風韻坊ブログ

アントロポゾフィーから子ども時代の原点へ。

デンマークで思ったこと

2008-11-04 23:49:14 | 雑感
コペンハーゲン郊外の海岸近くに
「盆栽」という名の幼稚園があって、
そこに5日間、ホテルからバスで通いました。
朝、バスから降りると、いつもきれいな海がみえて、
これはそのときの写真です。

デンマークでは、IASWECEといって、
世界28カ国のヴァルドルフ幼稚園の代表者が集う会議があり、
ボクは「日本シュタイナー幼児教育協会」を代表して参加していました。

世界のシュタイナー教育も一つのターニングポイントを迎えていると思います。
南米、東欧、中東、アフリカ、アジア・太平洋圏など、
ドイツとは異なる文化をもった国々で、
改めて「ヴァルドルフ幼稚園って何?」という問い直しが始まっています。

ドイツの森に棲むグノームから、イギリスの妖精たち、
フィンランドのムーミンや、
日本の妖怪や、キツネやタヌキや、
月のうえのウサギたちが、
「子ども」という普遍的な存在のまわりに集まって、
ボクたちが新しい何かを見つけだすのを待っている。
そんな感じがするのです。

数年前、スイスの有名な生物学者を訪ねたとき、
その秘書の女性が、
自分の娘はシュタイナー幼稚園に通っていたけれど、
やめてしまったという話をしてくれました。
娘さんはディズニーが大好きで、
ミッキーマウスのキャラクターがプリントされた服を着ていたら、
先生から母親に
「商業主義を幼稚園に持ち込まないでください」と言われたそうです。
その堅苦しさや厳しさが不自由に感じられて、
お母さんは幼稚園を変えてしまった。
実際の事情がどうだったかはわからないけれど、
ミッキーマウスに罪はないよね、と思いました。

シュタイナー幼稚園が本当に大切にしているもの、
絶対に譲れないところって何だろう。
たぶん、それは「ことば」にかかわるところじゃないかな、と
最近のボクは思っています。

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1 コメント

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はじめまして (mindharp)
2009-06-05 11:01:59
はじめまして(=^o^=)
オーストラリアのkさんからこのサイトを知りはじめてコメントさせていただきます。
33年前に「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」を読んで、シュタイナーの思想に触れました。東京にいるころは、朝日カルチャー人智学講座に熱心に通ったりしました。あの頃から現在を見るとシュタイナーに関わる多くのグループや運動が既存のものとしてありますね。協会組織や団体、自主的グループ、個人、一般読者など意識の持ち方はそれぞれなのでしょうが、
『ただ、ボクが最近になって痛感しているのは、アントロポゾフィーの出発点である
一人ひとりの「認識の道」ということが、
シュタイナー思想に取り組んでいる人々にさえ、十分には理解されていないということである。』というお言葉に深く共感いたします。
『いかにして・・』はあまりにも地味なテキストと受け取られがちですが、ベーシックな「認識の道」を説くものでアントロポゾフィーの根幹であることには変らないのでしょう。
この根幹神経が、アントロポゾフィーの未来に
つながっていると理解しております。仏教でも「自己を灯りとして、法を灯りとして」と説かれますね。
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