映画に 乾杯! / 知の彷徨者(さまよいびと)

名作映画に描かれている人物、物語、事件、時代背景などについて思いをめぐらせ、社会史的な視点で考察します。

ヒッグス・ボゾンで何だ?  雑感・思索メモ 21

2012-07-05 21:10:27 | 自然科学

■■ヒッグス粒子と質量■■


 このニュウズに関していろいろな解説記事や情報を読んだが、門外漢なので理解できないことばかりだ。
 重力が作用している空間(重力空間)を量子的にとらえた場合…という「仮定」がそもそも禅問答のような響きではないか。
 重力空間の構造を量子からなる空間と仮定した場合、ということらしいが、では量子論的側面ではなく、別の思考・観測の方法があるというのか。

 ところで、英語で質量とは〈mass〉で、日本人が考えるような重さ=重量〈weight〉とは別の存在である。本来は「物量」とでも訳すべきことばだ。だが、訳し方そのものが量子論的である。物質を、さまざまな存在属性を集中的に具備する質点の集合からなるものと考える方法に沿っている。

 まあいいか。
 とにかく、そういう標準化されたモデル空間の仮説では、天体どうしが相互作用しあうような重力空間、私たちが生存するこの空間には、1立法センチメートルあたり1050個以上ものヒッグス・ボゾンが分布しているという。つまりは、それだけ小さくて、高密度で濃密に存在しているわけだ。
 縦横高さ1センチの1辺それぞれの方向に約10京個以上もの素粒子が並んでいるというわけだ。
 この分布について、ヒッグス粒子が流動ないしは運動しているのかどうかについては、ほとんど何の説明もされていない。
 私が勝手に考えるところでは、一般の解説では
 「ヒッグス空間(標準モデル化された重力空間)を物資(たとえば素粒子)が運動するときに、その運動速度を減殺する作用を持つヒッグス粒子がまとわりつく。このまとわりつき方の程度によって、運動速度を妨げる作用としての質量が決まる。つまり、重力空間での速度を妨げる「粘り気」となるのだ」となっているが、
 たとえば、銀河団や銀河団の集合としての宇宙空間が回転しているとすれば、そういう巨視的物体にまとわりついている粒子だって回転するだろう、と思うわけだ。

 けれども、では物質に重力を伝達する、あるいは重力の作用をもたらす「重力子」とヒッグス・ボゾンとの関係はどうなっているんだろう。重力伝達(作用)という見方をすれば、ヒッグス・ボゾンどうしは力を伝えあうような相互作用をするのだろうか。
 とすると、ブラックホールの内部や周囲では、ヒッグス・ボゾンはどのように存在しているのだろう。中心部に向かってこの粒子も凝縮していくのだろうか?

 「ビッグバンからわずかに時間をおいてから空間の構造が変異してヒッグス空間(そういうメカニズムが働く空間)が生まれた」というのだから、ブラックホールの「超高密度空間」ではこのボゾンはもはや意味がないのか?

 そもそも、量子理論は、物質のさまざまな属性を、そういう属性をもたらす素粒子(との相互作用)によって発生するものだと考えるらしい。
 たとえば、
・物質に形状や嵩を与える素粒子
・質量を発現させる素粒子(ヒッグス・ボゾン)
・電磁的作用を与える素粒子
などが考えられるという。

 では、一般の素粒子は体積も形状もない、重さもないただの点かい? しかも無限に小さい空箱で、むやみやたらと高速で飛びまわっている。
 飛び回っているといえば、ひょっとして「速度を与える素粒子」も仮定できたりして。あるいは、質量というような重力空間での運動を妨げる要因がなければ、素粒子はほぼ光速で飛び回ると考えられているのだから、「飛び回る無限小の空箱」こそ素粒子の意味だったりして。

 要するに、解説記事を読むと、それぞれがほかの要素を仮定=前提としているわけで、全体として訳がわからないのだよね。背景文脈の連関が読めないんだな。

 1読者として言わせてもらうと、解説記事を書く人自身が、量子論的な発想をこの重力空間でイメイジできるほどに理解していないのではなかろうか、ということなんだな。だから、私のようにイメイジしたがる者にはさっぱり理解できない解説記事ができあがるのだろう。


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