山口建設

社長の独り言

上官との出会い-3

2010年03月26日 15時02分10秒 | 日記
寝袋ひとつで東京から北海道へ。
1ヵ月の予定でのブラリ旅
ヒッチハイクでの最初の宿泊地は仙台。大きな町であれば、人が多く、駅前も寝袋で
寝る場所も確保できると考えました。同時に食料品確保のための手相判断の場所を見つけました。どうせならと思い、繁華街のアーケードのお店のシャッターが閉まってるみせの前に
座り込み、厚紙のダンボウルに手相判断となぐり書きしてのお店オープン。
地べたにどかっと座り、地面に無造作に置かれた手相判断の文字。
今、思えば本当に怖いもの知らずの初日でしたね。
当然 1時間過ぎても、2時間過ぎても誰も近寄りません。だんだん弱気になり、やがて
人どうりが少なくなり、周りのお店の電気が消え始めたとき、目の前に人の影。
思わず、顔をあげてみれば、やさしそうなおばちゃんが立っていました。
「さっきから、見てるんだけれど、誰も来ないね」
おばちゃんは、目の前のお店で働く人でした。
お店の中から、ものめずらしそうにこちらの様子をずーっと見ていたんですね。
帰りがけに声をかけてくれて、「手相を見てくれる」の声が神様のお告げのように聞こえました。
私の第一号のお客様でした。
出された手を広げ、頭の中は朝、昼、夜が同時に始まったような混乱でしたが、
なるべく良いことだけを話し始め、ここぞという場所はあいての顔を見ながら、力強く
言いました。
やはり、悪いことより、いいことの方が気分がいいものです。
だんだん、緊張感が取れだし、神様になったつもりで、頭の中の手相の本の文章の記憶を
掘り出し、もっともらしく相手に伝えました。
「当たってる、本当にそうなのよ」
嬉しそうに声を上げる彼女の姿に本当に嬉しくなりました。
同時に自信がつき、これからの旅の食べ物の確保に安心しました。
500円の代金ははじめての手相判断のお金です。