山口建設

社長の独り言

日本は未だに国連では敗戦国の差別を受けてる

2015年07月29日 13時32分36秒 | 日記

戦後70年、いまだに敗戦国扱いされる

 

■ 集団的自衛権を行使することのできるフランス

 戦後70年が経った今、日本の敗戦が日本以外の国でいかに捉えられているのかを示す象徴的な事があった。

 6月29日、午後3時から外国人記者クラブで行なわれた日本大学名誉教授の百地章氏と駒澤大学名誉教授の西修氏の記者会見がそれである。

 百地、西両教授とも、国会審議中の安保法制を巡る議論の中で論陣を張る、数少ない集団的自衛権「合憲派」である。両氏は記者たちの前で、簡潔にして明快な憲法論を展開して、集団的自衛権がいかに合憲であるかを陳述。その後、質疑応答になった。

 日本人記者の質問にも、外国人記者にも丁寧に英語で答えて、和やかな雰囲気で時間が経過していた。やがてフランス人の初老の記者が立ち鷹揚な態度でこう質問した。

 「国連憲章51条の規定によると、国際紛争は国連安保理に預けることになっているのにもかかわらず、なぜ日本は集団的自衛権まで行使しようとするのか。1930年代の日本は数々の国際条約を破り、侵略戦争を起こした。日本が再度侵略をしないとの保証があるのか」

 これに対して百地氏は、「なぜ日本だけが侵略すると思うのか、日本の集団的自衛権行使は日本国憲法の規定に従ってごく限定的なものである。全面的な集団的自衛権を持っているフランスが集団的自衛を理由に侵略戦争を起こさないという保証はどこにあるのか」と逆に質問したところ、そのフランス人記者は「フランス人は憲法を尊重するからである」と答えた。

 これには場内から失笑が漏れた。すかさず百地氏が、それではフランスの現行憲法が制定される1789年以前に施行されていた奴隷制度がフランス政府によっていつ採用されるかわからないとの議論に繋がってくる。日本国民も日本国憲法施行以来、戦後70年にわたり、平和を守り、憲法を尊重している、と切り返した。

 フランス人のみを法を守る優れた国民であると決めつけたうえでの、強引な論理に反感を持ったジャーナリストが多くいたということだろう。この百地氏の発言に対して会場のあちこちから拍手が湧いたのである。

■ 国連憲章にある「敵国条項」はまだ生きている

 国際連合憲章第51条には、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が必要な措置をとるまでの間、加盟国は個別的・集団的自衛権を行使できる。加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない」となっている。

 周知のように国連安全保障理事会の常任理事国5か国は拒否権を持ち、1カ国でも反対があれば、案件を決定できない仕組みになっている。冷戦時代は互いが拒否権を行使して、朝鮮戦争時以外は国連軍が創設されて軍事行動が取られた例はない。

 従って動きのとれない仕組みになっている安全保障システム発動以前に、小国が集団を組んで武力紛争に備えようとしたのが、国連憲章51条の集団的自衛権である。

 つまり、このフランス人記者の論理は、国連加盟国ならば自然権として与えられている集団的自衛権は、特殊な国家、たとえば、第二次世界大戦で連合国に敵対した国家にはいまだにこれらの自然権は付与されていない……との考えが思考の中に自然な形で組み込まれてしまっていたと言えないだろうか。

 事実、国連憲章には「敵国条項」なるものが存在している。ご存じのように、国連の機構の中には世界遺産を決めるものから、難民救済をつかさどる機構までさまざまあるが、中でも最も重要なのが安全保障理事会である。

 ここには常任理事会があって、米国、イギリス、フランス、ロシア(ソ連から継承)、中華人民共和国(中華民国から継承)の5カ国で構成されている。この5カ国のうち、中華人民共和国を除いた4カ国は第二次大戦の戦勝国である。

 UNITED NATIONを素直に日本語にすれば「連合国」であり、これを国際連合と訳するのは、平等で平和的なニュアンスを醸し出す日本独特の言い回しであろう。しかしながら、国連の実態はこのような繊細な日本語の言い回しとはかけ離れた実体であった。


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