整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列治具の端の方

2018-03-20 09:26:48 | 効率アップ
ウエステックの整列治具で部品を並べる際、
治具の共通化や、次工程への部品の受け渡しなどで、
あらかじめ治具サイズが決まっている事が多いものです。

その一方で、出来るだけ多数の部品を並べたい、
というご要望も当然あります。

整列ピッチ(整列間隔)を詰めれば、同じ整列エリアの
面積でも、並べられる数は増えます。

しかし、以前のブログでも何度か書いていますが、
部品を並べるのに適した整列ピッチというものが有り、
それを越えて狭くしてしまうと、整列率が落ちたり、
整列時間が長くなったり、という現象が起きます。

実際、或るお客様向けの治具で、整列ピッチを
詰めても、どこまでなら整列状況を維持できるか、
試した事もあります。

その結果、やはり狭過ぎると並び難くなる事が
わかりました。整列ピッチを狭める事で、
例えば整列数を10%多く出来ても、
整列時間が20%長くなっては、能力ダウンに
他なりません。

では、整列ピッチを変えないまま、出来るだけ
整列数を稼ぐようにするには、どうするか?

整列治具の余白部分(整列穴が無いエリア)を
減らせば良いのでは?という考えが浮かびます。



ところが、これはあまり現実的ではありません。

通常、整列治具には、他の治具との位置合わせを
行うための、ピンもしくはブッシュが圧入されて
いる場合が多いです。

ピンやブッシュを配置するスペースを確保するために、
端の方には整列穴を加工しないのが普通です。



え?ピンやブッシュの周りだけならまだしも、
その列の整列穴を丸ごと割愛する必要はないのでは?
とお感じになるかも知れません。

こういうイメージで作れば良いのでは?
という事ですよね。



ところが、圧入されているのがブッシュの時は
良いのですが、ピンの場合は、それが部品の
流れを妨げる障害物になります。

障害物の後ろ側には、部品が流れ難いのです。

また、整列機は常に振動していますので、
部品はピンにぶつかった時に、弾かれて
少し飛ばされます。よって、実際のピン径より
広い範囲で、障害物となるのです。



また、仮に、ピンやブッシュが不要でも、
端をあけておく必要があります。
それは、整列機が振動しているからです。



整列治具の左右両側には、サイドステー(仕切板)
が有ります。整列機が振幅の分、高速に左右に
移動します。その際、流れる部品はその移動に
付いて行けない場合が多いです。

すると、サイドステーに弾かれた部品の流れは、
自然と整列治具の両端を避けて通るかのような
動きになります。



実際に動画で部品の流れを見て戴いた方が
分かりやすいかと思います。



整列治具の端の方には、整列穴を加工しても、
そこを流れる部品が少ないため、その部分だけ
整列率が悪くなります。

それでもサイズが小さい部品だと、
端の方にも流れ着きますが、サイドステーに
弾かれる事で、流れのスピードが必要以上に
速くなりますので、やはり端の方は並びにくい
という状況に変わりはありません。

ホーキング博士の訃報

2018-03-16 10:53:11 | 効率アップ
コーヒータイム(余談)

車椅子の科学者として有名だった、
ホーキング博士がお亡くなりになりました。
心より冥福をお祈りします。

全身の筋肉が萎縮して行く難病でありながら、
76才まで生きた、というのは、或る意味
驚異的とも言えるかと思います。

最近では、今話題のAIについて触れ、AIの発達は
人類の終焉につながる、と発言し、話題になりました。

人類の終焉とは言っても、これは別に人類の滅亡を
意味するのではないと思います。

ホーキング博士の発言を、よりセンセーショナルに、
よりドラマチックに解釈した人達が、あたかも
映画ターミネーターのようにAIを積んだアンドロイドが
自我に目覚め、人間を排除するという行動に出たり、
これまた映画マトリックスのように、
AIが地球を支配し、人類はAIが作った仮想の世界で、
気付かない内に暮らすようになる、といった、
AIの発達に対する恐怖心をあおるような声も、
一部では有るみたいです。

当のホーキング博士自身は、滅亡とは一言も
言っていません(環境破壊とか、別のテーマでは
起こり得る、と言っています)。

滅亡ではなく、終焉という言葉を使ったのは、
「人類の知的活動の停止」という意味だと
解釈できます。

え?それだけ?と思われるかも知れませんが、
よく考えると、本当にそうなれば、
確かに人類の終焉たり得るかも、
という由々しき事態なのです。

AIが高度に発達すると、開発や研究といったものも、
AIが行うようになると考えられています。

AIは、将棋やチェスのように、コンピュータの
シミュレーション上で対戦を繰り返して学習し、
人間より遙かに高速に百戦錬磨の強者になれます。

研究や開発、設計といった分野でも、
同じ事が可能です。極めて優秀な人間が
何ヶ月~何年も掛かってやり遂げたものを、
僅か数日、下手をすると数時間で実現して
しまうかも知れません。

すると、あらゆる分野で、AIに全て任せた方が
遙かに効率的になり、人間は考える事を
しなくなります。

AIがAI自身を設計・製造する事になり、
より高度なAIが開発されて行くでしょう。

人間が人型のアンドロイドを作るのは、
まだまだ先になりそうですが、AIに作らせれば、
意外と近い将来に可能になるかも知れません。

人間では考えられない程の速度で、
しかもその技術が驚異的な加速度で進化し、
もはや人間には理解できない程の高度な
技術が実用化され、今は映画で人間が
演じているような人型アンドロイドが、
意外と簡単にできるかも知れません。

それで、その人型アンドロイドが人間に
反乱を起こす、という事をホーキング博士は
言っていたわけではありません。

人間が何もしなくて良くなる、考えなくなる、
という事自体が、人間の終焉を意味する、
と言っていたと思われます。

人類の進化・発展は、考えて道具を使い出す
事から始まります。

最初は石や木を削って作った単一素材の
道具だった物が、複合素材を組み合わせ、
可動する機構を持った物に変わって行きます。

また、最初は木の皮や毛皮といった素材を
そのまま使っていた物が、繊維を取り出して
編み上げたり、合成して行くようになります。

より効率的に、便利に生活できるようにと、
さまざまな事を試行錯誤し、実用化して行きます。

その内、学問のような形で知識が蓄積され、
別の分野にも応用されるようになります。

高度な文明を築き上げると、機械・化学・電気と
いった事まで、作り出せるようになって行きます。

人類の歴史は、正に考えて作り出す事だったのです。

さて、ここでAIの登場です。人間が考える必要が
無くなったら、原人だった頃から現代に至るまで、
進化し続けて来た人間の脳が、初めて退化し始める
かも知れません。

今まで作り上げて来た物は、あくまでも人間が
使うための物でした。しかし、AIは史上初めて、
人間に取って代わる可能性が有るからです。

知的活動の停止は、即ち人類の終焉につながる、
という事をホーキング博士は言っていたのだと
思います。

ホーキング博士自身、身体が不自由だった事から、
知的活動の停止は、死ぬよりも辛い事だったと
想像されます。

程度の差こそ有れ、知的活動を一切行わず、
単に生存するためだけに生きるとすれば、
それは人間の存在価値をも揺るがす、
という事を言いたかったのだと思います。

数を数えるために整列させる

2018-03-12 10:29:40 | 効率アップ
ウエステックの整列機で部品を並べる目的は、
次工程への面単位での部品供給,製品の組立,
外観検査,性能検査(導通など)、レーザー
マーキング用等々、実に様々ですが、その中に、
計数用、即ち部品の数を数えるために並べる、
という需要が、件数こそ少ないものの、
一定数あります。

通常、部品供給や組立、検査用などですと、
部品を並べる向きに指定が有りますし、
その他にも、部品が整列治具の表面から
0.2mm以上飛び出していなければならないですとか、
部品が整列穴の中で片側0.05mm以上動いては
ならないといった、整列率に影響を及ぼしかねない、
制限というものがあります。

部品の向きが、客先の希望と90°違う向きならば、
簡単かつ短時間で並ぶのに、ですとか、
もしくは、整列治具の表面から部品が沈んだ
状態で並んでも良ければ、整列が速いのに、
はたまた、整列ピッチ(間隔)があと1mm広ければ、
部品がスムースに流れるのに、といった事は、
日常茶飯事のように起こります。

計数用は、基本的にそのような制限がありませんので、
通常は整列は簡単です。

1つの整列穴に1つの部品が入れば良いので、
並ぶ向きや、穴の深さ、穴の間隔(整列ピッチ)
などを設定する自由度が高いわけです。

例えば四角形の部品は、通常は短辺と長辺の向きや
表裏を全て揃えて並べる必要がありますが、
計数用であれば丸穴でも良い事になります。
要は1つの穴に部品が2個入らないように
なっていさえすれば良いのです。

穴形状も、丸穴の方が角穴よりも加工時間が短く、
整列治具の価格も低く設定しやすい、
というメリットもあります。

また、ピンを縦に並べる場合でも、ピンの頭が
整列治具の表面からわずかに飛び出した状態で
並べて欲しいと言われる事がよく有りますが、
計数用であれば沈めてもOKです。

表面から飛び出していますと、後から流れて来た
ピンがそこに引っ掛かって流れが停滞したり
ですとか、整列機の振動によって、
せっかく並んだピンが整列穴から出て行って
しまったりする事もあるからです。

ただし、1つの整列穴に部品が1つだけのしか
入らないようにするために、敢えて部品の向きが
揃うように並べなければならないという、
逆のケースもあります。

あと、整列ピッチですが、広ければ良いという
わけではなく、部品によっては、或る程度
整列穴が密集していた方が並びやすい、
という場合もあります。

その一方で、整列治具の外形サイズは、
他の治具と共通にしたい、という要望が
出るのが普通です。

すると、このように、広めの整列治具の
中央付近に、整列穴がこぢんまりと
まとまってしまっている事があります。



この場合、整列治具の両端に、整列穴が無い
エリアが結構な広さで存在します。

すると、素通りして流れて行ってしまう
部品が多い、という現象が起き、効率的とは
言えません。



かと言って、整列ピッチ(整列間隔)を広げ、
整列治具全体に満遍なく整列穴を配置させると、
今度は整列率が下がったり、整列時間が伸びたり
する場合があるとお考え下さい。

この場合はどうするか。

こうします。整列穴を幾つかのブロックに分け、
部品の流れに対して素通りするエリアを
無くします。



こうする事で、効率を下げる事なく、
部品を並べられます。

これが、計数用以外の用途ですと、
整列穴を自由に配置できないので、
下図のようなサイドガイド(脇板)を
整列治具の両端に付けたりします。



つまり、川の両岸に小高い土手を作り、
そこには部品が流れないようにするのです。

しかし、このサイドガイドが、
次工程では邪魔になる場合があります。

なので、取り外しできるような構造にする
事があります。

サイドガイドをただ置いただけでは、
流す部品によっては、整列機の振動で、
このサイドガイドと整列治具本体の隙間に、
部品が入り込んだりする場合がありますので、
シッカリ固定する必要性に迫られる事が
ままあります。

すると今度は、サイドガイドの取り外しに
一手間かかる事になります。

よって、計数用であれば、サイドガイドは
できるだけ使わずに、整列穴の配置を
工夫する方が得策です。

整列機で部品に傷が付く?

2018-03-07 14:13:51 | 効率アップ
ウエステックの整列機を使って部品を並べる時は、
整列させたい数の3~5倍、場合によっては10倍くらいの
数量の部品を投入する必要があります。

揺動と振動を繰り返しますので、並ぶまでは
部品と部品がぶつかり合う状態が続きます。

整列治具の材質はベークライトですので、治具が部品を
傷付ける事はまずないのですが、部品どうしの衝突や擦れは、
物によっては影響が出る場合があります。

通常、固い物と柔らかい物がぶつかるようにすれば、
固い方には傷は付かないのですが、同じ部品どうし
ですから、手に負えない事も珍しくありません。

部品も単一素材で出来ている物ばかりではありません。
部分的に固かったり柔らかかったりする物も有ります。
柔らかい部分だけに傷が付き、それが看過できない
レベルに達する事もあります。

又、単一素材であっても、形状的に鋭角になっている部分が
傷付いたり、逆にその鋭角になっている部分が、
他の平坦な部分を傷付けたりする事もあります。

また、材質そのものは充分な強度を持っていても、
印刷してある電極が剥がれてしまったり、
接着されている部分が取れてしまったり
する場合もあります。

そういった懸念を1つ1つチェックし、この部品ならば
大丈夫だ、と思われても、まだ安心するのは早いです。

流すとすぐに傷付いたり、割れたり欠けたりすれば、
これは整列機で並べるのには向いていないと、
すぐに判断できるのですが、厄介なのは、一見すると
大丈夫そうなのに、振動を掛け続けている内に
傷がNGレベルに達してしまうケースです。

最初に書きましたが、整列機は整列させたい数の
3~10倍くらいの数量の部品を投入する必要があります。

これは、1回の整列動作で、並ばすに残る部品が、
整列穴数の2~9倍くらいの量になる、という事を
意味します。

これを何度か繰り返しますと、整列動作を5回も6回も
繰り返しても、運が悪ければ10回以上繰り返しても、
並ばずに残ってしまう側になってしまう部品が
存在する可能性が有る、という事です。

1回の整列動作で、例えば10往復させる必要が有ると
しますと、その10往復以内で並んでしまう部品もあれば、
100往復を越えてやっと並ぶ部品もある事になります。

せめて50~60往復くらいで並んでくれれば、
傷のレベルも問題ないのに、100往復以上させると、
さすがにNGになる、という場合は非常に厄介です。

また、傷自体は性能上問題なくても、
ほとんど傷が付かない内に並んでしまった部品と、
全体に薄い擦り傷だらけの部品が混在して
しまっている状況というのが、NGという場合も
あります。

ウエステックでは、最初に部品をお借りして、
整列実験から始めます。お客様の方で実際に
生産される時は、一度並んだ部品は、
二度と整列機に掛ける事はありませんが、
整列実験の段階では、一旦並んだ部品を
またばらけさせて整列機に戻し、整列に適した
穴形状と振動条件を見付けるまで、それこそ
何百回でも振ります。

それをやって行く途中で、ランダムに投入されて
いる部品の中から、傷の少ない部品と
傷が多い部品を判別するのはほぼ不可能です。

また、どのくらいの段階から、傷が増え始めるか
どうかを見極める事も、ほぼ不可能です。
投入数量が半端ないからです。

また、仮に傷が付く部品であっても、
その許容範囲はお客様にしかわかりません。

さすがに割れたり剥がれたりすれば、
弊社でもNGだと即座に判断が付きますが、
それ以外は基本的にわかりません。

また、明らかな傷ではなくても、
例えば矩形部品のカドが僅かに丸みを
帯びてしまう場合もあります。

その現象が、例え部品としてはOKの
レベルであっても、今度は整列率に
影響が出る場合があります。
部品のカドにエッジが有るか無いかでは、
整列に大きく影響が出る事があるためです。

整列機で並べる事ができる形状の部品であっても、
その傷のために、整列機の使用を断念せざるを
得ない場合がある事は、肝に銘じておくべきです。

整列実験の途中で、部品の傷が気になる場合は、
実験担当者からその情報がフィードバックされて
来ますので、その時点でお客様に判断を仰ぐ
事もありますので、宜しくお願いします。

亀戸中央公園の対岸の河津桜

2018-03-05 11:23:55 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

今回も技術の話ではなく、与太話です。

何故なら、タイムリーな話題なので、ブログへの投稿が
遅れると、花が散ってしまうからです。

相変わらずウエステックの社屋の改築工事は続いており、
今日もエアコンの電源(AC200V)が入らないため、
石油ファンヒーターで暖房しています。

ですので、今週も投稿のペースが落ちそうです。
よって、投稿できるものを選んで先に投稿して
しまいます。申し訳ありません。

さて、昨日3/4(日)、亀戸中央公園に行って来ました。
旧中川を挟んだ対岸に河津桜が咲いていましたので、
その写真をアップします。



とは言え、実はまるっきり別の用事で行ったのです。

今年の冬は寒かったので、見頃は来週あたりかなあ、
と思っていたのですが、もう満開近く咲いていたので、
焦って写真を撮りました。



まだつぼみの木も有りましたが、それでも8分咲き。
半分以上の木は既に満開状態でした。



これだと、見頃は今週いっぱいくらいかなあと思われます。

予想外だったため、ちゃんと準備をしていませんでした。
デジカメを充電しておかなかったので、少ないバッテリの
残量では、数枚しか撮れませんでした。

スマホのカメラで撮ろうかと思ったのですが、
もう夕方4時を回っていましたので、スマホのカメラでは
暗くなってしまい、綺麗に撮れません。

実は、スカイツリーをバックに桜を撮る事ができる
場所なのですが、ほとんど日が傾いている時間で、
スカイツリーの方角に日が沈み始めており、
そちらを向けては写真が撮れませんでした。

さて、ここには河津桜の木は10本程度しか有りません。
しかし、花の密度が高く、ピンク色が濃いので、
結構見応えがあります。



川岸は広大なのですが、川上を見ても、川下を見ても、
何故かここにしか河津桜の木は無いのです。

関東地方は、この土日は急に暖かくなり、
まるでソメイヨシノが咲いている頃の気温に
なりました。

よって、例年とは違って寒くないため、
桜の木の下にゴザを敷いて飲んでいる人達や、
家族でちょっとしたピクニック気分に浸っている
人達が3~4組いました。

ただ、ちょっと背景がですねえ、工場らしき建物が
後ろにドーンと建っているので、絵的にはあまり
美しくないです。



東京23区内ですし、この辺は建物が結構密集している
地域ですので、しょうがないですね。

さて、対岸から戻って、亀戸中央公園の中に入ると、
例年だと半分以上が散ってしまっている梅の花が、
まだ頑張っていました。つい4~5日前は、
かなり寒かったですからね。



夕方5時くらいになっていたため、少々暗い写真に
なってしまいましたが、こちらも結構綺麗でした。

しかし、河津桜の場所以上に背景が良くなく
(後ろに巨大な団地?)、無理矢理アングルを
変えたため、やはり絵的にはちょっと、
という写真になってしまいました。