場面があるじゃんねえ。
 真飛アンドレも壮アランも、隊士のカッコしてるじゃないですか~。あそこでまた、記憶が混ざって大混乱。だって、ゆうくんは去年アラン編やってるし、えりたんは雪時代の全ツでアンドレやってるでしょー!?

 まとぶん →昔アラン 今アンドレ
 えりたん →昔アンドレ 今アラン

 でしょー!?
 なんか・・・昔やってた役が、ずいぶん似合ってて印象深いだけに、同じ衛兵隊の服でしゃべるふたりを見ながら印象がごちゃまぜになって、
「えーっと、どっちがアランだっけ・・・」
 とか思いながら見てしまった。

 場面も、どこにどれが入ってたか、混乱して妙に自信がなく、家に帰ってソッコー中日のパンフを引っぱり出して寝る前に比較作業だけはしましたよ。

中日との大きなちがい
 ①花版はオープニングのダンス無し
 ②花版は今宵一夜が長々入っている(中日は無し)
 ③花版は「愛の墓標」がない(代わりに「愛の記憶」はたぶん新曲だよね?)
 ④ジェロ様の場面はまるまるカット(オスカル結婚のくだり無し)
 ⑤「婦人ズ」がアントワネットの様子とか、時代背景を会話でせつめいする。


●今宵一夜in庭が長いっっ!

 長いよ、今宵一夜っっ!しかも、場所が部屋ん中じゃなくて、庭なんだよーっ。
 外はどうかと・・・大きな屋敷で人目があるんだし、家ん中にしようよ、愛の語らいはさ・・・。(と、個人的には思いました。)

 今宵一夜は名場面だけども、一時間半の芝居に入れるには、時間取りすぎだと思ったなあ。そこもっと切り詰めて、代わりにオープニングダンスか、愛の墓標を一曲おねがいますよ!(切なる願い)

 それからねえ、帰りにえんえんと友人Rと話し合った(←計一時間以上えんえんとこの話をし続けた二人・・・)結果「ジェロ様のエピソードが無いのもイカン(怒)」とゆー結論に。

 ジェローデルとオスカルが結婚ですって!?
    ↓
 アンドレ大ショック!オスカルへの気持ちを再確認
(オスカルもまた、人生かんがえる機会に)

 みたいな過程あっての、今宵一夜ぢゃないと!コレ無しでいきなり結ばれてもねえ~っ。ジェロ様は必要!必要だって!何でカットしちゃったんですか!フガフガ!(←鼻息荒い)

※追記
 もーいっこ思い出した!あのさ、アジールで「オスカルが暴れる→膝枕→オスカル・アンドレ去る」のあと、中日版ではマリーズが店から出てきて、ふたりが膝枕した椅子のドングリを見つける・・・(つまり、再会はしないけど、アンドレと一瞬、接点ができる)っていうのがありましたが、花版はアレがないんです。わたしは、あれはカットすべきじゃなかったと思いますねえ。

●アンドレ編はもっと痛々しいほどの切なさが欲しいっす!

 あと、「愛の墓標」は個人的にスキなので入れて欲しいーーっ。かわりに歌っちゃうよ!
「わたーしのあいーに墓標はああああ~、なーいいいいいいいーーー!」(うるさい)
 愛の墓標、アンドレにぴったんこじゃんか。中日のタニちゃんの熱唱、うまいヘタはさておいて、アンドレ特有のイタイタし感がたまりませんでしたね。厳しい恋路を突き進む、過激な覚悟が感じられてさあ。

※いまオンライン購入した「愛の墓標」の曲を流していたところ、旦那殿が「なんだ、このクサい歌はーーーっ!」と反応していた。いいんだよっ。ベルばらは、クサいほど良いんだよっ。

 ああ・・・中日版が見たい・・・いますぐ見たい・・・。(あれ、ショーで楽曲差し替えさえなければ、今ごろうちのヅカ棚に並んでたはずなんですけどねえ・・・。)
 中日は良かったなあ・・・。あの感動は、ウソではなかったはずなのに・・・。

 今回、真飛アンドレを見て、すごくアンドレについて考えさせられてしまった。アンドレはさー、目が見えなくても無理矢理、戦闘についていこうとしたり、オスカルのためなら命も捧げるイキオイだったり・・・一途といえば一途だけど、KY(空気読めない)な痛々しさと紙一重なんですよねえ。

 その痛々しさを「純愛」として説得力を持たせるには、並みの恋愛感覚(による演技)じゃダメなんだな、と。
 ゆうくんは、アンドレよりはアラン向きだなぁと思いました。真飛アンドレ、かっこいいんだけども、知的に見えちゃうんですよ。アンドレの愚かさが薄くなっちゃいますねぇ。

 もっとこう、勘違い爆発で愚かで情けない男だけど、愛だけはあります!的なね・・・。アンドレを主役に据えるなら、そこがキチンと魅力として訴求しないと、作品としてはあれかなーと。(オスカルとアンドレ編、とかならまた違うでしょうが、今回は完全なアンドレ編だから・・・)

 その点、タニちゃんはピッタリだったんだなー。紳サマ、アテ書きがきちんと出来てたってことだなーと、いまさら妙に感心してしまった。

 まあ、一番の原因はそれだわね。
 このアンドレ編は「中日劇場用で、タニウメ用」ってことに尽きるんですよねえ。盆やセリの使い方もおとなしいし、大劇場でみると地味ですねえ。もったいない・・・。いっそまた、書き下ろしにすればよかったのに・・・。(曲とセットはそのままでいいからさ。)

 革命の場面が人数ふえて華やかだってこと以外、大劇場でやるメリットはあまりない作品だったなあ・・・。ベルばらファンだけに、わたしはちょっと悔しいのよ。もーちょっと何とかなったんじゃないかなぁ、と。ベルばらは、宝塚初心者さんの観劇が多いんだからさ。ベルばらファン、ひいては宝塚ファンを増やすチャンスなのに・・・。

 そういえば、パンフの紳サマのコメントページに、中日ベルばらはすごい大盛況で、中日劇場の歴史上でも、上位の客入りだったって書いてあってビックリしました。そうなんだ。ベルばらなら、っていうお客様を呼べたんだね。
 
●キャストについて


 まとあやのベルばら、かっこよくて、素敵ですけどね。オスカル・アンドレの極端な恋愛より、もっと穏やかな愛のほうが似合うと思いました。
 理由は先に書いたとおりで、とにかく真飛アンドレは「賢すぎる」。場の空気読めちゃうから、ベルばらのベタベタな盛り上げが、けっこうアッサリに見えてしまうんですよ。あまり器用じゃないスター(つまり、タニちゃんみたいな)が、上手くなくても捨て身でやる!ぐらいがちょうどいいんだなーと思いましたです。

 あやねちゃんは、ドレス姿があまりにも自然に高貴っっ!!ドレス姿、すんごいキレイだったー!中日のウメちゃんは、前半のアジールでイキイキ働いてるところのほうが魅力的だと思いますが、あやねちゃんは断然、後半の養女場面のほうがイイですね。持ち味の違いですなあ。マロングラッセとしんみり、死んだアンドレを思って語るとことなんか、良かったですねえ。

 えりたんアラン、骨太感と荒々しさを出すのに、セリフや間がすっごく考えられてる感じで良かった!もってる容姿が線がほそくて品よいタイプだから、苦労しただろうなあ・・・。

 オスカルは、みわっち。「THE宝塚オスカル」な役作りでした。アンドレの前では恋する女性ですね。ジェロ様のくだりカットなので、アンドレへの恋心が芽生えるのを表現すんの、難しいだろうなーと思った・・・。フェルゼンからアンドレへ、気持ちを移すためのエピソードが、カットなんだもん・・・。大変だったね、みわっち!

 まっつのベルナールが、めっちゃかっこいい!まっつ最高!
 まっつは、この公演、ひと皮むけたかんじで、とてもとても良かったーーーー!
 しゃべる間がいいし、何より存在感がある!革命の場面で、暗がりからスッと出てきただけで、ハッと目を引く何かがあるっ。「あれはだれ?」って、オペラグラスを上げさせられます。ショーではエトワールもあったんですよ。芝居もショーも、最高によかった!今後がものすごく楽しみです。

 邦さんのマロングラッセは、いいですね。
 そうそう、この公演、かつてないほどにマロングラッセが大活躍。マロングラッセは、実孫のアンドレを心配はしつつ、立場上オスカルを第一の言動をするじゃないですか。なんかそのあたりの二重性というか・・・立場の微妙さやココロの揺れが、身分差がテーマのオスカルとアンドレの恋愛を見守る役として、効果的でいいなあと思いました。この公演のマロングラッセ、人間らしい良い書き方されてますよね。ただのお騒がせキャラじゃなくって。邦さんのマロングラッセ、やり過ぎずあたたかくて、スキだなあ。

●ショーについて

 めっちゃ楽しかったよー。藤井せんせーの「はっちゃけショー路線」です。(アダルトレビュー路線じゃなくて。)
 藤井せんせーの歌詞は、ほんっと読むと笑えますねえ。でも、ショーの中で聞くと「いいじゃんコレ!」と思えてしまう不思議・・・。藤井先生の演出力のたまものですな。

 オープニングから、惜しげもなくずらずらと大人数が舞台にムダに並んでいて、その迫力に「これなのよ、これ!宝塚はこうでなくては!」と膝を叩いて大ヨロコビだったわたし。ベルばらの最初でも、こう感じる予定だったんですが・・・紳サマーっ!!(まだ苦情を言い続けるわたし)

 レビューやショーは、最初が肝心ですよねえ。派手に始まってもらわんと!

 今回のショーでいちばん素晴らしかったのは、ゆうくんを主人公に、冴えないサラリーマンがイケメンに変身するストーリー仕立ての場面。大感心。ミュージカル風で、おもっしろいんです。ゆうくんにコメディは合うよね。明るい芸風だから、これがめっちゃ楽しい場面に仕上がってます。

 冴えないサラリーマンの「Mr.YU(まとぶん)」が、朝ギリギリに起きて会社へ向かう。車でご出勤は社長と、鼻持ちならない社長令息Mr.SO(えりたん)。
 地下鉄でマドンナ的社員のチェリーちゃん(あやねちゃん)に出合ってハッピー気分だけど、会社は遅刻。残業押しつけられるし、製品アイデアは出ないし・・・

 っていう話。
 この地下鉄乗るとこの演出が!
 小道具大道具、ほとんど無しで地下鉄を演出する、藤井先生の技量に感服。すばらしいですね。
 「SUBWAY」って書いた板のうしろを、かがんでスターたちが通り、抜けたら宙をつかんで、つり革につかまっている演技をするんですよ。ちょっとコトバじゃ説明しにくいんだけど・・・ここは素晴らしい場面ですね。完全に舞台上のダンサーたちの肉体だけで、地下鉄の車内が表現されちゃうんですよ!楽しくて明るい歌とともに。あの場面は、感動したなあ。ほんとに、地下鉄車内にしか見えん!

 最後に、冴えないサラリーマンYUがイケメンに変身し、イケメンになったところで音楽は打ち込みに。男役たちが踊り狂う中詰めになっていきます。これが、花組男役たちがカッコつけて踊って超かっこいい!えりたんオールバック!かっこいい!
 ただ、個人的には、花組だからここはジャズ・スタンダードでも良かったんじゃないかと思いましたけどね。宙ファンタジスタでは、打ち込みで踊る宙男が、めっちゃ素敵でしたが、宙組は芸風的に打ち込み音楽似合ってたんだなーと。花組なら、ジャズのほうが似合うんじゃないかな。ま、ショー作品としては、クラブミックスメドレーのほうが目新しくて現代的ですけども。

 あと、最後に「三組のデュエットダンス」(三角デュエットって言うのかな)があるんだけど、すんごい素敵で印象に残りました。華やかで本当にすてき。うっとりですねー。

 と、いま思い出せるのはこのくらい・・・あっ、書き忘れてた!!
 ベルばらの土佐弁は、博多弁に変更になってたよ!(どうでもよい情報・・・)


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4 コメント

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はじめまして (makisan)
2009-09-24 15:33:00
何十年ぶりかでベルばらを生で観てきました
長い空白はSKYSTAGEで予習していましたが・・・
プロローグが!いつものがないってのにびっくりしました
ベルばら世代ですので、内容は把握していますが、同行した娘は途中で退屈してしまった様子
どうにかレビューで復活しましたが 笑
雪、花、花と続けて(前二つは外伝でテレビでチェックそして今回のアンドレ編です)観て気づいたのですが〔愛のかたち〕はそれぞれの組の雪組なら 雪⇒雪に~
花⇒花に~ あと・・・宇宙の星に~♪って風にメインが変わるのでしょうか?
雪組の水夏樹さんの歌いだしが聞き取れず、悶々としていますが・・・歌いだしはなんて歌ってるのかご存知ないでしょうか?
♪例えば○○に ○○の雪があるように
○○がどーーーしても分からず 頭を抱えていますww こんなアラフォーは珍しいと娘が言ってますが(-。-;)
気になるものは気になるのでネット検索中にKさんのブログと出逢いました
よかったら教えてくださいませんか?
ぶしつけな質問お許しくださいませ
今後、月一で宝塚巡りし(家が近いもので)、お気に入りのスターさんを昔のように見つけて通いたいなと思っています
よろしくお願いいたします
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makisanさまへ♪ (なまいきむすめK)
2009-09-26 21:21:07
はじめまして、こんにちわ!
コメントくださってありがとうございます♪

新ベルばら、曲はどれも結構スキだし、楽しんで見ているんですけどねえ。
花大劇場の「プロローグなし」には、不満たらたらです(笑)
わたしは2006年の再演でベルばらにハマりまくって、「ベルばら」と聞けば何をおいても駆けつけるようになってしまいました(笑)
ベルばら大好きなんですよー。

>雪組の水夏樹さんの歌いだしが聞き取れず、悶々としていますが・・・歌いだしはなんて歌ってるのかご存知ないでしょうか

ちょっとパンフ持ってきますね。歌詞ぜんぶ書いてあったはず・・・。
(探し中)
あ、ありました!

雪組は「たとえば虚空に無音の雪があるように」「冷たく熱い燃える雪に」ですねー。
花組は「たとえば地上に無数の花があるように」
星組は「たとえば夜空に無数の星があるように」

宙組はこの曲(「愛のかたち」)は無しですね~。
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Unknown (makisan)
2009-09-28 00:37:21
わぁ~
Kさんありがとうございました!
すごくすごくスッキリしました♪ これでふふん~♪と歌わずに済みます笑
ここ最近の宝塚は雪組と花組しか観ていないのですが、これから全組をぜひ制覇したいと思います☆
よろしくお願いします
返信する
makisanさまへ♪ (なまいきむすめK)
2009-09-30 23:18:04
ベルばらの曲は、甘いし陶酔的だし、頭をめぐりだすと離れなくなりますよね(笑)
わたしは時々ひとりで熱唱してます!(←恥ずかしい人・・・)
お互いに楽しい歌劇ライフを送って参りましょう~♪
タカラヅカって楽しいですよね♪
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