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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

万引き間違い自殺は、学校を叩いて終わりでは無い

2016-03-13 21:00:11 | ニュース
事件は報道されている通り、学校側が事なかれ主義の隠蔽体質であり、事の重大性からも徹底した真相究明がなされるべきである。しかし問題はそこではない。やってもいない万引きが自分の記録に残っていて学校側がそれを理由に推薦を断ったなら、何故その非を「親に言わないのか」、である。私は自殺した少年を非難するつもりは毛頭ないし、その両親を責める気持ちも全くない。ただこの自殺の奥にある「深い闇」にこそ、自殺問題を根本から解決するカギが潜んでいると思うのである。

中学生といえばもう自分の考えを持っている。親と考え方が違っている事に気がつき、反抗的になるティーンエイジャーの始まりである。だが学校側が間違っているなら親の力でその間違いを正そうとしなかったのか、あるいは他の何でもいい、誰かの力を借りてキチンと「万引き犯では無い」ことを勝ち取ろうとしなかったのか。本人の気持ちは、昔の人間である私達には分かりそうも無い。

これを解決するには、同じ中学生に聞かなければわからないであろう。同年代であれば、彼の本当のきもちを分かる人がいるかも知れない。根気よくヒアリングを続けることから始めるべきである。いじめの問題がニュースで取り上げられて何年にもなるが、なかなか原因がつかめないのは、大人の論理で理解「したつもり」になってる事が障害になってるのじゃないかと思う。結論を出すのに性急なあまり、学校の指導や管理体制に問題があるとしたり、個人攻撃に走ったりしても問題の解決にはならない。

今の学校・先生の側に問題が無いわけではなく、体罰の問題・昇進の問題・残業の問題・ミスを許さない環境・安全第一が最優先の風潮・年金の仕組・何事もなく卒業してくれればいいと言う事なかれ主義・進学の過度な競争、数え上げれば全て「親の期待の裏返し」である。親は学校に何を期待しているのか。自分の子供に何を期待しているのか。私は、期待と現実とのギャップに押しつぶされた中学生、という図式を思わざるを得なかった。これは同年代の中学生のヒアリング結果とは、食い違っているかも知れない。安易な思い込みはむしろ、真実を覆い隠してしまう危険がある。

既に何冊もいじめの問題をテーマにした本が出版され、それなりの注目を浴びているが問題を解決するには至ってない。政府の取り組みや学校の改革が、イジメ問題の「真の闇」を解明していないからであろう。中学生と言ってもまだまだ子供、親の庇護から社会の中へ放り出される時、上手く「巣だちできない」子供がいるのは当然かも知れない。

自殺しそうになるほど追い込まれた経験からなんとか抜け出して生き残った人の意見にこそ、この問題の本当の答えが見えてくるんじゃないか。イジメと自殺の問題は、実は日本社会全体を覆う「不気味な黒い雲のような心のねじれ」を表しているように思えてならない。

追伸 : ニュースで「先生に言ってもどうせ聞いてくれない」と保護者にもらしてたということだった。まさか自殺するとは思わなかったのだろう、保護者のその後の対応は不明だ。しかし「どうせ言っても」というのは、聞いていて暗澹とする。何とかならなかったのかというのは意味がない。お互いの意思疎通が足りなかった、そういうことだろう。それでも、当事者でなければわからないことだと片付けてはいけない気がする。後悔は 後から悔やむ 字の通り。

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