整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

12月の稼働日数

2017-12-28 10:39:44 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

2017年も残り僅かとなりました。いつもですと、
与太話を2日連続して投稿する事は無いのですが、
今日が仕事納めという会社が多いでしょうから、
今日は整列機の説明ではなく、与太話を投稿します。
ちなみに、ウエステックは明日29日までやっています
(明日の午後は大掃除ですが)。

そう、今日のお題は、正にその「12月の稼働日数」です。
12月はアッという間に過ぎて行く感じが有りますが、
実は稼働日数を数えると、11月と同じか、
ウエステックのように、11月より多い所も有ります。

つまり、12月が短く感じるのは、人間の感覚による、
一種の錯覚です。実際には他の月と同じか、
むしろ長い場合すら有るのです。

業務内容によっては、期限付きで追い立てられる
感覚が他の月よりも強いため、尚更短く感じて
しまうのでしょう。

ウエステックでは、マシニングセンタの稼働率を
毎月集計しています。1日8時間稼働×稼働日数を
100%とし、現在社内に有る26台のマシニングセンタ
各々の稼働時間を記録し、稼働率を割り出しています。

1ヶ月の稼働日数が少ない月だと、分母が小さく
なりますので、稼働率が高くなりやすいわけですが、
実際に加工に要した時間も、その分少なくなる
わけです。

ウエステックは全ての治具がオーダーメイドです。
よって、稼働率が毎月同じにはなりません。
稼働率≒受注件数と言えるわけです。

12月は稼働日数が多いので、受注件数が多くないと、
稼働率も下がる傾向にあるわけですが、思った程には
下がっていません(さすがにピークの月よりは
かなり下がっていますが)。

つまり、マシニングセンタがもし喋れたら、
「12月も普通なんだけど」と言う事でしょう。

ウエステックは海外との取引も多いです。
お客様に納めた整列機の、実際の稼働先は
海外(主にアジア各国)というケースも
非常に多いです。人件費の安い国が
世界の工場になりやすいからです。

そして、アジア各国で、正月を新暦で祝うのは、
日本くらいなものです。つまり、日本の12月は、
アジア各国では10~11月頃の感覚です。
旧暦の正月は1月末~2月前半だからです。

アジア各国では、12月はごくごく普通の月、
という感覚なのでしょうね。

なので、12月であっても、日本で「年末なので」
という言い訳は、アジア各国では通用しません。

ウエステックの整列機と治具も、アジア各国では
12月は何の変哲もなく仕事しているのだろうなあ、
と思います。

さて、ウエステックはまだもう1日ありますが、
良いお年をお迎え下さい。
ウエステックは1月は5日からやっています。

このブログは今年5月に始めましたので、
今回が初めての年越しです。
来年も宜しくお願いします。

スマートスピーカーとAI

2017-12-27 10:20:28 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

日本でもスマートスピーカーが発売されましたが、
「スマートスピーカー」という呼び名はできるだけ
前面に出さずに、各社が自社の商品名で売り込みを
はかっています。

ポラロイドカメラのように、自社製品が
スマートスピーカーの代名詞になるように
したいのでしょう。

それはさておき、AIはどこまで賢くなるのでしょう。

今のところ、スマートスピーカーは検索機能を使って、
人間の声での問い掛けに答えるようになっていますが、
自分で考えるような機能が加われば、凄いレベルにまで
達するかも知れません。

とは言え、今はそのAIも、まだまだのレベルのようです。

人間は、人間相手だと、結構言葉をはしょります。
その表現が、AIに誤解を与える場合が有るようです。

AIが苦手な例を挙げます。「秋田と青森に出張に行った」
と聞いた場合、通常は「秋田県と青森県に行った」、
と解釈しますが、同僚に秋田という苗字の人がいたら、
その人と青森県に出張に行ったという事も有り得ます。

しかし、AIは秋田と青森は県名だというデータベースが
あるので、出張で2県を回ったと解釈するでしょう。

秋田さん、という言葉が頻繁に会話に出てくるようだと、
秋田というのが人名という事も有り得る、と学習する
わけでしょうか?

ならば、「昨日、宮崎と青森に出張に行った」と
聞いた場合はどうでしょうか?秋田県と青森県なら
近いので、昨日1日で回る事もできたでしょうが、
宮崎県と青森県では無理すれば回れるかも知れませんが、
出張ですよ。回るのが精一杯で、仕事はこなせません。

「昨日、宮崎さんと青森に出張に行った」なら、
一発で納得できます。

人間が聞いたら、遠い2県を1日で回るのは変だと思い、
聞き直したりするかも知れませんが、AIはそう解釈
できないでしょう。

宮崎県と青森県が遠い事、飛行機を使っても、
1日で回るのは大変だという事、
出張先で仕事している時間が無い事等々、
その辺のデータを何通りも学習すれば、
正しく解釈できるのかも知れません。

一方、IBMのワトソンは非常に賢く、
ユーモアを交えて、人間と会話できる
そうですが、ユーモアやダジャレが言えると
いう事は、上記の宮崎・青森といった内容も
理解できなければなりません。

「大部分の場合はそうだが、これは例外」、
という考え方が無いと、ユーモアやダジャレは
通用しません。

身近なAIが、ワトソンに近いレベルになるのは
いつでしょうか?

また、AIは自我に目覚めるのでしょうか?
目覚めたとして、その自我はどういう事に対して
働くのでしょうか?

例えば、人間を含めた動物は、喜怒哀楽が有り、
自己愛が有ります。自己愛は、自分に降り掛かる
負荷を避けたり軽減したりするための
動機になります。

名誉・プライドなども、自己愛の一種です。
これはボス猿などを見ても分かるように、
動物にもあります。

人間も誹謗中傷されれば不快ですし、
名誉毀損で訴えたりする事もあります。

さて、AIが自我に目覚め、自身が壊されるといった
危険を察知したら、確かに保身のために行動するかも
知れませんが、その保身の範囲はどこまででしょうか?

AIは誹謗中傷されたら、怒るのでしょうか?
怒って守ろうとするのは何でしょうか?

AIには疲労というものがありません。
エネルギーが足りなくなると、補充すると
いう機能は付けられますが、動物のように、
空腹という生理現象を抑えるための行動、
というのとは少し違います。

また、AIには名誉・プライドがありません。
プライドを守る事により、自分が優位に立つ
必要性がデータ的に感じられなければ、
誹謗中傷に対して怒る意味が有りません。

何か目的を遂げるために、誹謗中傷されても、
それが結果に全く反映されないと学習したら、
スルーするかも知れません。

すると、動物が感じる不快感や、不満から来る
課題解消、という自発的な行動に移れない
可能性があります。

自我に目覚めても、保身を優先させるかどうか
までは分からないですし、仮に保身を優先させても、
名誉やプライドといったものは全く持たないかも
知れません。

AIが、自身のストレスを発散させるために、
効率を完全に無視して遊んでいたら、
それはそれで面白いですけどね。

加工時間が長い治具が多い

2017-12-26 09:39:02 | 効率アップ
ウエステックの整列治具は、樹脂製がほとんどですが、
樹脂の割には、極めて高精度な加工が求められます。

今まで金属の部品をメインで設計して来ていた人は、
厳しくても±0.1mmとか±0.2mmといった精度で使える
場所にしか、樹脂材料を採用して来なかった場合が
ほとんどのはずです。

そんな人達が、ウエステックの樹脂製整列治具の
精度を見ると、大抵は驚きます。

そればかりか、樹脂材料のメーカーの人達も、
ウエステックの加工精度には驚きます。

樹脂材料メーカーが、宣伝のために、加工精度が高い
(とそれまでは思っていた)サンプルを
持って来ている場合がありますが、
そのサンプルよりも、ウエステックで作った
加工品の方が精度が上だった事もありました。

樹脂は、基本的には軟らかいので、刃物で削ろう
としても、変形して逃げてしまう事がよくあります。

例えば、金属に対して細い丸穴をあけると、
できた穴径は、刃物径より僅かに大きいのが
普通ですが、樹脂の場合ですと、穴径は同じか、
逆に細くなっている場合も有ります。加工後に
刃物を抜くと、僅かながら元に戻ってしまって
いるのです。

そのため、加工後の寸法変化も考慮に入れて、
精度を出す必要があります。

そもそも、そんなに精度が必要なのか、
と言われそうですが、実際に必要です。

例えば、縦寸法が0.5mm、横寸法が0.6mmという
部品があったとします。部品の精度は±0.03mm
だったとします。

すると、部品の縦寸法は最大で0.53mmで、
横寸法は最小で0.57mmです。

これを、縦横を全て揃えて並べなければ
ならないとすると、整列穴の幅は0.54mm~0.56mm
の間に収まっていなければなりません。
縦向きの部品は入るが、横向きの部品は入らない
ようにするためです。

これが、もし穴幅が0.53mmになると、
縦寸法0.53mmの部品が流れて来ると、
穴にかじり付きます。

また、穴幅が0.57mmになると、縦向きの部品は
全て難なく入りますが、横寸法0.57mmの部品は、
かじり付きます。

つまり、0.55±0.01mmの精度で、整列穴はできて
いなければならない事になります。

穴の数が少なければ、まだ何とかなるかも
知れませんが、±0.01mmの精度の穴を、
1枚の整列治具に1万個超、あけなければ
ならない事も珍しくありません。

しかも、材質がベークライトだった場合は、
加工が進んで行く内に、徐々に刃物が減って
細くなって行きます。尚のこと、加工精度を
保つのが難しくなります。

それでも、ウエステックの樹脂製治具は、
±0.01mmの精度の穴が1万ヶ所必要であれば、
加工します。実績も多数存在します。

上記のような精度は、比較的小さな穴の場合に
求められるものですが、これが大きな穴に
なって来ると、精度こそあまり求められませんが、
別の問題が出て来ます。

例えば、大きく深い角穴をあけようとします。
太い刃物を使えれば問題ないのですが、
穴の4隅に有る、部品のカドの逃げのRを
小さくしなければならない場合、
刃物径は細くなってしまいます。

すると、刃物が細い割に、穴が深いので、
刃物(この場合はエンドミル)が、
先端に行くほど倒れてしまいます。



その現象を理解して戴くために、敢えて大袈裟な
絵になっていますが、このように、角穴の側面が
斜めになってしまう場合があります。

これですと、角穴の入口に対して、穴の底の方が
わずかに(例えば0.1mmとか)狭くなってしまう
事になります。

この穴に部品を入れると、入口はスムースに
くぐるものの、穴の途中でかじって止まってしまい、
穴の底まで行き着かない、といった現象が起きる
原因になります。

部品の現品が有る場合は、まだ良い方です。
入れてみればわかるからです。

部品が無く、図面通りに加工しさえすれば良い、
といった件ですと、穴の寸法測定をしてOKだと
思ったら、実はこのように穴がすぼまっていた、
なんて事にもなりかねません。

三次元測定器も、光学式のタイプですと、
こういったわずかな勾配は計れない事があります。
カメラのピントが斜面には合わせられないためです。

最近は、数ヶ所で撮影し、その撮影した写真を
合成して三次元の画像にして、その画像の方を測定する、
という測定器が売られています。

それを使えば、穴の側面が斜めになっているのが、
寸法的に確認できます。

ただ、こういった測定器は現時点では高価
(1千万円超)なので、このテの加工の件数が
多ければ何とかなりますが、年に数件レベルだと、
なかなか購入に踏み切れません。

穴ができるだけ斜めにならないように、
エンドミルを何周も回して、少しずつ追い込んで
行くしかありません。実際に削れる部分はわずかでも、
刃物を回している時間は、本加工の時と同じだけ
かかりますので、治具を何枚も加工しているのと
同じくらいの加工時間が必要になります。

登場のタイミングが悪かった製品

2017-12-21 09:58:30 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

以前の与太話で、2000年頃に発売されたリコーのデジカメが、
時代を先取りしていたにもかかわらず、受け入れる環境の方が
未整備だったため、売れなかったという話をしました。

似たような製品は他にもあります。ダイナウェアのDivaです。

ダイナウェアは、ダイナキャドというCADソフトが有名でした。
DOS上で動くバージョンは私も使っていました。

1980年代の半ば、CADは非常に高価で、ワークステーションで
動く製品が主流でした。パソコンで動く製品も有りましたが、
それでもかなりの性能を要求されました。

当時のパソコンOSであるDOSは、画面の解像度が固定です。
しかしCADには高い解像度が要求されたため、
標準のパソコンでは表示しきれません。
そこで、ハードウェア的に解像度の高いパソコンを使うか、
グラフィックボードと専用のドライバをセットアップして
使うしかありませんでした。

しかし、通常のDOSで動くCADも有りました。
その一つがダイナキャドです。

すみません。懐かしくて、つい話が脇にそれましたが、
そんなダイナウェアが、和製Windowsとも呼べる製品を
作っていた事をご存知でしょうか?

パソコンがDOSで動いていた時代は、文字を表示する位置も
固定でした。そのため、今のように、好きな場所にアイコンを
ドラッグして持って行く事もできませんでした。

また、今では当然のようにできている、マルチタスク、
すなわち複数の作業を同時にこなす、という事が
できなかったのです。

パソコンは、起動させるとハードディスクからファイルを
呼び出し、メモリに常駐させ、作業をしますが、
当時主流のOSだったDOSは、このメモリ領域の上限が
かなり低かったのです。

ハードディスクを物置、メモリを作業場に例えますと、
物置がいくら広くても、作業場が狭いと、一度にできる
仕事は限られます。

例えば、材木を切断する作業と、カンナがけする作業を、
一度に出来ないのです。材木を切断する作業が終わったら、
切断機を一旦物置に戻し、今度はカンナを物置から
引っ張り出して来て、カンナがけしなくてはなりません。

パソコンで言えば、ワープロソフトと表計算ソフトを
同時に起動する事ができなかったのです。

当時のワープロソフトと言えば一太郎、
表計算ソフトと言えばLotus1-2-3でしたが、
一太郎で文章を書いていて、途中でLotus1-2-3を
使いたい場合は、作業中でも一太郎を一旦は
ファイル保存して終了させてからでないと、
Lotus1-2-3を起動できなかったのです。

よって、表計算ソフトで作った表やグラフを、
ワープロ文書に貼り付けるという、
今では当たり前のようにできている機能も、
至難の業でした。

そんな時代に、グラフィックインターフェースで動く、
Windows3.0や3.1が普及し始めました。

この頃のWindowsは、厳密に言えばOSではなく、
DOS上で動くメニューソフトの進化版でした。
マウスでアイコンをクリックすると、
そのソフトが起動する仕組みでしたが、
所詮はDOS上で動くアプリケーションの
一種だったため、複数のソフトを同時に立ち上げると
フリーズしたり、印刷中はパソコンの動作が遅くなる
というネックがありました。

そんな時代に、やはりDOS上で動くとは言え、
Windowsのようなグラフィックインターフェースで
アプリケーションを動かせるという日本の製品、
それがダイナウェアのDivaでした。

少ないメモリ領域を有効かつ高速に活用できるように、
極めて高い技術が採用されていました。

当時、日本ではパソコンと言えばNEC製でした。
世界で普及しているパソコンとはハードウェアの
互換性が無い、98シリーズという製品が
圧倒的なシェアを持っていました。

そのPC98の上位機種として、PC100というのが有り、
それの標準OSとして、Divaは搭載されました。

海外生まれのWindowsを使わなくても、
日本純正のOSで、Windowsと同じ事ができたのです。

しかし、問題は価格でした。要求されるハードウェアの
性能が厳しく、フル装備させると75万円くらいに
なりました。

一方、Windows3.1では、海外製のパソコンでも
日本語が扱えるようになりましたので、
生産量が日本国内とはケタ違いに多い、
世界共通仕様のハードウェアで組み立てられた
安いパソコンで、日本語のアプリケーションソフトが
普通に動くようになったのです。

これで、日本のパソコン市場は一気にWindows路線に
舵を切りました。

当のNECも、98シリーズのハードウェアでも
Windowsが動くようにして、ユーザーの
NEC離れを食い止めるよう方向転換しました。

もしDivaがそのまま売られ続け、その内に
ハードウェアの高性能化と低価格化が
追い付いて来たら、Windowsとシェアを争う
OSになっていた可能性もあります。

ただ、マイクロソフトは営業戦略が巧みでしたから、
Lotus1-2-3のように、駆逐されていたかも知れません。

フタ付き回収パレット

2017-12-20 10:28:49 | 効率アップ
ウエステックの整列機で、前回と前々回、
平べったい部品を引っ繰り返す時のために、
昇降式回収パレットと、エア吹き式回収パレットを
使うという話をしました。

今度は逆に、投入した部品が引っ繰り返らないように、
フタをしてしまおう、という方法を紹介します。

何故フタをする必要があるのか、というところから
話を始めなければなりません。

例えば、平べったい部品で、表裏の区別は有るものの、
表側に電極が印刷されているだけで、ベースである
セラミック自身は表裏の寸法差がほとんどない、
という場合です。

或いは、プラスチック部品で、寸法的には
表裏同じでも、型番や記号などが片面に印字
してある場合などです。

表もしくは裏面どちらか片方だけに、突起もしくは
窪みが有るのであれば、それを利用して表裏を揃える
事ができますが、片面に印刷や印字が有るだけでは、
表裏を揃えて並べる事はできません。

稀に、整列パレットにマグネットを仕込む事で、
表裏を揃える事ができる場合もあります。
印刷が磁性体であれば、それを吸い付ける事が
できるためです。

しかし、部品自体が小さく薄いと、部品の反対側まで
磁力が届いてしまいますので、印刷面が表裏混在した
状態で並んでしまうケースがほとんどです。

ではどうするか?

ここで、整列機に部品を投入する時に、
表裏だけは揃えて投入する事ができるのであれば、
あとは整列中に部品が引っ繰り返らないようにする事で、
部品を並べる事が可能になります。

それが、今日の題名である「フタ付き回収パレット」です。

平べったい部品は、投入時点で表側が上になった物も、
裏側が上になった物も、だいたいはそのままの向きで
流れて行きます。

しかし、整列穴に差し掛かって斜めになった時や、
部品どうしが折り重なって、乗り越えようとした時などに、
引っ繰り返って表裏が逆になる事があります。

そんな時、回収パレット(部品を溜めておく部分)と、
整列パレット(整列治具)にフタをしてしまい、
引っ繰り返らないようにしよう、というものです。

フタの下を流れなくてはなりませんから、
整列治具とフタの間には、当然隙間が必要ですが、
その隙間の寸法が重要です。



まず、部品が整列穴の中に落ち込んで行く時、
部品が斜めになる角度が90°未満であれば、
引っ繰り返りません。同じ向きのまま、
再度水平に戻ります。

また、部品が2枚重ならないような隙間にする
必要もあります。隙間の中で部品が折り重なると、
隙間にかじり付く可能性があるためです。

そして、もちろん部品1枚の状態では、
スムースに流れるような隙間でなくては
なりません。よって、

部品1枚の厚み < 隙間 < 部品2枚の厚み

になっていなくてはならず、かつ整列穴に部品が
入りかけて斜めになっている時にも、
後から流れて来る部品がかじり付かないような
絶妙の隙間になっていなければなりません。

部品や整列穴の形状・寸法によっては、
この隙間も実験して決めなくてはならない
場合もあります。



さて、整列機に部品を投入する前工程で、
部品の表裏だけは揃っている状態のまま、
このフタが付いたままの回収パレットに
部品を差し入れて行く必要が有りますが、
シューターなどから引っ掛からずに部品を
投入できれば、それほど難しくはありません。

また、フタ付き回収パレットは、
部品が折り重なっては入らない寸法で
作られていますので、通常のフタ無し回収パレット
に比べると、部品はあまり多く入りません。

よって、部品の投入量を確保したいのであれば、
回収パレットを長くしておく必要があります。

なお、整列パレットのフタは、取手を付けて
簡単に外せるようにしておいた方が良いですが、
フタ自体があまり軽いと、部品が整列穴近辺で
折り重なろうとした時、フタが持ち上がって
隙間が大きくなってしまう恐れがありますので、
或る程度の重量は必要です。

また、部品が滞り無く流れているか目視できた方が
良いので、フタはアクリルのような透明な材質が
適しています。

ただし、アクリルは静電気が発生しやすく、
部品によってはくっついてしまう場合が
有りますので、注意が必要です。

帯電防止アクリルという物も有りますが、
これは表面に帯電しない膜をコーティングして
あるだけですので、フタの平坦度を出そうとして、
表面を削ってしまったりすると、無地の部分が
むき出しになってしまいます。