無線LANの規格と言えば,現在,802.11a,802.11b,802.11gの3つの規格があることは,既にご存じの通りだ.これらの規格にはそれぞれ長所と短所がある.そのため最近の無線LANアダプタには,11b/11gの2規格対応,あるいは11a/11b/11gの3規格すべてに対応したアダプタもある.さらに細かいことを言えば,同じ無線LAN規格対応製品でも,使用している無線LANのチップの種類や世代により,性能が異なる場合があるので,無線LAN製品を購入する際には,できれば使用されているチップについて確認したいところだ.
最近特に,これら無線LAN規格において注目されるのは,それぞれの規格のバリエーションだ.例えばAtheros社の無線LANチップでは,「AtherosXR(電波の飛距離を2倍にする)」や「SuperAG(11a,11gにおいて通信速度を高速化する)」という機能が,この3つの無線LAN規格内で使用出来る.またAirgo Networks社の「MIMO」という新技術では,複数のアンテナを使用することにより,最大2倍の通信速度を得ることができる.
このように現在の無線LAN製品は,無線LANの3つの規格に,それぞれの無線LAN製品メーカーのオリジナルの技術を付加されている場合が多い.ただし,これらの「オリジナル技術」には問題がある.例えば,SuperAGの場合,無線LANアダプタがこの規格に対応していても,通信相手の無線LANアクセスポイントもSuperAGに対応していなければ,通信速度は高速化されない.またMIMOにおいても,Airgo Networks社の採用しているSpatial Multiplexing方式では,やはり無線LANアダプタと無線LANアクセスポイントの双方がこの規格に対応していなければ,大幅な通信速度向上は望めない(注:但し,MIMO対応製品は従来品よりも受信感度はよいので,通信は安定するらしい).つまりこれらの「オリジナル技術」の恩恵を被るためには,単純に無線LANの規格が,双方で合致しているだけでなく,「オリジナル技術」も双方でサポートしている必要があるため,無線LAN製品購入時には,より細かい双方のスペックチェックが必要となるわけだが,これは確かに不便だ.
そこで登場するのが,新無線LAN規格802.11nだ.この規格は,上記のMIMOをベースにした規格で,通信速度としては100~540Mbpsが期待されている.3月3日,その802.11nの最新動向に関するニュースが入った.それによると,802.11n規格は現在,2つの規格案のどちらを採用するかについて投票が行われている状況のようだ.ただし,2005年7月にはどちらかの案を採用した「ドラフト1.0」が策定される.その後細かい修正が順次なされ,最終的に規格として確定されるのは,2007年3月となるようだ.
ただし,11g規格の時のように,ドラフト1.0が決定された時点で,801.11nドラフト1.0対応の無線LAN製品が発売されるはずだ.とりあえず,無線LANアダプタと無線LANアクセスポイントが,この802.11nドラフト1.0に対応しているだけで,細かいことは気にせず高速な無線LAN通信が可能となる.しかも「オリジナル技術」ではなく,標準規格なので,様々な無線LANチップがこの規格に対応していくのは間違いなく,将来的にも安心だ.おそらくドラフトがバージョンアップしたり,802.11n規格が確定した時点で,メーカー側よりそれに対応したファームがリリースされ,機能や互換性も向上すると思われる.ただちょっと気になる事は,上記記事中の『ドラフト1.0ベースの製品では、最終的な802.11nには対応できない可能性がある』という点だ.802.11nドラフト1.0規格と,802.11n規格は,別物であるという割り切りも最終的局面では必要になるかもしれない.
最近特に,これら無線LAN規格において注目されるのは,それぞれの規格のバリエーションだ.例えばAtheros社の無線LANチップでは,「AtherosXR(電波の飛距離を2倍にする)」や「SuperAG(11a,11gにおいて通信速度を高速化する)」という機能が,この3つの無線LAN規格内で使用出来る.またAirgo Networks社の「MIMO」という新技術では,複数のアンテナを使用することにより,最大2倍の通信速度を得ることができる.
このように現在の無線LAN製品は,無線LANの3つの規格に,それぞれの無線LAN製品メーカーのオリジナルの技術を付加されている場合が多い.ただし,これらの「オリジナル技術」には問題がある.例えば,SuperAGの場合,無線LANアダプタがこの規格に対応していても,通信相手の無線LANアクセスポイントもSuperAGに対応していなければ,通信速度は高速化されない.またMIMOにおいても,Airgo Networks社の採用しているSpatial Multiplexing方式では,やはり無線LANアダプタと無線LANアクセスポイントの双方がこの規格に対応していなければ,大幅な通信速度向上は望めない(注:但し,MIMO対応製品は従来品よりも受信感度はよいので,通信は安定するらしい).つまりこれらの「オリジナル技術」の恩恵を被るためには,単純に無線LANの規格が,双方で合致しているだけでなく,「オリジナル技術」も双方でサポートしている必要があるため,無線LAN製品購入時には,より細かい双方のスペックチェックが必要となるわけだが,これは確かに不便だ.
そこで登場するのが,新無線LAN規格802.11nだ.この規格は,上記のMIMOをベースにした規格で,通信速度としては100~540Mbpsが期待されている.3月3日,その802.11nの最新動向に関するニュースが入った.それによると,802.11n規格は現在,2つの規格案のどちらを採用するかについて投票が行われている状況のようだ.ただし,2005年7月にはどちらかの案を採用した「ドラフト1.0」が策定される.その後細かい修正が順次なされ,最終的に規格として確定されるのは,2007年3月となるようだ.
ただし,11g規格の時のように,ドラフト1.0が決定された時点で,801.11nドラフト1.0対応の無線LAN製品が発売されるはずだ.とりあえず,無線LANアダプタと無線LANアクセスポイントが,この802.11nドラフト1.0に対応しているだけで,細かいことは気にせず高速な無線LAN通信が可能となる.しかも「オリジナル技術」ではなく,標準規格なので,様々な無線LANチップがこの規格に対応していくのは間違いなく,将来的にも安心だ.おそらくドラフトがバージョンアップしたり,802.11n規格が確定した時点で,メーカー側よりそれに対応したファームがリリースされ,機能や互換性も向上すると思われる.ただちょっと気になる事は,上記記事中の『ドラフト1.0ベースの製品では、最終的な802.11nには対応できない可能性がある』という点だ.802.11nドラフト1.0規格と,802.11n規格は,別物であるという割り切りも最終的局面では必要になるかもしれない.