28日のIT Proの記事によると,WindowsVistaの次の世代のWindows「Windows 7」のスクリーンショットが流出し,Webページに掲載された.記事によると,これは古い開発バージョンの画面であり,現在開発中の画面とは異なる可能性がある.
ご存じの通り,WindowsVistaは売れ行きが芳しくなく,PCの新規購入においても,WindowsVistaではなく,WindowsXPのインストールされているPCを選択するユーザも多い.このためMSは,次期Windows「Windows 7」を来年にもリリースする可能性を示唆していた.
ちなみに,Windows7の内部構造は,「WindowsVista」及び「Windows Server 2008」と変わらない模様であるため,事実上Windows7はVistaの改良版とも言えるだろう.ただし,「Windows Server 2008」の持つ仮想化技術を搭載する可能性があり,そうなれば,過去のWindowsやLinux等のOSを,Windows7内で動かすことができる.Vistaの問題点の一つは,WindowsXPとの互換性の低さだったが,この仮想化技術を利用したWindowsXP完全互換機能を提供すれば,この問題はほとんど解決できる.
では具体的にWindows7のスクリーンショットを見ていこう.
最初のスクリーンショットを見てみると,基本的な画面構造は,LinuxのデスクトップマネジャであるKDEをかなり意識したものと言える.太めのタスクバーが存在し,サイドバーにあったガジェットがそのタスクバーにパネルとして存在している.各ウインドウのタイトルバーはやはり太くなり,メニューバーと一体化しているようにも見える.ただし他のスクリーンショットも見ると,これらの画面構成は,細かくカスタマイズできるようだ.
ご存じの通り,Linuxでは,compizに代表される3Dデスクトップが一般的となっており,その様々な視覚効果は,Windowsのデスクトップを遙かに超えている.今回のスクリーンショットでは,その3Dデスクトップ効果と見られるものがいくつかある.Windows7で,3Dデスクトップを大幅に採用するのは,ほぼ間違いないだろう.
さらに別のスクリーンショットに見られる,3D円環型に並んだアイコンは,マウスホイールで選択・決定するユーザーインタフェースなのかもしれない.
おもしろいことに,一部のスクリーンショットには,IE8ではなく,FireFoxの起動アイコンが見られる.しかも,そのスクリーンショットの画面構成が,LinuxのデスクトップマネジャXfce(OS X?)に似ていることから,もしかしたらLinuxデスクトップをカスタマイズして,Windows7のデスクトップを試作している可能性もあると思われる.
いずれにしてもこれらのスクリーンショットは古いものらしいので,実際のWindows7では大きく異なる可能性は高い.ポイントは
- 3Dデスクトップの大幅な採用
- 3Dユーザーインターフェースの採用
- サイドバーの廃止とパネルの採用
といったところであり,これらの方向性はほぼ変わらないものと思われる.
IEの標準規格準拠において,FireFoxに大きく遅れを取ったMSだが,デスクトップやOS(特に仮想化)においても,Linuxに追いつこうとしているように見える.MSは多くのユーザによって繁栄してきたが,その多くのユーザが互換性を求め,また,MSもそれにあぐらをかいてきた結果,MSから技術革新の気概は消えていったように思える.Yahoo!の吸収が失敗した今,IT巨人MSの凋落が始まったのかもしれない.