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野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

2012年新聞より

2018-10-23 | 野生生物を調査研究する会歴史
森を作る農業で再生
読売新聞で写真で紹介されているのが、小長野さん、我々のトメアスでの活動でもお世話になっている方だ。
「東部アマゾンパラ州における アグロフォレストリー植林可能性調査」として ホームページでも報告している
これらの活動でもいろいろお世話になっている。
この記事は
「リオ+20」2012年が開かれる前の特集記事
持続可能な開発会議 そのころまだブラジルはインフラ前で元気だったころ
今は経済的にも少し大変と聞く
今年も11月にブラジルに会員がいくが、どんな土産話がきけるか楽しみだ。
2012年 6月15日読売新聞
素顔のブラジル「アマゾンの今」
高さ20メートルを超すマホガニーの木の隣に10メートルほどのバナナが並び、その葉陰にカカオなどの果樹が茂る。アマゾン河口のベレンから南へ車で約4時間の奥地パラ州トメアス。日系移民の小長野道則さん(54)の農園は、畑のようでもあり、森のようでもある。
トメアスは、かつてコショウの単一栽培で栄えたが、1960年代末の病害で壊滅的な打撃を受けた。離農者が相次ぐ中、日系農家らで作るトメアス農協が取り組んだのが、樹木や果樹を混植する「アグロフォレストリー(森をつくる農園)」だった。
この農園では、マホガニーが日陰を作り、バナナの落ち葉は肥料となり、雑草を生えにくくする。異なる種類が交互に植えられているため病害が出ても一気に広がる心配がない。年間を通じて収入を見込めるのも利点で、一帯の農家に普及した。焼き畑を繰り返して森を壊すことががなく、「持続可能な開発」のモデルとして視察が相次いでいる。
かつて400万平方キロメートルあったアマゾンの熱帯雨林は、70年代以降、約5分の1にあたる75平方キロメートルが失われた。今世紀に入り、飼料用の穀物栽培や牧場にするための森林伐採が加速、違法伐採も横行した。2003年8月~04年7月の森林喪失面積は、東京都の12倍を超える2万7772平方キロメートルに達した。
そこで、ブラジル政府は08年ごろから人工衛星による監視システムを拡充。環境犯罪法を改正し違法伐採への罰則を強化した。環境省は02年、アマゾンの環境保全に貢献した団体・個人を顕彰する制度を設け、10年にはトメアス農協も表彰した。これらの施策は効果を上げ、植林などを行う企業も増えてきた。森林喪失面積は10年8月~11年7月、6418平方キロメートルと、88年の調査開始以来、最小になった。
ブラジル政府は現在、「環境への配慮と経済・社会問題とのバランス」(ラゴ外務省環境特務局長)に力点を置く。パラ州中部で建設中の水力発電ダムを巡っては、約500平方キロメートルの森林が水没するとして、欧米の環境NGOから批判されるが、「今後の経済成長に必要。国民生活を向上させる責任が我々にある」(鉱業エネルギー省)と意に介さない。同国は依然、数千万人の貧困層を抱えており、必要と判断した開発は断行する考えだ。
リオデジャネイロ連邦大のバレリア・ダ・ビーニャ教授(経済学)は、「環境か開発かの二者択一ではなく、重要なのは、環境破壊なき経済発展をいかに実現するかだ」と指摘する。
ブラジルが直面する問題は、世界共通の課題でもある。