鬼瓦は屋根の上にあって厄払いに睨みを利かせているものではあります。地上に降ろされていたこの鬼瓦は、下のほうから眺めるものであったとしても、頭の上には何もないようです。それでいて角のあいだには宗派のマークのようなものが見えます。何かな?、頭の上は手抜き?(洞泉寺にて)
大屋根の上に座っている鬼瓦の多彩な表情に興味をひかれて写真を撮りためていましたが、その瓦の製作年代や製作者の名前をしることはほとんど有りません。その点この瓦は出自が明確で、阿吽の阿のかたちの鬼瓦ですが文化6年、約200年前に冨波互師、長兵衛の作と鬼瓦に銘がきざまれています。鬼らしい良い表情をしているとおもいます
鬼瓦の左右に座っている人物がたいへん珍しく思います。左側の人物は男性らしくて四足の馬に跨っています。右側の人物は女性らしくて、亀の背に乗っています。なにかお目出度いことの表現だと思うのですが…… <印岐志呂神社にて>
通常の鬼瓦には有るのですが 口もとに牙らしいものが見当たらず、頭上には角が見当たりません。額の中央に欠けたような痕跡がありますのでこれが角だとすれば、珍しい一本角の鬼瓦の仲間入りになります。鼻の下には髭を剃ったようなちょぼ点があり、顔つきも愛らしい猿?のようです。しかしこの瓦、変わっていて愛きょうがあり貴重な鬼瓦のひとつです。(慈揚塔にて)
京都の伏見地方にある水運の三栖閘門。明治の中央官庁内務省は、地方行政、警察、土木、等の国内行政を行っていました 。ここ三栖閘門では水位を変動させる左右ガラス張りの閘室の屋根の上に置かれていた瓦です。鬼瓦ではないのですが、当時の内務省の頭文字《内》の漢字がきざまれています。現在でも官庁のかしら文字が記された瓦は、めずらしい存在です。当時の内務省の威光?の表現かな?
旧東海道筋、草津宿の旧家の屋根に座っていました。大きな袋を肩にした福の神大黒さんです。山陰出雲地方の民家の屋根ではよく見かけた様におもいますが関西ではあまり見かけない鬼瓦の一つだと思います。福よこい、福よこい……でしょうか!
沼津御用邸の鬼瓦です。中央の菊の上にも3っの菊があり、その左右にも2つの菊があって流石に本家が使用の鬼瓦は菊だらけのようです。菊いりの鬼瓦はあちらこちらの神社仏格でよく見かけるのですが、これらの社寺は何を思っての使用なのでしょうか?権威ずけの期待?……
拝殿正面の屋根の上に座っていた瓦です。通常の鬼瓦のように、棟端に座っているとは見えないのですが、そして、恐ろしさも感じないのですが、この瓦の菊の紋どころに(この紋が目に入らないか?)的な面白さを感じます。軒下にも同じように菊の紋?らしきものがあしらわれています。(京都、稲荷大社)
鬼のイメージはこんなものでしょうか? 鬼=想像上の動物であっても一般的には頭に角があって口元には牙がある、と言ったイメージではないでしぅようか。この鬼瓦は非常にシンプルな作品ですが、それが逆に鬼瓦らしい鬼瓦に見えます。(浄土宗、光伝寺にて)
立木神社の祭礼時に神輿の一行が休息するお旅所の小社があります。立木神社の本殿礼拝所の正面には竜の彫物があるのですが、このお旅所の正面の鬼瓦には2匹の竜が絡まっていました。立木さんとそのお旅所は、竜つながりと云うことなのでしょうか??