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とっくに発売になってる「宝塚イズム9」、今号のロングインタビューは、なななななんと荻田せんせい(歌劇団やめたから、「先生」じゃなくて「元先生」って呼ぶべき?)でしたよー!
宝塚歌劇団をヤメた心境アレコレが語られてますよ。
「おお。くりえーたーの心理って、こーゆーふうなんだ」ってかんじで、なかなか深ーい内容です。
わたしねえ、荻田せんせーがヤメたとき、
「自分の創作に打ち込みたいからじゃないのかなあ」
と推測してたんです。歌劇団にいる限り、ディナーショーとかイベントごととか、自分が手がけるオリジナル作品に関すること以外の、細かい仕事が多いじゃないですか。そういう時間とエネルギーを、もっと自分がやりたいことに向けたいのかなあーと想像してたんですよ。
ところが、インタビュー読んでみたら、わたしの予測は大ハズレでした。イベントのような、王道を求められる仕事は、むしろ楽しかったんですって。異端であることを求められるプレッシャーとのたたかい、というのも、進路を決めるうえでいくらかのウェートを占めていたようです。(←わざと回りくどい表現にしてみました。読むとわかるけど、まあ、いろんな気持ちがあって、いろいろ考えての結果なんですね。どれが原因、とか理由とかは要約して言えない)
宝塚への感謝や愛も、率直に語られます。
荻田先生ファンの方は、ぜひ読んでみてください。
あと、今号でおもしろかったのは、寺田先生に関する連載(薮下氏の「寺田瀧雄メモリアル」)に、柴田先生のインタビューが織り込まれてたこと。柴田せんせいが、寺田せんせいと組むようになった馴れ初めを語ってます。すんごい古い時代のエピソードが出てきてました。柴田先生ファンとして、興味深く読みましたよ。柴田先生は、歌劇の作家になりたかったわけじゃなくて、フツーに脚本家修業をしとって、たまたま宝塚が募集した脚本コンクールに受かったのが、タカラヅカとの縁の始まりなのか・・・。あんなに、THEタカラヅカ!THE歌劇!な作風なのに、もとからの歌劇作家志望ではなかったんだなぁっ。
その他の内容は、以下のようなかんじです。
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以下の目次は、青弓社HPより→ココ
特集 飛べ! 新トップたち!
1 新トップたち
ユウコ&ユリの後継者――愛原実花●荷宮和子
大空祐飛の陽の魅力、柚希礼音の陰の魅力!!●大越アイコ
ベテランの円熟味と若きエリートたちの進化に期待●水野成美
「何をやってもザネリ」からショーヴランへの道――星組=柚希礼音・夢咲ねね●荷宮和子
恵まれすぎたトップスター●松本理沙
「黒執事」が似合うトップスターの誕生●荷宮和子
宙組はどこへ向かうのか――新トップコンビ就任に思う●松本理沙
動きだした三組トップの方向●榊原和子
2 各組のスターたち
芝居人・壮一帆、スターへの躍進●石井唯衣
ユミコ=メンドーサはロス・アンヘルス版『グレート・ギャツビー』である●荷宮和子
「チギ&コマ/弟キャラコンビ」の行方●荷宮和子
美的な意志の輝き――凰稀かなめについて●林嗣響子
世代交代後の宝塚――百周年は安泰なのか●木谷富士子
各組の二番手から若手まで●榊原和子
公演評[2009・4-7月]
花組『哀しみのコルドバ』
客席下りでエキサイト●林嗣響子
続く昭和の再演●木谷富士子
花組『オグリ!――小栗判官物語より』
『オグリ!』――なつかしや、アニメ日本昔話●大越アイコ
花組『ME AND MY GIRL』
きょうも、ビルの一言をみんなが待っている●柿田 肇
居直りの美学●貫田優子
月組『エリザベート』
私だけの、『エリザべート』――自由への闘い●大越アイコ
語りえぬものについては、沈黙せねばならない●倉橋耕平
パラレルワールドを浮遊するエリザベート●玉置育子
大作に挑んだ若手たち●東 園子
星組『太王四神記 Ver.II』
価値ある大作歌劇●林嗣響子
預言と予言●倉橋耕平
宙組『薔薇に降る雨』『Amour それは…』
静かな感動のラストステージ●木谷富士子
宝塚の神髄は「ストーカー男」にこそある●荷宮和子
陽月華ミュージック・サロン『STAY GOLD』
希代の娘役エンターテイナー●東 園子
大和悠河サヨナラショー
さよならは清々しくさわやかに●木谷富士子
大和悠河ディナーショー『Gracious Pink』
美しくそして哀しき夢の宴●木谷富士子
OG公演評
『鬼の末裔』『ROSE DROP』[芽映はるか]
圧倒的なダンス●石井唯衣
『ミー&マイガール』[涼風真世/貴城けい]
宝塚あっての『ミー&マイガール』●加藤暁子
『COCO』[鳳蘭/湖月わたる]
ココ・シャネルの孤独と愛●榊原和子
『トークと歌で綴る宝塚歌劇の九十五年』[出雲綾]
上質なホールで振り返る宝塚歌劇の九十五年●石井唯衣
『オペラ・ド・マランドロ』[杜けあき]
荻田演出で観る南米のミュージカル●榊原和子
Live Spire『愛と青春の宝塚』[紫吹淳/湖月わたる/彩輝なお/貴城けい/大鳥れい/映美くらら]
佳作舞台の映画化に新たな期待●水野成美
ロングインタビュー
荻田浩一――宝塚の名前を傷つける不安から解放されて●聞き手:榊原和子
連載
宝塚歌劇のミュージックシーン(7)
再演すること、うたうこと●戸ノ下達也
宝塚バカ一代(3)
男役とは男でも女でもない生き物である――AQUA5コンサートに思う●荷宮和子
寺田瀧雄メモリアル(4)
宝塚歌劇団入団当時――柴田侑宏氏に聞く●薮下哲司
タカラヅカと女性学(9)
タカラヅカ的エロティシズム――春日野八千代讃!!●大越アイコ
「宝塚イズム」のシリーズは、毎号、ロングインタビューが入っていて、「ロング」インタビューって言うだけあって、突っ込んだことも聞いてくれてあるし、読むのが毎号楽しみなんです。
過去の号では宝塚OGインタビューがほとんどだったので、荻田先生登場はビックリしましたねえ。