整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

使用頻度は少ないながら非常に役に立ったPHS

2018-06-22 13:40:14 | 効率アップ
コーヒータイム(余談)

まず、6月18日(月)朝8時の地震では、
大阪で被災された方々にお見舞い申し上げます。

揺れている最中は、阪神淡路大震災の時の
記憶が蘇った人も多かったのではないかと
思います。

塀が倒れて小学生の女の子が亡くなったのは、
本当に痛ましいです。重ねてお見舞い申し上げます。

これから建設する塀に関しては、やはり地震による
倒壊で人が負傷したり、道路を塞いで緊急車両が
通れなくなったりする事態を避けるために、
コンクリート部分の背は低くし、その上に
軽い材質のフェンスを設けるという形にするよう、
建築基準が厳しくなっているそうです。

さて、今回、阪神淡路大震災や東日本大震災の
時には遙かに及びませんが、交通インフラ・
通信インフラ・生活インフラに支障が出た
地域が有ったようです。

私も東日本大震災は経験しました。
地震当日、ちょうど浜松出張から新幹線で
東京駅に戻って来て、在来線に乗り換えようと
していた時、大きな揺れが起こりました。

交通機関は軒並み止まりましたので、
私はそこから隣駅の神田まで歩いて移動。
ルノアール(喫茶店)に入ったらWifiが
使える状態でしたので、出張に持ち歩いていた
ノートパソコンで会社に無事を報告。
会社も特に大きな被害は無かったとの事で、
取り敢えず一安心。

さて、それからですが、取り敢えず
帰らなくてはなりません。会社と自宅は
同じ方角なので、どちらに行くにしても、
歩いて移動するしかありません。

しかし、神田から会社までは約20km、
自宅までは約30kmあります。

ギリギリ都内ですが、同じ方角に、
当時友人が住んでいたので、
そこに泊めて貰えないかと思い、
電話してみました。友人宅ならば約13kmです。

地震の直後は、携帯電話はほとんど繋がりません。
固定電話もなかなか繋がらない状態でした。

しかし私はPHSも持っていました。PHSは繋がります。
PHSで家族には連絡済みです。

とは言え、友人の携帯電話の方が繋がりません。

同じ方角なので、意を決して歩き出しました。

わかりやすい太い道なので、歩いて帰路に向かう
人達が、まるで長い行列のように、遙か先まで
繋がっている状態でした。

車道の車も遙か先まで繋がっていますが、
ほとんど動けず、歩道を歩く人の方が
遙かに速い状況でした。

私は途中で夕飯を食べて腹ごしらえし、
公民館(時間外開放されていました)や
カフェ等で4~5回休憩を入れながら
歩いて行くと、そろそろ友人が家に帰って来て
いるだろうと思われる時間になったため、
固定電話の方にPHSで電話すると、
繋がりました。助かりました。

東日本大震災は3月11日でしたが、私はその当時、
3月いっぱいでPHSを解約するつもりでいたのですが、
非常時の繋がりやすさはお金に代えられないと思い、
一番安い料金プランで、解約せずに今も持っています。

ところが、2020年でPHSサービスは終了するとの
通知が届きました。

企業向けの通信専用線としては残るようですが、
通話サービスは全面終了するそうです。

(現在、法人ユーザーでも、コードレスの
内線電話として、工場内での通話手段に
使っている所も有るはずですが、
それもできなくなります。)

これから東日本大震災クラスの地震が起きた時、
携帯電話や固定電話だけで、どの程度繋がるのか、
非常に不安なところではあります。

東日本大震災を教訓に、対策は強化してあると
思いますが、下手をするとそれ以上の大地震になり、
通信インフラの被害がより甚大になる可能性も
充分にあります。

確かにPHS事業はユーザーが少なく、儲かりません。
ユーザーが少ないからこそ、非常時に通話が集中せず、
回線に余裕があるので、繋がりやすいわけですが、
こういうのはお金に代えられないものですから、
国や自治体がバックアップしてくれても
良いような気がします。

治具の専用化と共用化

2018-06-21 11:45:01 | 効率アップ
ウエステックの整列機で部品を並べるのには、
或る一貫性が有るという事にお気付き
でしょうか?

これは整列機に限った話ではありませんが、
部品供給装置というものは、1種類の部品に
それぞれ特化せざるを得ない、という宿命(?)
が有ります。

整列治具も、並べる部品に特化して、
整列穴を加工し、一品一様で作らなければ
なりません。

パーツフィーダーもそうですが、ボウルなどは
基本的に或る部品専用になっている事が多いです。

しかし、まるっきり違う部品ならまだしも、
同じシリーズのサイズ違いとかであれば、
治具を共用できないものでしょうか?

サイズ違いとは言っても、例えばM3の長さ6mmの
ナベ小ネジと、M6の長さ10mmのナベ小ネジを、
同じ整列治具で共用できないというのは、
誰でも分かるレベルです。

ただ、例えばM3の長さ6mmのナベ小ネジと、
同径で長さ8mmのネジならば、工夫すれば
治具は共用できそうです。

整列治具は単価が結構高いですし、
それが1種類の部品に対し、何十枚も必要、
という事であれば、共用できる物が有れば、
共用してしまった方が、トータル枚数を
抑えられます。

整列治具を共用する場合は、基本的に大きい
部品の方に、整列穴の寸法を合わせます。



こういう具合にしておけば、多少短い程度の
ネジであれば、整列治具の共用は可能です。

しかし、短か過ぎるのは無理です。
ネジが短いと、頭の方が重くなってしまうため、
頭が下になろうとします。



仮に並べられたとしても、重心の位置が
上下逆である事に変わりはありませんので、
整列プログラムは共用できませんし、
整列時間も長くなると予想されます。

ネジのような丸物は、横に寝かせた状態で
並べると、整列治具の共用の範囲が広がります。



多少の長さ違いは、縦整列と同様、共用できます。



かなり短くても、整列穴の幅はネジ径より少し
広い程度なので、ネジの頭は入らない事から、
1つの整列穴に2本のネジが並ぶ事はありません。

但し、入ろうとしている2個目のネジを振り落とす
必要が有りますので、整列プログラムの方は、
長いネジと共用できないとお考え下さい。

とは言え、長いネジ用の整列プログラムと、
短いネジ用の整列プログラムを両方入力しておき、
ネジの長さによって切り換えれば済む事ですので、
整列治具の共用にメリットが感じられるのであれば、
導入を検討しても良いでしょう。

整列治具の共用は、丸物でなくても、寸法の近い
部品であれば、可能である場合が有ります。

しかし、大きい部品の方に整列穴の寸法を合わせる
事になるため、確かに小さい部品も並べる事はできても、
整列穴の中で、部品が寄る方向がバラバラだったり
しますので、整列後の工程で、その位置のバラツキが
許容できないレベルであれば、やはり専用の整列治具を
作る事になります。

また、逆のケースも有ります。

違う仕様の部品が混入するのを防ぐために、
整列治具を共用しようと思えばできるのに、
敢えて専用化している場合が有ります。

整列穴の寸法を厳しくして、異サイズの部品を
間違って流すと、並ばないようにするのです。

例えば、間違って長さが短いネジを供給し、
ネジの締めしろが短い製品を組み立ててしまい、
強度不足に陥ってしまう、といった事態の
予防策になります。

丸物でなくても、仕様上は不要な切り欠きや穴を、
敢えて部品に設け、その切り欠きや穴の有無で、
違う部品の混入を防いでいるお客様もいます。

組立時にはその切り欠きや穴が有っても無くても
組み込めてしまうのですが、部品供給段階で、
寸法の近い異部品の混入を防いでしまおうと
いう発想です。

さて次回は、1枚の整列治具に、同時に2種類の
部品を流して、整列させる事が可能か、
という話題をお送りします。

アジサイの穴場?

2018-06-12 13:42:27 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

しばらくブログへの新規投稿をサボって(?)いたら、
あっという間に梅雨入りしてしまいましたね。

梅雨と来ればアジサイです(短絡的)。

アジサイはどこでも見掛ける花ですので、
多少の景観では驚きませんが、この光景は
さすがに目を引きます。



西洋アジサイの一種で、白い花。アナベルという
品種だそうです。

珍しいのは、咲き方。奥に写っている人物の
大きさから、いかに広大で、花の数が多いかが
おわかりかと。

他の品種は、群生している所でも、
こういう生え方はしません。

しかしこちらは、ちょっとした絶景と言っても
良いかも知れないレベルです。

場所は神奈川県の相模原北公園です。
隣に団地や運動公園・運動施設などが有り、
かなり広い公園です。

かなり前ですが、この近所に友人が住んでおり、
遊びに行った時にこのアジサイを知ったのですが、
今年、久し振りに見に行きました。

昔の写真は残っていても、やはり生で見ると、
相変わらずの迫力ですね。

しかし、見物人はそれほど多くありません。
交通の便がイマイチなのと、地元の人は
見慣れているせいか、同じ公園内の芝生の方に
いる人達が多いようです。

以前ここに住んでいた友人は、今は県内の
田舎の戸建てに引っ越しましたが、
今でもたまにこの光景が見たくなり、
数年に1回は見に来るそうです。

去年見に来たそうですが、少し早かったらしく、
少し残念だったと言っていました。

自然まかせなので、見頃の時期は毎年変わって
しまいます。

有名で見物人が多い所ならば、「今ピークだよ」
とブログやSNSにアップする人がいますが、
何せマイナーなもんで、しょうがないですね。

ちなみにアジサイは乾燥した日が続くと、
花がしおれたような状態になります。

それを見て、見頃を過ぎた、と思うのは早計です。

本当に見頃を過ぎている時は、アジサイは
端の方から茶色く変色して行きます。

変色せずに、花が乾燥して閉じたような
状態になっている場合は、雨が降ると
復活します。雨が降らない場合は、
大量に水やりすれば良いのです。

梅雨の時期に咲くのは、大量に水分を必要とする
性質があるからです。

実際、東京で有名な飛鳥山公園のアジサイは、
線路脇に有る細長い通路の所に咲きますが、
そこは山の斜面から流れ落ちる水が豊富に有り、
非常に高い湿気が保たれている場所で、
おかげで花に勢いがあります。


部品の回収方向

2018-06-08 14:01:31 | 効率アップ
新規投稿に随分と時間が空いてしまいました。
申し訳ありません。

さて、ウエステックの整列治具には、
流し方向というのが有るというのを、
前回と前々回のブログで述べました。

さて、そこから更に一歩踏み込んで、
今回は回収方向、というのを説明します。

ウエステックの整列機は、起動すると、
あらかじめプログラムされた振動条件の
通りに動き(揺動と振動を繰り返し)、
部品を並べ終わった頃合いを見て停止し、
水平に戻ります。

下の絵を見て戴ければと思います。



並べる前は、回収パレット(大側)の方に
部品を投入しておきます。

整列機を起動させると振動テーブルが
揺動を繰り返し、部品は回収パレット(大)
→整列パレット→回収パレット(小)→
整列パレット→回収パレット(大)→
・・・という感じで往復を繰り返します。

最後に、並ばなかった部品は、回収パレット
(大側)の方に集められ、文字通り"回収"
されます。

回収パレット(小側)の方は、厳密に言うと
部品を回収するわけではなく、部品の流れの
折り返し地点のような役割を果たします。

今日は、通常通り回収パレットが大側も小側も
正しくセットされ、部品が滞りなく流れる状態が
確保されているのに、何故か整列率が悪い、
という現象の説明です。

部品そのものに原因が有る場合が多いですが、
部品自身に、整列穴に入りやすい向きと、
整列穴から出やすい向きが有ると、
整列率が落ちるという現象につながります。

一番わかりやすいのが、このような形状の
部品です。



前方後円墳のような形、つまり片側の端は丸く、
反対側の端は角張っている、という部品です。

整列穴の外周には面取り加工が施されていますが、
部品の丸い部分が、整列穴の丸い部分に当たると、
せり上がって来やすいからです。



かと言って、整列穴の両端を角張らせると、
部品が前後の区別無く入ってしまいますので
NGです。

ではどうするか?

この場合、整列機の往路の振動でのみ整列させ、
復路の振動では、未整列の部品を回収する事に
集中させる、という方法を取ります。

特に難しい事ではありません。整列パレットを
整列機にセットする方向を決めるだけです。

部品を回収パレット大側から小側に流す時は、
緩い振動で、部品の向きを選別せずに、
整列穴に入れてしまいます。

そして、部品を回収パレット小側から大側に
流す時は強い振動を与え、前後逆に入ろうと
している部品を整列穴から排出し、
同時に、未整列の部品を回収します。



整列機をこの向きに傾けた時は、
正しい向きに入っている部品だけが、
整列穴の中で安定していますので、
この一連の動作を繰り返す事で、
正しい向きに入っている部品が
徐々に増えて行き、最終的には全て並ぶ、
という訳です。

ところで、うっかり整列パレットを逆向きに
セットしてしまうと、つまり丸い側が
回収パレットの大側を向くようにセットすると、
正しい向きに入った部品も、綺麗サッパリ
整列穴から出て行ってしまいます。



この、部品を流す往路と復路で、振動のパターンを
変えるという方法は、別の形状の部品でも有効です。
例えばこんな部品です。



重なった部品が、そのまま居座り続けてしまう
現象に見舞われてしまう場合、今度は
重なった部品が排出されやすい向きに、
整列パレットをセットします。



すると、重なった部品だけを綺麗に排出する
事ができます。