神戸在住、恋するスタジオ・フォトグラファー、ときどきドキドキ、ホンニョホニョン日記!

元銀塩・スタジオ・フォトグラファーである吾輩が日々、感じ、考え、体験したことをのんびり書き連ねていく日記形式のブログ。

DVDで「人間失格」

2010年08月11日 08時45分22秒 | Weblog
楽しみにしていた「人間失格」のDVDを見ました。
原作にストーリー展開は
割と忠実に再現しているとは思いますが、
内面世界の描写が
少し中途半端だと思いました。
(もちろん、難しいのはわかっていますが、)

原作の
主人公は
子供時代から
相手に神経症なほど
相手に理不尽に合わせてしまう
過剰適応症。
幼少の主人公は
孤独の世界に沈潜するのではなく、
道化師の役を選びました。
ですから、
体操の授業で
わざとミスをしたことで
教室中の哄笑を得たとき、
それが
わざとだったことを見破った、
知恵おくれのような
同窓生に
びくびくします。

ストーリーとしては、
そこは大切だったと思うのです。
主人公が
IQゲームと演技力で
家族をも欺き、
緻密に積み上げてきた城壁が
「わざ、わざ・・・。」
との一言で崩壊の危機を迎えたのです。
それも
知的世界とはかけ離れた、
同級生からの一言で・・・。

ですから、
主人公は
その少年を懐柔しようと
耳かきをしながら、
様子を探ったりするのです。
その途中で彼から、
女難の未来を告げらたりします。

そこらへんのことを
丁寧に描けば、
その後の展開は
変わったような気がします。
そういう風な心理描写を
映像化するのは難しいでしょう。
しかし、
文字を入れてもいいし、
不安を募るBGMでも、
画面を揺らしたり、
ズームで引いたり、押したり、
映画らしい表現が
できたと思うのです。

そして次に思うのが、
主人公が
だんだん
人格破壊していく過程を
表現するためには、
登場人物を
一人くらい減らしても
よかったのでは?
と思いました。

それにしても
生田君では
どことなくヘルシーな感じが
しました。
ですから、
人格崩壊の表現が
甘かったように思います。

でも、
映画でひとつだけ
わかったのは、
当時のカフェは
キャバレーのようなところだったのですね。
これは参考になりました。

あと、中原中也の登場。
これは
かなりの冒険だったでしょうね。
でも、
岡田君がそのままで
中原中也の映画を作れる!
って、思いました。
伝説のあの
三角関係を
描いてほしいと
思いました。


コメント
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