ふつう学級の介助を考えるためのメモ (006)
《怖れから自由になる介助2》
学校の中で子どもの介助をするには、まず「障害」をみるのではなく、その子の「セルフ」に耳を傾けねばらない。
「介助の必要な子ども」とみる前に、その子の命がもともと「できていること」をみる。
「息ができる」「クラスの一員として堂々とここにいることができる」「親に愛されて大切に育てられて、ここにいる」ことが、「できているから、ここに、いる」。
その子の「できないこと」「必要な支援は?」とみる前に、その子の「できることは何か」「残されてある力」を聞き取るのが先だ。
「やってあげる」「手をかすこと」はその次である。
好きなものは何か。苦手なことは何か。
問い続ける「相互行為」の中から、その子のセルフが見えてくる。
その子が「油断してくれる関係」のなかに、自然に手をかすこと、相互行為としての「介助」が生まれる。
介助とは、する側とされる側の「孤立した能力」の、貸し借りではない。
お互いのセルフを尊重する人間関係のなかで発揮される能力によって、成立するものだ。
だから、介助する相手の理解は、介助行為を順調に行うための方法であるだけでなく、お互いのセルフを尊重し合うことであり、共に生きている喜びそのものである。
怖れなくていい。
介助されることを怖れなくていい。
介助されることは、セルフを脅かすものではない。
だから、介助のかげに隠れる必要はない。
介助は「怖れ」を伴うものでないという、こと。
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