断章、特に経済的なテーマ

暇つぶしに、徒然思うこと。
あと、書き癖をつけようということで。
とりあえず、日銀で公表されている資料を題材に。

MMT の話 昨日の続き

2015-03-12 20:23:05 | 欧米の国家貨幣論の潮流
思ったけれど、
おいらのブログって何がよくないかって、
やたら、冗長ことだよな。。。。
もうちょっと短く書くように心がけないと。。。
(そうはいっても、酒がはいっているとなあ。。。)

で、もう一つ書き忘れた(ごめんなさい!!)。
サウジアラビアのような産油国について、
こうした国の中には無税国家があるわけだけれど、
これはどうなんだ、という話。

これも、おいらの書き方が悪くて、
実は産油国の無税国家なんてのは
MMTが租税貨幣観を説明するうえで
しばしば好んで取り上げる例なんですよね。。。。
誤解を与えてしまって、申し訳なかったんだけど、、
実は、無税国家の方が簡単に租税貨幣観を
説明できたりするんですよ。。。
無税国家の方が租税貨幣論を説明しやすいって、
どういうこっちゃ? ってことになっちゃうが。。。


MMTが「租税」というとき
何も文字通り、今日の主権国家システムに典型的にみられるような
政府貨幣による納税だけを指しているわけではない。
このあたり、話が2段階になっていて、

ほとんどの貨幣制度は、その前提として
政府・支配者がが指定した「租税(年貢や
地代、金利、手数料、専売収入、
罰金、こうしたものが
未分化であるケースが多く、MMTが言っているのは
これらを包括した概念)」を必要とする、

という議論と、

今日の貨幣制度(債務ヒエラルキーの頂点に
政府のIOUがある)が充分に発展するためには
貨幣(政府のIOU) 納税(地代・利息))が必要である

という議論とは、区別して考えなきゃならない。
だから、確かに多くの先進工業国といわれる地域では
後者のような発展パターンが大きくみられ、
それゆえ、国民の国家に対する負債一般を
「租税」という言葉で包括的に表現しているわけだが
(このあたりのヨーロッパ中心史観を批判したいと
思う方は、ぜひ大いに批判してください。
その件については、あたしゃノーコメントじゃ)、
しかし問題は、国民が政府に対して、それを履行しなければ
経済活動から排除されるような負債を負い、
それを償還するために政府債務が必要だ、ということで、
そういう条件が整った体制があるなら、
近代的な「租税制度」がなくても
基本的にはMMTの議論は、
何一つ修正されることなく、そのまま
あてはめられる。


産油国の場合、
まずは政府(国王)が発行する貨幣(これは
政府=国王の負債)によって、労務者に賃金が支払われる。
こうして生産された原油・石油が、国王・政府企業によって
独占的に輸出され、
外貨が手に入る。そして、この外貨で
海外から消費財や国内実物投資用の現物資材などが
購入される。そしてこうしたものが独占的国営企業を通じて
国内の卸売業者や小売業者に供給される。
(輸入業者自体は、国営でなくても
外国為替を国営銀行から借入れる必要がある。)
こうしたものが国内で販売されることを通じて
政府貨幣は回収される。(勿論、実際に決済手段として
流通しているのが、紙幣や鋳貨といった文字通り
政府貨幣なのか、銀行預金や手形やビットコインといった
民間貨幣なのかは、前回書いた通りで、別問題。)
だから、
サウジアラビアにしてもブルネイにしても、
いいことか悪いことかはともかく、
天然資源採掘の他は、国内で内生的な工業事業(あるいは
資本制的な集約的農業)は
限られた範囲でしか成立していない。MMTの理論に即して言えば、
租税がなくても、国民の経済活動に必要不可欠で十分な需要のある
何らかの経済資源を一つか二つ、政府が専売にすれば充分なわけで、
そういう意味では国内の近代産業が未発達であることが
無税国家の条件、というわけでも何でもないが、、現実に
国内産業が未発達で多くの資材を輸入に頼っている、
ということによって、より分かりやすい
図式になっている。
政府が産油部門(輸出財部門)で国民を雇用する際、
賃金支払いのため政府貨幣が供給=創造され、
輸入品が国民に販売されるとき、政府貨幣が回収=破壊される。
国民は消費財や投資財(輸入品)を購入するとき
政府系の企業から購入をするわけだけれど、
対価として政府のIOUを企業に譲渡する。つまり、
両者の負債が相殺される。
これはむしろ、MMTの非常にわかりやすい例だ――
ある意味では、先進工業国よりすっきりしているので、
好んで用いられるんだけれど、おいらが
「租税」という言葉を注釈なしに使ってしまったがため、
結果的に、変な誤解を与えることになってしまった――。

まあ、いずれにせよ、強制力を伴う租税や地代であろうと
それなくして経済活動を成り立たせることができない資材の
独占的供給であろうと、
要するに、国家の発行したIOUを国民が直接・間接に
入手しなければ国内で経済活動ができなくなるような構造があれば
MMTの議論は成立する。租税を徴収する警察力・軍事力であろうと
必要な商品を排他的に独占する力であろうと、
こうした強制力なくして、貨幣システムというものは
生成しえない――と、いうのがMMTの議論です。

書き方が悪くて、せっかく読んでくれた人に
不必要な誤解を与えることになってしまいまして
申し訳ありませんでした。

と、いうわけで、今日は短く。


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