普通高校に絶対に入れない子を作り出すための計画(その1)
高校の再編計画とか、計画進学率(進学率の推測値)と
言われている、「計画」とは、
「普通高校に絶対に入れない子を作り出すための計画」でした。
「普通高校に絶対に入れない子を作り出すための数字」が、
「計画された定員」です。
毎年、翌年の中学卒業生の数を把握し、
その中から、絶対に「高校生」にはなれない「人数」を
計画(推測)し、準備しているのが、「教育委員会」です。
これは、義務教育が終了した子どもたちのうち、
1%弱の子どもを「捨てる」大義名分作りであり、
その一部の子どもに対する「社会的な支援・教育」を
与えない「仕組み」を作ることになっています。
もともと「選抜」とは、定員より希望者が多い為に、
「やむを得ず」実施されたものでした。
「選抜」なのだから、落とされる者がいるのは
仕方ないことだったのでしょう。
しかし「選抜」が、同世代の子どもの90%を超えてからは、
それは「一部の子ども」の排除のための
「選抜」でしかなくなりました。
さらに、子どもの数が減り始めて、
「選抜」などしなくても、すべての子どもに
「後期中等教育」を保障できる機会が訪れたのに、
それでもなお、この国の教育委員会は、
「普通高校に絶対に入れない子を作り出すための計画」を
やめませんでした。
しかも、養護学校の高等部が「希望者全入」を
進めてきたあたりから、ますます「排除」の形は見えなくなり、
非道になってきました。
それは、高校に入れない生徒がいる、ということを
社会が「知っていて」無視していた時代から、
「高校に入れない生徒」を計画的に作り出しておきながら、
社会の誰もが、それを「知らない」「見えない」社会に
なっていたからです。
その上、不登校の子どもたちをきっかけに作られた「三部制高校」、
「中高一貫教育」そして、「特別支援教育」さらには、
「高校の授業料無償化」、
これらは、どれもバラバラに進められてきたように見えます。
しかし、1%弱の「捨てられる子ども」「見放される子ども」、
「社会が支援しない子ども」は「同じ子どもたち」です。
教育委員会と高校が、「邪魔にし、見放し、自業自得だと、
社会から切り捨てているのは、「同じ子ども」です。
それが、「障害」のある子どもであり、
「養護施設」の子どもであり、
「生活保護家庭」の子どもたちであり、
いわゆる「非行」とみられる茶髪や服装といった外見で
判断される子どもたちでした。
その一方で、ほとんどすべての国民が、
「いまどき、高校くらい、誰でも入れる」と、思っています。
いわゆる「底辺校」や「定時制高校」にも入れない子どもがいる、
などとは誰も思っていません。
しかし、「定員内不合格」(足切り)を、誰もが知っています。
「誰でも行ける」と「定員内不合格」は矛盾しているのですが、
誰もそれを「矛盾」とは思っていません。
朝日の新聞記者も、『定時制、定員超過で不合格者急増』
という記事を書きながら、「定員内不合格」には、
「なんの疑問」も感じないようです。
本来、こうした「問題」に、敏感であるべき新聞記者ですら、
何にも疑問に思わないのですから、
ほとんどの国民が知らないのは当たり前かもしれません。
「定員内不合格」になるような生徒は、
そもそも、高校生になる資格がないと、
みんな信じているのです。
ここまできて、なお「普通高校に絶対に入れない子を
作り出すための計画」を、大の大人たちが
膨大な予算を使いながら続けるのは、なぜでしょうか。
私には、それが「普通高校に絶対に入れない子」への憎しみ、
「定員内でも不合格にする子ども」への
憎しみとしか感じられません。
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yo
2011年3月7日
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