ウエステックの整列機で部品を並べたい時、
部品が平べった過ぎて、表裏が引っ繰り返らない、
という現象が起きる場合が有ります。
簡単な例を挙げると、五円玉のような部品で、
その中央に穴ではなく、五円玉の厚み分くらいの
突起が片側に出ている物を想像してみて下さい。
表裏の区別があり、突起を上にして並べたい。
並べる事自体は簡単なのですが、部品をランダムに
整列機に供給すると、上側に突起が来る部品と、
下側に突起が来る部品の数の割合が半々。
そのままの状態で整列機を動かすと、
突起が上側に来ている部品はすぐ並びますが、
突起が下側に来ている部品は、並ばずに永久に
流れ続けます。
それを回避するために、通常は回収パレット
(部品を溜めておく部分)の底板に、
深い縦溝を加工し、そこに部品が立ちながら
落ち込むようにする事で、表裏を引っ繰り返す方法を
取っています。
詳しくは、以前のブログ「整列機の名脇役・・・
回収パレット」を参照して下さい。
実は、五円玉くらいの大きさであれば、
この回収パレットの溝形状の工夫だけで、
部品の表裏を引っ繰り返す事が可能です。
しかし、500円玉くらいの大きさになると、
回収パレットの溝形状では対応できなくなります。
溝が深くなり過ぎて、整列機を最大角度19°まで
傾けても、回収パレットから部品が出て来なくなって
しまうのです。
表裏を引っ繰り返す事さえできれば、並ぶのになあ、
という事態には、別の方法で対処します。
その方法は大きく分けて、2通り有ります。
まずはエア吹き式回収パレットです。
最近のゲームセンターには無いかも知れませんが、
エアホッケーと似た原理です。
エアホッケーは、コート(?)の下から
エアが吹き出している状態で、円盤状の玉を撃つと、
ほとんど無抵抗でコート上を滑って行きます。
あのエアの吹き出しを強くすると、円盤状の玉を
舞い上がらせ、引っ繰り返す事ができます。
ただ、円盤状の玉が重いと無理ですので、
軽い部品に対してしか使えません。
そこで、やや大がかりにはなりますが、
昇降式回収パレットという方法を使います。
言葉では分かり難いかと思いますので、絵で説明します。
通常、整列治具(整列パレット)と回収パレット
(部品を溜めておく部分)の上面は同じ高さです。
どちらか片方が低いと、段差になってしまい、
段差の下側から段差の上側に向かって部品を
流そうとすると、そこに引っ掛かって流れません。
つまり、整列機はバリアフリーになっていなければ
ならないんですね。
しかし、バリアフリーであるが故に、そこに部品を流すと、
部品の表裏は、いつまで経ってもそのままです。
じゃあ敢えて段差を作ってしまえば、段差の上側から、
段差の下側に落ちる時は、部品は引っ繰り返るじゃないか、
という事で、一時的に段差ができるようにしたのが、
昇降式回収パレットです。
しかし、段差が残ったままでは、段差の下側から、
段差の上側に向かって部品が流れて来る時は困るので、
その時はバリアフリーに戻ってくれなくてはなりません。
そこで、回収パレットをエアシリンダで上下に動く
ようにしたのが、昇降式回収パレットです。
実際の動きとしては、大側の回収パレットに向かって、
部品が流れて来る時に、その大側の回収パレットを
エアシリンダで下げ、段差を作ります。
部品が流れきり、整列機の傾斜を逆にするタイミングで、
今度はエアシリンダを上昇させて、バリアフリーに
戻します。
エアシリンダーの上昇・下降のタイミングは、
整列機の傾斜の切り返しのタイミングに同調して
いなければなりませんが、それは簡単です。
整列機のコントローラの背面にあるIOコネクタから、
整列機の傾斜の向きに合わせた信号を取り出す
機能が標準で装備されています。
その信号に合わせ、ソレノイドバルブのINとOUTを
切り換えれば、間単に制御できます。
ただ、昇降式回収パレットの難点は、この構造自体が
重いという事です。エアシリンダと、昇降をガイドする
リニアガイドを回収パレットの両脇に取り付け、
スムースに上下するようにしなくてはなりません。
そのため、小型の整列機には取り付けられません。
中型機以上に限定の方法という事になります。
さて、エア吹き回収パレットの話が少し出て来ましたが、
エア吹き式ですと、回収パレットの底板にエアの通り道を
加工するだけなので、重量は普通の回収パレットと
ほとんど変わらない事から、小型の整列機でも使えます。
エア吹き回収パレットについては、後日改めて説明します。
実は部品を引っ繰り返すだけでなく、他にも効果が有ります。
部品が平べった過ぎて、表裏が引っ繰り返らない、
という現象が起きる場合が有ります。
簡単な例を挙げると、五円玉のような部品で、
その中央に穴ではなく、五円玉の厚み分くらいの
突起が片側に出ている物を想像してみて下さい。
表裏の区別があり、突起を上にして並べたい。
並べる事自体は簡単なのですが、部品をランダムに
整列機に供給すると、上側に突起が来る部品と、
下側に突起が来る部品の数の割合が半々。
そのままの状態で整列機を動かすと、
突起が上側に来ている部品はすぐ並びますが、
突起が下側に来ている部品は、並ばずに永久に
流れ続けます。
それを回避するために、通常は回収パレット
(部品を溜めておく部分)の底板に、
深い縦溝を加工し、そこに部品が立ちながら
落ち込むようにする事で、表裏を引っ繰り返す方法を
取っています。
詳しくは、以前のブログ「整列機の名脇役・・・
回収パレット」を参照して下さい。
実は、五円玉くらいの大きさであれば、
この回収パレットの溝形状の工夫だけで、
部品の表裏を引っ繰り返す事が可能です。
しかし、500円玉くらいの大きさになると、
回収パレットの溝形状では対応できなくなります。
溝が深くなり過ぎて、整列機を最大角度19°まで
傾けても、回収パレットから部品が出て来なくなって
しまうのです。
表裏を引っ繰り返す事さえできれば、並ぶのになあ、
という事態には、別の方法で対処します。
その方法は大きく分けて、2通り有ります。
まずはエア吹き式回収パレットです。
最近のゲームセンターには無いかも知れませんが、
エアホッケーと似た原理です。
エアホッケーは、コート(?)の下から
エアが吹き出している状態で、円盤状の玉を撃つと、
ほとんど無抵抗でコート上を滑って行きます。
あのエアの吹き出しを強くすると、円盤状の玉を
舞い上がらせ、引っ繰り返す事ができます。
ただ、円盤状の玉が重いと無理ですので、
軽い部品に対してしか使えません。
そこで、やや大がかりにはなりますが、
昇降式回収パレットという方法を使います。
言葉では分かり難いかと思いますので、絵で説明します。
通常、整列治具(整列パレット)と回収パレット
(部品を溜めておく部分)の上面は同じ高さです。
どちらか片方が低いと、段差になってしまい、
段差の下側から段差の上側に向かって部品を
流そうとすると、そこに引っ掛かって流れません。
つまり、整列機はバリアフリーになっていなければ
ならないんですね。
しかし、バリアフリーであるが故に、そこに部品を流すと、
部品の表裏は、いつまで経ってもそのままです。
じゃあ敢えて段差を作ってしまえば、段差の上側から、
段差の下側に落ちる時は、部品は引っ繰り返るじゃないか、
という事で、一時的に段差ができるようにしたのが、
昇降式回収パレットです。
しかし、段差が残ったままでは、段差の下側から、
段差の上側に向かって部品が流れて来る時は困るので、
その時はバリアフリーに戻ってくれなくてはなりません。
そこで、回収パレットをエアシリンダで上下に動く
ようにしたのが、昇降式回収パレットです。
実際の動きとしては、大側の回収パレットに向かって、
部品が流れて来る時に、その大側の回収パレットを
エアシリンダで下げ、段差を作ります。
部品が流れきり、整列機の傾斜を逆にするタイミングで、
今度はエアシリンダを上昇させて、バリアフリーに
戻します。
エアシリンダーの上昇・下降のタイミングは、
整列機の傾斜の切り返しのタイミングに同調して
いなければなりませんが、それは簡単です。
整列機のコントローラの背面にあるIOコネクタから、
整列機の傾斜の向きに合わせた信号を取り出す
機能が標準で装備されています。
その信号に合わせ、ソレノイドバルブのINとOUTを
切り換えれば、間単に制御できます。
ただ、昇降式回収パレットの難点は、この構造自体が
重いという事です。エアシリンダと、昇降をガイドする
リニアガイドを回収パレットの両脇に取り付け、
スムースに上下するようにしなくてはなりません。
そのため、小型の整列機には取り付けられません。
中型機以上に限定の方法という事になります。
さて、エア吹き回収パレットの話が少し出て来ましたが、
エア吹き式ですと、回収パレットの底板にエアの通り道を
加工するだけなので、重量は普通の回収パレットと
ほとんど変わらない事から、小型の整列機でも使えます。
エア吹き回収パレットについては、後日改めて説明します。
実は部品を引っ繰り返すだけでなく、他にも効果が有ります。