風韻坊ブログ

アントロポゾフィーから子ども時代の原点へ。

アントロポゾフィー指導原理 (53)

2008-11-02 07:47:30 | アントロポゾフィー指導原理
53.
死と新たな誕生の間の人間の「生」は、いくつかの段階を通って展開される。死の門をくぐり抜けた直後の数日間で、それまでの地上の人生が「形象」(イメージ)のなかで展望される。この展望は、同時に、この人生(生命)の担い手が、人間の「心性」と「霊性」としての本性から剥がれ去る過程を示している。(訳・入間カイ)

53. Die Entfaltung des Menschenlebens zwischen Tod und neuer Geburt geschieht in aufeinanderfolgenden Stufen. Während weniger Tage unmittelbar nach dem Durchgang durch die Todespforte wird in Bildern das vorangegangene Erdenleben überschaut. Dieses Überschauen zeigt zugleich die Ablösung des Trägers dieses Lebens von der menschlichen Seelen-Geist-Wesenheit. (Rudolf Steiner)


ここから、
これまでの指導原理で見てきた「死後の生」を
新たに「カルマ」との関連で見ていくことになります。

よくいわゆる「臨死体験」に関して、
自分の人生のさまざまな場面が「走馬灯」のように見えた、
という報告があります。
これは、アントロポゾフィーの言葉でいえば、
それまでの人生が「形象」(イメージ)として見えたということです。

形象(イメージ)をつくりだすのは、
生命体(エーテル体)の働きです。
生命体は、生命の形態を生みだすとともに、
意識の「形象」も生み出し、「記憶」の担い手となります。
死後、人間の本性から生命体が剥がれおちるとき、
その過程が、人生の記憶像の連続(走馬灯)として体験されるわけです。

つまり、死後の「生」の最初の段階は、
「生命体が剥がれ去る時期」であり、数日間続きます。

ここでは、
人間の「本性」を心性、霊性のつながりとして捉えている。
そのことに注目したいと思います。
死後の最初の段階では、
その「本性」から、生命体が離れていくのです。

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