整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

スターウォーズ計画

2017-09-29 10:38:18 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

このところ、北朝鮮の動きが不穏です。
アメリカと言葉の応酬を繰り広げ、
それが際限なくエスカレートし、
戦争になるのではないか、核ミサイルが
飛んで来るのではないか、という懸念まで
取り沙汰されています。

似たような状況は、実は過去にも有りました。

若い人は知らないかと思いますが、
冷戦時代は、アメリカとソ連の
大陸間弾道弾(ICBM)がお互いの国に
照準を合わせ、にらめっこしている
状態でした。

アメリカはレーガン大統領の時代に、
スターウォーズ計画という、絵空事のような
壮大な計画も立てられました
(名前の由来は映画ですが、
映画とは関係ありません)。

スターウォーズ計画とは、人工衛星に
ミサイルを積み、ICBMが飛んで来たら、
衛星からミサイルを発射して打ち落とそう
というものです。

実際には、技術的にも予算的にも
無理のある計画で、レーガン大統領自身も
恐らくそれが分かっていたと思われる事から、
ソ連に対する牽制か、もしくはアメリカ国内の
景気刺激策だったのでは?と言われています。

それよりもかなり前になりますが、
キューバ危機の時は、アメリカとソ連が
全面核戦争寸前にまでなったとされるほど、
アメリカとソ連の緊張状態は深刻で、
或る意味、明日核ミサイルが飛んで来ても
おかしくない状況だったわけです。

実際、そういう事が起きる、起きたという
設定で、何本もの映画が作られました。

20世紀までは、お互いの利害が対立した時、
戦争によって解決する、というのが、
言わば当然の成り行きのような時代でした。

しかし、兵器が強力になり過ぎた事から、
特に大国が戦争に参加した時、
人的被害が甚大になる事が分かって
来ましたから、できるだけ全面戦争の
ような形は避けようという動きが
出て来ました。

大国どうしの直接対決はやめよう、
核兵器は使わないようにしよう、
というものです。

ソ連も、その辺はよく分かっていたようです。

しかし、今の北朝鮮には、そういった思考回路は
無いように思えます。

今の国際的な緊張の原因を作ったのは
自分達のはずなのに、外交的な圧力で
押さえ込もうとしている各国に対し、
緊張を高めるような行為はやめよ、
と本末転倒な事を言っています。

しかし、力による独裁政権は、徐々に破綻を迎え、
世界でも確実にその数が減って来ています。

そして、独裁政権が倒れ、国政が一時的に
不安定になっても、国民は(独裁者なしでも)
何とか生活を続ける事ができる、という事実が
前例として次々と具現化して来ています。

今残された独裁政権は、徐々に追い詰められて
行っている事を感じ取っているはずです。

北朝鮮の場合、国力の疲弊が原因となって、
政権が崩壊する可能性があります。

国力が疲弊し、人心が離れると、
独裁政権も成り立ちません。

そこで、武力に訴え、ケンカ相手を脅す事で、
自国に有利なように持って行こうとしています。

しかし、国際社会が一旦それを容認してしまったら、
将来、他の国でも、最初は建前上の防衛力
だったものが、将来核武装にまで発展する事を
許してしまう事になります。

悪い事をしたら、罰せられなければなりません。
罰せられなかったら、将来、同じ事をした者を
罰する事ができなくなります。

前例を作ってはいけないのです。
何とかここで食い止めなければなりません。

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余談ですが、水爆を高々度で爆発させる事による
電磁パルス攻撃は、本当に可能であれば、
恐ろしいです。全ての電子機器が機能停止します。

現代社会の物資・物流はシステム管理されて
いますから、システムが動かなくなれば、
食料品や生活必需品が手に入らなくなるかも
知れません。

電気・ガス・水道・電話・ネットも皆そうです。

お金はどうでしょうか?現代社会は、
手持ちの現金というのは少なく、
資産のほとんどは、銀行などの残高、
つまりシステム上の数字だけです。

お金持ちは、札束をたくさん持っている
わけではなく、残高の数字が大きいだけです。
その残高を管理しているシステムも停止します。

こまめに通帳に記帳しておくか、
ネット専用銀行の場合は紙に印刷しておく、
という原始的な方法で、
何とかなるのでしょうか?

万が一にも消えては困る情報ですから、
沖縄や北海道、もしくは外国にバックアップ
サーバーが有るという噂です。所在を明かしたら
危険なので、噂の域を出ませんが。。。

しかし、仮にお金が有っても、それで買える
物が無ければ、意味を成しません。

あと、原発が制御不能に陥るはずです。

女性の現場作業員の優秀さ

2017-09-28 09:37:36 | 効率アップ
ウエステック整列治具や組立治具を使って、
製品の組立もできる
、と以前のブログで
紹介しました。

実はこれ、実際にそれらの治具を使う
作業員さん次第で、更に処理能力が
上がります。

例えば、完成品が5部品で形成されている
製品を組立するとします。

A部品が矩形のボディ(ベース)だとして、
その上面の穴にB部品とC部品を重ねて入れる、
右側面の穴にD部品を圧入する、
左側面にE部品を乗せる、
それで完成だとします。

実際の組立作業の流れとしては、

A部品を入荷トレーから組立用治具に移し替える
          ↓
C部品を吸着治具で吸着してA部品上面の穴に入れる
          ↓
B部品を吸着治具で吸着してA部品の中のC部品に乗せる
          ↓
A部品を90°横に倒して、右側面が上を向くようにする
          ↓
D部品を圧入するためのガイド治具を上にかぶせる
          ↓
D部品をマグネットで吸い上げて圧入ガイド治具の穴に落とす
          ↓
剣山状の構造をした圧入治具を上にかぶせる
          ↓
その状態の治具を圧入機(プレス機)に差し入れ圧入する
          ↓
圧入剣山治具と圧入ガイド治具を外す
          ↓
A部品を180°引っ繰り返して、左側面が上を向くようにする
          ↓
E部品を吸着治具で吸着してA部品の上に乗せる

以上となります。

A部品が100個並んでいるトレーを使い、B~Eの各部品を100個ずつ
同じ間隔で整列機で並べて、組立用治具を使えば、
上記の組立が100個いっぺんにできる事になります。

一見、大変そうですが、慣れて来ると、まるで流れ作業のように、
1人でも簡単にやれるようになります。

組立作業の現場には、正社員でもパートタイマーでも、
女性の従業員が大勢働いている工場が多いものです。

この女性従業員達にかかると、下手をするとわずか2~3分の
サイクルで、上記の組立作業をこなせるようになります。

しかも、各人が工夫を凝らし、作業が滞らないようにします。

例えば、納入トレーからA部品を組立治具に移す時、
前後に数回揺すると移り替わりやすいだとか、
D部品を圧入する時、プレス機で押した状態を
2秒間保持した方が、D部品がスプリングバック現象で
戻って来にくいだとか、E部品をA部品に乗せた時、
右側から治具を数回叩いて振動を与えた方が、
E部品が真っ直ぐになりやすいだとか、
そういった細かな事象を、毎日の作業の中で発見し、
大した時間のロスを発生させずに修正し、
組立を完了させます。

その結果、自動組立機が足元にも及ばないほどの処理能力と、
エラーの少なさを、いとも簡単に実現してしまいます。

或る日、C部品が標準品ではない物を組立しようとすると、
標準品用の整列治具で問題なく並ぶものの、うまく組めない、
という問い合わせが有り、お客様の工場に出掛けて行って、
組立現場を見せてもらう事があったとします。

「組立を一度やって見せて下さい」と言うと、
速過ぎて何をやっているのか分からない事が
あります。治具を重ねて引っ繰り返したり、
部品を吸着して移し替えたりするのに、
それぞれわずか数秒ずつしか掛からないのです。

「スミマセン、ゆっくりやって下さい」とお願いした
経験が数え切れないくらいあります。

しかも、作業自体はそれなりに複雑でも、
毎日やっていれば同じ作業の繰り返しですが、
その繰り返し精度の高さが、女性ならでは、です。
飽きずに黙々と、しかし完璧にこなします。

しかも、いつもと同じ作業をやっていて、
少しでもおかしな現象が発生すると、
すぐに分かります。

生産ロットによって部品にバリが残っている、
圧入治具の剣山ピンの一部が欠けている、
といった事をいち早く発見できたりします。

ウエステックの整列機と整列治具、
そして組立治具と女性作業員の方々にかかれば、
他の組立方法にはもう戻れなくなります。

安室奈美恵さんの引退

2017-09-27 10:26:02 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

え?こんなオッサンのブログに、
安室奈美恵さんの話題が登場!?
と驚かれた人も多いかと思います。

正直言って、私自身は安室奈美恵さんには
あまり関心が有りませんでした。
テレビのCMで見掛けるくらいですかね?

私は、個人的には自民党の谷垣さんの
引退の方が大きいように思えるんですが、
私の周りでは、安室奈美恵さんの引退が
大きく影響(?)を及ぼしています。

実際の引退は1年後だそうですが、
早くも安室奈美恵ロス(?)現象が
始まっている模様です。

私は知らなかったんですが、
安室奈美恵さんは女性に熱心なファンが
多いそうですね。その女性達のモチベーションが
下がりまくっていて、周りの人達が迷惑(?)
しているそうです。

私の友人の娘さんは、大ファンだそうで、
いい大人なのですが、部屋にはポスターが
何枚も貼ってあって、パソコンの壁紙も
安室奈美恵さん。パソコンを立ち上げる度に、
隣の部屋まで聞こえる程の大きな溜め息。
こっちのモチベーションまで下がって来る、
と言っていました。

別の友人の息子さんは、今同棲しているそう
なのですが、同棲中の彼女が料理は作って
くれなくなったわ、洗濯はしないわで、
困っているそうです。

自分でやれば?と思いますが、その息子さん、
足が少し悪いらしく、外を歩く時は足に
サポーターを巻いて、杖を使っているそうです。
家の中でも、数分くらいなら良いんですが、
或る程度時間の掛かる作業だと、つかまり立ち
しなければならないそうです。

なので、今は毎日外食だそうです。

洗濯は、歩いて10分ほどの所にコインランドリーが
有るらしいので、リュックに洗濯物を入れて、
そこで1人で洗濯しているそうです。彼女の分まで。

近くとは言え、雨が降ったりしたら大変ですよね。

まあ、ここまでなら、まだ許せる範囲かな、と。
若気の至り、という事で。

しかし、40過ぎ、50過ぎの友人達当人にも
ファンがいると知って、驚きました。

女性で40代の友人がいるのですが、
LINEしても応答無し。死んだのかと
思いました。

今では子供も2人いるお母さんなのですが、
小顔で細身のため、若い頃は安室奈美恵さん似の
格好をよくしていました。アムラーってヤツ?

旦那とも友人なのですが、奥さん、確かに体型は
若い頃と変わっていないとは言え、今になって
突然安室奈美恵さん風の格好をし出したそうです。

気が狂ったかと思ったそうです。誰か止めてくれ、
と旦那さんからLINEが入っていました。

そこで、安室奈美恵さんの笑顔の写真と一緒に、
「元気出しなよ」ってLINEを入れれば、
間違いなく応答は有りそうですが、
殺されそうなので、やめときます。

そして、50代男性の友人。コイツもファンだったのか!
という感じです。ちなみに奥さんは安室奈美恵さんとは
真逆な人です(失礼)。
なのに、なんか落ち込んでるんですよ。

「元旦那のSAMさんは、私と同い年だ。」
と言っていました。それがどうした?
という感じですが。

急にLINEが増えたので、何事かと思ったんですが、
そういう事だったんですね。

私自身は安室奈美恵さんについてほとんど
知らなかったのですが、今年40才と聞いて、
非常に驚きました。

今でもファッション雑誌の表紙を飾ったり
しているそうで、体型はもちろん、踊りのキレも、
若い頃と遜色ないと聞きました。驚異的ですね。

ライブツアーでも、何時間も踊りながら歌ってって、
これは若くても出来ない人が多いそうですね。

人間、極めればここまでやれる、という事でしょうか。
本当に今さらですが、凄い人だったんですね。

今まで芸能関係に目を向ける事が少なかったのですが、
どの業界にも、年齢に関係なく、尊敬に値する人が
いるんだなあと、改めて感じました。

(今回のブログは、ほとんど友人達の受け売りでした。
申し訳ありません。)

自動機対応編その2

2017-09-25 11:00:03 | 効率アップ
以前のブログで、ウエステックの整列機は、
自動化に対応させるためには改造が必要だと
書きました。

停止位置精度が出ないため、振動の方は、
後付けで停止精度を出すようにする機構を設け、
揺動の方は、自動機側で対応して下さい、
という内容でした。

随分と原始的な方法だなあ、とお感じになった
人もいらっしゃるかと思います。

実は、完全な特注品にはなりますが、
振動部分にはサーボモータ
揺動部分にはステッピングモータを使って、
振動方向・揺動方向ともに停止位置精度が
出せるタイプが有ります。

カタログやホームページには載っていません。
具体的な打ち合わせの中で、どうしても
停止位置精度が欲しく、そのためには
価格が多少高くなっても構わない、
という時にしかお目見えしない機種だからです。

当然ですが受注生産になります。
納期もそれなりに長いです。

ちなみに、先日のブログで書いた、標準の整列機を
改造して、簡易的に自動機に対応した仕様だと、
大した価格UPにはなりません。

さて、サーボモータ・ステッピングモータを
使った機種も、実は更に2種類あります。

まず、外観は標準の整列機とほとんど同じで、
コントローラもほとんど同じという機種。
操作方法も標準の整列機とほとんど変わりません。
単に停止位置精度が上がっているという機種です。

もともと、整列機は標準でも、外部からシーケンサなどで
制御できるように、コントローラの背面に各種IOを
揃えていますので、そこから制御すれば良いわけです。



ただ、外観は同じでも、価格はかなり高くなります。

なお、小型の機種ですと、モータが同じスペースに
収まらないため、中型より大きい機種しかありません。
つまり、MRV-MINI-Sや、MRV-Ⅰ-STWといった機種には
サーボモータ・ステッピングモータ仕様が無いと
お考え下さい。

また、中型機以上でも、コントローラの方は、
サーボモータ・ステッピングモータのドライバが
収まるスペースが無いため、コントローラとは別に、
中継BOXが有ります。

さて、もう1つの機種は、標準の整列機の設計を
ベースにはしていますが、機械の大きさや、
動作方法までも客先仕様に合わせた、
言わば完全特注品です。

ウエステックの標準の整列機は、
最大振動数・揺動のスピードが
決まっています。

しかし、並べる部品によっては、もっと高い
振動数で振った方が並びやすい物もあります。

また、揺動、つまり前後に傾くスピードが
一定である必要も、実は有りません。

不用意に揺動スピードを上げると、
並べる部品が飛び出してしまう恐れが
有りますが、例えば傾き始めはゆっくり、
傾いている最中は速く、傾き終わりは
またゆっくり、という動きをさせれば、
部品を飛び出させる事なく、傾きを変える
時間を短縮できます。

また、実際の部品の流れを見ながら、
並びやすい傾きのスピードを自由自在に
変化させる事もできます。

標準の整列機では、この動きができません。
揺動のスピードは常に一定かつ遅いです。

しかし、ステッピングモータを使えば、
揺動スピードを自在にコントロールできます。

ただし、この機種の場合、整列機の制御も含め、
全てお客様の方でソフトを書いて戴く事に
なります。従って専用のコントローラも
付いていません。

標準の整列機ですと、動きに制約が有りますので、
自動機の方で、整列機に合わせ込んで行く必要が
あります。

一方、完全特注機は、その制限がないため、
動作干渉さえしなければ、自動機の動きに
整列機の方を合わせ込んで行く事が可能です。

すると、ウエステックで、整列機の部分だけ、
中途半端にソフトを書いて用意するよりは、
整列機ごと、装置全体のシステムとして、
全てお客様の方でソフトを書いて戴いた方が、
より制御が容易で、使い勝手の良いものが
できます。

その方が、動作を変更する必要が生じた場合も、
整列機の動きも合わせて変更ができて便利です。

ウエステックは整列機ではトップメーカー

2017-09-21 11:51:55 | 効率アップ
ウエステックは小さな会社ですが、
整列機ではトップメーカーです。

それもそのはず。トップとは言っても、
現在、整列機を作っているメーカーは
数社しかありません。

以前は20社近く有りましたが、徐々に淘汰されて行き、
今では数社を残すのみです。

整列機自体が使われなくなって来た?いえいえ、
そんな事はありません。手間が掛かり過ぎるので、
採算が合わなくなって行き、徐々に縮小・撤退して
行ってしまったのです。

元々、アメリカのシェーカーというメーカーが作ったのが、
整列機の発祥と言われています。初期の頃の製品は、
単純な振動と揺動をガサガサと繰り返すだけでした。

簡単な形状の部品が対象でした。整列穴形状も単純で、
要は手で振っても並ぶような物ばかりでしたが、
部品や整列治具が重いと、手で振っていられないので、
装置化した、という感じです。

その内、整列穴形状を工夫すれば、そこそこ複雑な
形をした部品でも並べられる事が分かり、
ケーススタディーを積み重ね、ノウハウが蓄積されて
行きました。

うまく並ぶと、部品供給装置としては、非常に能力が
高いものですから、日本でも何社かが参入して行きました。

ウエステックの整列機も、初期の頃は同じ振動と揺動を
何往復か繰り返し、最後に、残った部品を回収するための
振動だけが、少し違うという程度の物でした。

しかし、いくら整列治具の穴形状を工夫しても、
限界が見えて来ました。

整列機は、揺動と振動を繰り返す事で、部品を並べますが、
最初の数往復で、整列穴の7~8割が並ぶと、部品の流れ方が
変わって来るのです。

最初は未整列穴だらけですので、部品が穴に引っ掛かりやすく、
流れがゆっくりです。しかし、並び出すと、穴が徐々に塞がれ、
平坦な状態に近付いて行きますので、流れが速くなって
行きます。

流れが速過ぎると、未整列穴が部品を捕らえきれません。
残った2~3割の穴に並べるためには、流れがゆっくりに
なるように、整列機の方で調整しなければなりません。

逆のパターンも有ります。部品に大きめの突起が有ると、
整列治具に並んだ時、整列穴からその突起がニョキニョキと
出ている状態になります。

最初は突起が無いため、部品がスムースに流れて行きますが、
整列穴の7~8割が並ぶと、整列治具の表面は突起だらけになり、
未整列の部品の流れがせき止められてしまいます。

こういう場合は、少しずつ振動を強くして行くなどして、
部品の流れを確保しなければなりません。

また、整列機の動きは、単に並べるためだけに
使われるのではありません。

部品どうしが貼り付いていたり、絡み合っていたりした時、
回収パレットという、部品を溜めておく部分の所に
部品を集め、そこで整列時とは違った振動を与えて、
部品をかき混ぜ、分離させる事ができます。

また、回収パレット上で、部品の向きと、整列穴の向きを
合わせるような振動を与える事もあります。
これも、整列時の振動とは違うものです。

更に、整列治具上でも、徐々に並んでは行くものの、
整列穴に、部品が違う向きに引っ掛かる物が数ヶ所
発生するとします。それを取るために、
間欠的に強い振動を与える事があります。

このように、1種類の部品を並べるだけでも、
何パターンかの振動の強さと揺動の傾きを
織り交ぜないと、整列率が上がらない部品が
多々あります。

これらの振動パターンに全て対応させたのが、
現在のウエステックの整列機という事になります。

さて、お客様から部品を並べて欲しい、という
ご要望が有った時、その部品をお借りして、
整列実験をするところから始めますが、
整列機が何種類もの振動パターンに
対応できるからこそ、整列穴形状も
何パターンも考えられます。

整列機が単純な振動の繰り返ししか
出来なければ、整列穴形状も1種類になり、
その穴の幅寸法や深さ寸法、面取りの大きさなどを
何種類か試せば、その条件下での最良の穴形状が
見付かります。

しかし、これでは、並べられる部品の
種類も少なく、整列率もあまり期待できません。

整列機がいろいろな振動を織り交ぜる動作が
可能であれば、全く違う発想の整列穴形状を、
それぞれ何種類も試せます。

こうする事で、大抵の部品は並べる事ができ、
しかも高い整列率が期待できます。

一方で、それは大変な手間と時間を
強いられる作業でもあります。整列実験に
2週間ほどの時間の猶予を戴いているのは
そのためです。

以上の話は、あくまでも"整列"だけです。
以前のブログにも書きましたが、
ウエステックは治具を使った"組立"も
やっています。

組立の実験や確認も大変な手間が掛かります。

整列治具から多数個同時に部品を90°倒す実験や、
吸着して部品を移し替える実験、多数個同時に
圧入する実験などなど、これも成功率が
せめて98%程度にはなるまで、何度もトライを繰り返し、
どうしても成功率が上がらない場合は、
組立治具を作り直したりします。

これだけ手間が掛かるにもかかわらず、
電子部品業界の製品は短納期な件が多いです。

これでは、整列機の競合他社が次々と脱落して
行くのが分かります。手間と時間を惜しむと、
それは整列率や組立成功率の悪化に直結し、
次回から注文が来なくなります。

因果な仕事ではあります。