61.
意志をもつ存在としての人間は、自分の生体にではなく、外界に向かっている。自分が歩こうとするとき、「私の足に何が感じられるか?」と問うことはない。「外界において、私が到達しようと欲している目標はどこにあるのか?」と問うのである。何かを欲することによって、人間は自分の生体を忘れ去る。意志において、人間は自分自身の本性に属してはいない。そこでは、人間は第一ヒエラルキアの霊性領域に属している。(訳・入間カイ)
61. Als Willenswesen wendet sich der Mensch nicht an seinen Organismus, sondern an die Außenwelt. Er frägt nicht, wenn er gehen will, was empfinde ich in meinen Füßen, sondern, was ist dort draußen für ein Ziel, zu dem ich kommen will. Er vergißt seinen Organismus, indem er will. In seinem Willen gehört er seiner Natur nicht an. Er gehört da dem Geist-Reich der ersten Hierarchie an. (Rudolf Steiner)
59項では思考、60項では感性(感情・感覚)に触れてきましたが、
この61項では、
私たちの「意志」について述べています。
意志というのは、
「何かをしたい」という欲求や意欲のことです。
この意志は、
私たちの身体によって実現されるので、
一見、私たちの生体と結びついているように見えますが、
意志そのものを見つめると、
そこでは「からだ」は忘れ去られているというわけです。
この「からだ」を意識せずに、
外界の「目標」に向かうところに、
意志とはどういうものかが現われています。
人間は意志において、
自分自身からも離れ、
ある霊性領域につながっているというのです。
その霊性領域のことを「第一ヒエラルキア」と呼ぶわけですが、
この点については、
これから先の指導原理や
シュタイナー自身が記した文章のなかで説き明かされているので、
まずはそこから見ていくことにしましょう。
意志をもつ存在としての人間は、自分の生体にではなく、外界に向かっている。自分が歩こうとするとき、「私の足に何が感じられるか?」と問うことはない。「外界において、私が到達しようと欲している目標はどこにあるのか?」と問うのである。何かを欲することによって、人間は自分の生体を忘れ去る。意志において、人間は自分自身の本性に属してはいない。そこでは、人間は第一ヒエラルキアの霊性領域に属している。(訳・入間カイ)
61. Als Willenswesen wendet sich der Mensch nicht an seinen Organismus, sondern an die Außenwelt. Er frägt nicht, wenn er gehen will, was empfinde ich in meinen Füßen, sondern, was ist dort draußen für ein Ziel, zu dem ich kommen will. Er vergißt seinen Organismus, indem er will. In seinem Willen gehört er seiner Natur nicht an. Er gehört da dem Geist-Reich der ersten Hierarchie an. (Rudolf Steiner)
59項では思考、60項では感性(感情・感覚)に触れてきましたが、
この61項では、
私たちの「意志」について述べています。
意志というのは、
「何かをしたい」という欲求や意欲のことです。
この意志は、
私たちの身体によって実現されるので、
一見、私たちの生体と結びついているように見えますが、
意志そのものを見つめると、
そこでは「からだ」は忘れ去られているというわけです。
この「からだ」を意識せずに、
外界の「目標」に向かうところに、
意志とはどういうものかが現われています。
人間は意志において、
自分自身からも離れ、
ある霊性領域につながっているというのです。
その霊性領域のことを「第一ヒエラルキア」と呼ぶわけですが、
この点については、
これから先の指導原理や
シュタイナー自身が記した文章のなかで説き明かされているので、
まずはそこから見ていくことにしましょう。