いるだけでいい 2022
この子が、この子の子ども時代に、子どもでいられるように。
この子の願いに拠って立つ。
そこがまだ「真のインクルーシブ教育」でないとしても。
そこにまだ「真の合理的配慮」が足りないとしても。
いまこの子の子どもの時間に向き合う。
支援の対象としての子どもでなく。
教育の対象としての子どもでなく。
いるだけでいい。
何もできなくていい。
ただ、この子の子ども時代に、この子が「子どもでいるだけ」でいい。
何かを目指したり、習得したり、向上したり、しなくていい。
子どもとしての安全が守られ、仲間とのつながりが守られるなかで。
この子がこの子でいるだけでいい。
たとえ願いが叶わないときにも。
人が生まれながらに持っている「相手にされ理解されていると感じる」能力によって、
自分に何が起きたのかをこの子が納得しながら生きられるように。
この子の願いに拠って立つ。