WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

続報:無償のOffice文書格納スペース:「Office Live Workspace」

2008-05-27 09:49:49 | Windows

 前の記事で速報した通り,マイクロソフトによるOffice文書の共有格納スペースサービス「Microsoft Office Live Workspace」は,現在ベータテスト状態に置かれており,まだ正式なサービス開始に至っていない.そのため5月27日現在のところ,いくつか不具合,もしくは,仕様を満たしていない部分があるようだ.今回は,本サービスを試用中に,それらに関して気がついた点を報告する.

★ バージョン管理機能の自動バージョン保存について

 本サービスには,自動的に文書の編集履歴を保存する便利な機能がある.この機能があれば,誤って文書を編集し,なおかつ,ワークスペースに保存した場合でも,以前の状態に復元できる可能性がある.

 ヘルプによると,この自動バージョン保存のタイミングは,

  1. ドキュメントが最後に編集されてから 12 時間が経過する
  2. ドキュメントを最後に修正した後に別のユーザーがドキュメントに変更を加えた場合

となっている.

 しかしながら,この自動バージョン保存機能の2)は機能しておらず,現在のところ,一番最初のバージョンのみを自動保存しているだけのようにみえる.1)に関しては,未確認.

Microsoft Office Live Update について

 本サービスのページの随所に,「PCにインストールされているMS-Officeアプリと,本サービスの統合を強化するためには,Microsoft Office Live Updateをインストールすべき」といった内容の文が埋め込まれている.

 ヘルプによると,この「統合強化」とは,

  1. Officeアプリと本サービスの連携を高速化
  2. Officeアプリの中から本サービスへ,直接アクセスする機能を追加
  3. 本サービス専用のツールバーを追加(Office XP/2003のみ)
  4. 本サービス専用メニュー項目をOfficeメニューに追加(Office 2007のみ)

となっている.

 Microsoft Office Live Updateの最新バージョンは,現在のところ,バージョン1.1だが,私の「WindowsVista SP1+Office XP SP3」の環境において,この更新のインストールを試みたところ,以下のソフトのインストールが自動ダウンロードされた.

  1. Office 2007更新プログラム(KB941637)
  2. Windows Vista更新プログラム(KB948531)
  3. Windows Live サインイン アシスタント

  上記の更新プログラムの詳細を見ると,機能追加のプログラムではなく,文字通り,更新のためのプログラムのように見える.また,1)のように,OfficeXPには不要と思われる更新も存在する.実際に,これらのプログラムのインストールを開始すると,私の環境では,1)の段階でインストールに失敗し,三つともインストールには至らなかった.

 Microsoft Office Live Updateが,PCにインストールされているMS-Officeのバージョンを正しく認識できていない可能性がありそうだ.

 ただ,この更新をインストールしなくても,ツールバーはないものの,OfficeXPからワークスペース内の文書を開いたり(ワークスペースページから開くか,文書のURL指定で開く),開いた文書をワークスペースに保存することは可能だ.また別環境「WindowsXP SP2+Office2003 SP3」において,この更新をインストールしようとしたケースでは,Windows Live サインイン アシスタントのみのインストールが試みられたが,やはりインストールできず失敗している.こちらのケースでも,Office2003によるワークスペースの直接利用は可能だった.

 このような仕様との食い違いや不具合は,まだ存在する可能性がある.引き続き,検証を行っていく予定