hiroさんのその後を、ここで報告するのを、すっかりすっかり忘れてました(@_@;)
8月のワニなつキャンプにも親子6人で参加してくれて、その後、メールでやり取りすることが多くなりました。Hiroさんが、いま考えること、いま感じること、その「いま」は、私には伝えられないことなので、できるだけブログで紹介したいと思っています。
でもね、障害のある子どもの「問題」とは、親の人生の人と人とのつながりの「問題」であるわけだから、言葉にできないこともあります。まして、こういう場では。でも、それでも、やはり、「個人的」なことこそが、子どもの就学やその後の希望につながる、大切な「情報」であり、「希望」なのだと、私は思います。
そんな訳で(>_<)、ワニなつ最新号の原稿をお届けします!
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『就学時健診』は、受けません
四人姉妹の三女、ダウン症の娘の就学。私の場合、「障害があっても普通学級へ就学できる」、という情報が足りない訳ではありませんでした。
以前の住まいがあった地域の親の会では、①発達が良い ②校長の受入れが良い ③親が付添う、のいずれかで普通学級に就学しているようでした。では、校長の受入れが悪く、親が付添えず、発達…の場合は? またなぜ、普通学級に就学したほとんどの子ども達が、3年生前後を境に、申し合わせたように支援学級へ転級、転校していくのか?その答えを見つけられずにいました。
それは、「わからないのは可哀想」という、私の歪んだ価値観を親の愛と思い込み、保育園・幼稚園を終えた後も、「ありのまま、あたりまえにみんなの中で」は変わらないのだ、と気づけずにいたからでした。
そんな一歩が踏み出せずにいる中で、思い起こされたこと……。
たとえば、長女が三年生の時。帰宅するなり慌てた口調で、担任に「ゆっくり教えてくれるグループにいってみる?」と言われたと話し出しました。聞けば、算数は少人数制で、三年になって始まった割り算が難しいとの話で、「ゆっくり教えてもらえるなら、良いんじゃない?」と応えると、「そっちはできない方のグループだからっ。Mはいつも、そっちゃじゃないんだもんっ」と半べそ。能力で分けることは、どんな根拠を以てしても、子ども達の心を傷つけている現実を知らされたこと。
たとえば、次女が一年生の時。小学生になることをとても楽しみに、はりきって通い始め一か月経ち、学校に足が向かなくなりました。
「○○ができない。△△が遅い。勉強がわからない…。…先生には、何もほんとうのことが言えない。幼稚園にもどりたい」、と言って毎日泣きました。
できないこと、遅いことはダメなこと、わからないことが恥ずかしいこと…、そうした視線や言葉が、学校中に苦しい空気を充満させていると感じ、『そうじゃないよ』と伝えたい、と焦った気持ち。
そして、今年9月に行われた小学校の運動会。3年生である次女の友達に、声をかけられました。
「ちぃちゃん来年一年生だねぇ。ひまわり?」
「ううん・・・」と私。
「じゃあ、ふつうだね」
「普通と、ひまわり」とは、先生は口にしないでしょう。けれど、子ども達は分けられていることの意味を感じとり、無邪気な胸の内に、ねじれた感覚を持ち育っていくことを悲しく思いました。
『子どもを選ばないことを選ぶ』
これは、娘が生まれて間もなく手にした本のタイトルです。内容は、「いのちの現場から出生前診断を問う」、という副題の通り。4人と天国の2人で6人…授かったありのままの命。選ぶことなく迎えた命たち。いま、普通学級への就学を前にして、もう一度この言葉に帰れたような気持ちでいます。それは、「子どものために」、と一方的な親の想いを貫くことではなく、すべての子ども達が、ありのままの姿で尊重され、愛されたい…と願っていることに気づくこと、「子どもと共に」歩いて行くことでした。
だから、何ができてもできなくても、ありのまま、あたりまえに、みんなと一緒に「普通学級」に行きます。知識では決して補うことのできないものを、言葉を超えて伝えあい、感じあうために。二度と戻らない一緒の時間の中で、どの子もありのまま、みんなの中で大きくなれますように、と願って。
だから、子どもを選り分ける目的をもつ『就学時健診』は、受けません。9月下旬、子どもと共にあるこの願いを伝えるために、mayumiさん、kumikoさん、yoさんにご一緒して頂き、町教委に「就学に関する」申入れ書を提出してきました。
遠回りしましたが、本当に大切なものはシンプルで、どの子にとっても、どこへ行っても同じであると、ワニなつのみなさんのおかげで気づくことができたことに、心から感謝しています。
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