ようこそ 2020就学相談会へ(その7)
《「耐性の窓」を育てる》
「ようこそ就学相談会へ」で伝えたいことは、「耐性の窓」を育てることだった。
問題や刺激に「対処する能力」を高めることについてだった。
この能力は、「より健全な自己調整」と、「より大きな安全感覚」を手に入れることで、飛躍的に高まるという。
そして、「同時に、生き延びるための生理学的反応を稼働させないで、調整の範囲内に留まっていられるようになる」のだと。
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それを聞いて腑に落ちる。
やっぱり、それなら、障害のあるなしでなく、すべての子どもに必要なこと。
障害の特性のように語られている「パニック」といわれる状態は、ただ「先を見通す経験の少ない子どもが、せいいっぱい生き延びるため、「生理学的反応」を稼働させている姿に過ぎない。
だから、「大丈夫」の体験をくり返せば、「調整の範囲内に留まる」ことが増えてくる。
□
家の中や、家族と一緒のときには「しない」ことを、学校では「ふつうにする」ことが増えていくことは、「ふつう学級の不思議」の一つとして語られてきた。
つまり、障害の特性というよりは、「未経験」で「未熟」で「見通しがつかない」だけだった。
それは、障害の特性じゃなく、ただの「子どもの特性」だった。
そういうふうに子どもを信頼すること。子どもの自己調整の能力を信頼することが大切なことだったのだ。
そのために、一年生の初めに、子どもが「自分で、自分が」「ここにいる」という感覚を持てるように、大人の側が調整する力が求められてきた。それは、担任であれ、介助者であれ同じこと。
子どもが自分を落ち着かせるために、自分で動くこと。
「縛られている」と感じさせないように、でも「わたし・たち」を感じるための工夫を提供し続けること。
ふつう学級とは、自分の体を使い、協働調整を共有する仲間と出会い。人生において自分の場所を確保する経験なのだから。
□
こんな言葉も思い出す。
【主体感覚、つまり自分がどのぐらい主導権を握っているのかという感覚は、自分と体やそのリズムとの関係できまる。
覚醒や睡眠、あるいは食べ方、座り方、歩き方といったことが日々の輪郭を定める。
自分自身の声を見つけるためには、体の中にいる必要がある。
深呼吸ができて、内部感覚がつかめる状態だ。】(※552)
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