ほんとうのこと （なじみのまなび）

ほんとうのこと　（なじみのまなび）



だれのものとも考えられていない「わかる」を
おぼえなさいと先生がいう

だけど、だれのものでもない「わかる」を
ひとりでしまいこむこともない

しまいこんだ「わかる」につけられた「点数」が
わたしの日常をささえることもない


それとはべつの「わかる」がある
それとはべつの「できる」もある

「わかる」をきくたのしみ
「できる」をみるよろこび
「いっしょ」をいきするうれしさ
あたらしいまなびに「であう」よろこび

「わかる」をみるたのしさ
「できる」をきくよろこび
「ともに」じゅぎょうという生活をいきる仲間

ともに知る
ともにまなぶ
ともにあそぶ
ともにわらう

ともにせいかつするなかで
あたらしい「わかる」をしる
だれかが「できる」をみる


「わかる」がなじみ
「できる」がなじむ

「わかる」がふかまる
「できる」をあじわう

「わかる」をしゃべる
「できる」をゆめみる

「わかる」をたずねる
「できる」をたのむ

「わかる」をこえて
「できる」もこえて



わたしとわたしたちがかさなる時間
わたしの「わかる」とわたしたちの「わかる」がかさなる瞬間

わたしとわたしたちがあいまいなにぎわい
わたしの「できる」とわたしたちの「できる」におおわれるとき

「わたし」のこだわりやとまどいが
「わたしたち」にとけていく時間

わたしがいることを
だれかがよろこんでくれるというまなび

わたしがいることが
わたしたちがいることに欠かせないと「わかる」こと

おなじ子どものじだいを
おなじ子どものじかんをかけて
なじみあうまいにち

子どものじだいをつうじてなじんだものは
なじんだ時間のぶんだけ
子どものみらいをささえつづける

こだわりの溶ける時間と
同じ時間をかけてなじんだものは
子どもの日常をささえつづける

だれのものとも考えられていないみんなの知恵
だれもが使えるようにと願い伝えられてきた技術
その知と術がともになじみあう道がきっとある

「わかる」がなじみ
「できる」がなじむ

「わかる」がふかまる
「できる」をあじわう

「わかる」をしゃべる
「できる」をゆめみる

「わかる」をたずねる
「できる」をたのむ

「わかる」をこえて
「できる」もこえて