≪子どもを分けてはいけない4つの理由≫
「この子を普通学級に入れたいと思うんだけど、どう思いますか?」
初めて、そう聞かれたのはもう二十年以上前のことです。
「病院の先生は、普通学級がいいって言うんだけど…」
私は学生のころ、大学近くの幼児教室でアルバイトをしていて、
その子に出会いました。
そのクラスで過ごした1年間は、
私にとって本当に楽しい時間でした。
私自身の保育園の記憶は、廊下に立たされていた記憶や、
トイレの前で怒られている記憶しかありませんでした。
私の記憶の中では、保育園の先生はいつも怒っているだけでした。
そして、記憶の中の、その先生はいつも顔がありませんでした。
だから、本当に子ども好きな二人の先生と、
30人の子どもたちと過ごしたその一年間は、
私のなかでは、自分の子ども時代をやり直すことができた
一年だったのです。
その中に、偶然、「障害」のある、その子がいたのでした。
「うん、普通学級がいいと思うよ」
私は迷わずそう答えたと思います。
どんな話をしたのかは覚えていませんが、
その時、私が握りしめていた本は、石川憲彦さんの本でした。
お母さんは言いました。
「この子の病院の先生も、石川先生って言うのよ」
(・。・)
そうして、私は石川先生に出会うことができました。
康治に出会い、伊部さんに出会い、
北村小夜さんに出会うことができました。
いま、就学相談会で、私が必ず話しているのは、
北村小夜さんの「子どもを分けてはいけない4つの理由」です。
≪子どもを分けてはいけない4つの理由≫
1・≪子ども本人が分けられたがっていない。≫
「子どもというのは、もともと分けたがっても、
分けられたがってもいないのです。
大人が余計な事を言わなければね。」
2・≪分けたところでできることには限りがある。≫
「分けられた場所、障害児のための場所では
できることが限られてきます。
今、養護学校や特殊学級で素敵な実践をしている方は
沢山いらっしゃいます。
ですけど、私から言えば、
それを普通学級のみんなの中でやれば
もっと値打ちがあるのになと思います。
養護学校や特殊学級の先生には、
是非そこを目指してもらいたいと思っています。」
3・≪将来にわたって地域で普通の生活をすることが難しくなる。≫
「学校教育を終えた後、その方がずっと人生長いわけです。」
「将来にわたって地域で過ごすとすれば、
そのときに、普通の学校生活をしてこないと、
非常に不便だということ。」
「普通の暮らしをしていないと、
普通の暮らしは身につきませんから。」
「地域で暮らすには、
地域の暮らしの場数を踏んでいないと駄目ですよね。」
4・≪分けた側の不幸ははかり知れない。≫
「これが一番大きいのではないでしょうか?
障害児に会うことなく、学校生活を送ってしまった健常児と
言われる子どもの側の不幸が非常に大きいんじゃないでしょうか。」
「障害児に出会わないで学校生活を終えた人、
親になって初めて障害児と出会ったという人もいて、
ご苦労なさった方もおありですよね。」
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媛
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