WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

ノートPCの3D能力アップグレードが可能に

2005-02-24 00:34:55 | 自作PC
 最近のPC購入予定者は,ノートパソコンを選択する場合が多いようだ.ノートパソコンが選択される理由として,まず省スペースが理由としてあげられるのは当然だ.また,モバイル仕様のノートパソコンでなくても,3kg程度の重さのノートパソコンであれば,不要時には移動して片づけることもできる.PCIスロットのような内蔵型の拡張はできないものの,PCカードスロットやUSB2.0を使用すれば,周辺機器の使用について,それほど不自由することもない.以前は苦手とされてきた3Dゲームについても,TFT液晶の応答速度の向上と MOBILITY RADEON などのノート向けの3Dチップの登場で,ある程度の3Dゲームもプレイ可能となってきた.

 しかしノートパソコンにはいくつかの弱点も存在する.例えば,液晶パネルが十分使える状態であっても,CPUやマザーボードが時代遅れになると,そのまま丸ごと放棄しなければならない場合がある.タワー型のデスクトップPCであれば,CPUやマザーボードを交換し,時代の流れにある程度追随することは可能だろう.特にビデオカードの交換は,タワー型では内蔵カードと同じ扱いであり,非常に簡単に3D能力を上げることができる.

 機種毎に異なるノートPCのマザーボードの交換は不可能であるとしても,せめてCPUの交換やビデオカードの交換は,ノートPCであっても可能ではないかと考えるユーザーも多いと思う.残念ながら実際のノートPCのCPUは,ソケットではなく,マザーに直づけされている場合も多く,交換はかなり難しい.またビデオ機能については,チップセットに内蔵されていたり,やはりビデオチップがマザーに直づけされていたりするために,交換は不可能だった.

 しかしこれからはノートPCにおいても,3D能力のアップグレードが可能になるかもしれない.nVidiaの「MXM(Mobile pci-eXpress Module)」規格がそれだ.MXM規格はPCI Expressベースのビデオインターフェイスで,この規格に準拠すれば,ノートPCでもビデオカード(MXMカード)を交換できるという,いわば「ノートPCのPCIexpress x16」的規格だ.

 22日にAOpenがAlviso(915PM)チップセット搭載ノートベアボーンにMXM規格を採用するとのニュースリリースが発表された.この規格が今後すべてのノートPCに普及するかは現時点では不明だ.またこの規格に対抗して,nVidiaのライバル会社であるATIは,AXIOM(Advanced eXpress I/O Module)という同様の規格を推進しており,両社の新たな戦いに発展しそうな気配だが,MXM規格のベアボーンの登場により,MXMが一歩リードしている形となった.

 どちらの規格が採用されるかは現時点でははっきり言えないが,MXMはオープンな規格なので,ATIが最終的にこの規格に対応する可能性もある.ノートPCでも,3D能力のアップグレードができるようになる日も近いようだ.