15歳の1%を見捨てる社会 (その3)
戦後の復興とともに、高校で学びたいという子どもを、国をあげて応援した時代があった。
戦後18年で進学率は62%まで伸び、『高校3年生』という歌が100万枚売れた。
そのころはまだ、生活保護世帯に生まれた15歳は高校に行けなかった。
親が生活保護を受けていると、「あなたには高校で学ぶ資格はない」といわれた。
そのころはまだ養護施設で育った15歳は高校に行けなかった。
親がいない子は、「あなたには高校で学ぶ資格はない」といわれた。
高校に行きたくても助ける制度はない。そういう時代があった。
生活保護家庭に高校進学が認められたのは1969年。
(ただし高校就学経費の扶助は2005年。)
1969年、児童養護施設の高校進学率は、20%前後。
(2005年でも87%)
そして2019年現在、高校進学率は99%で語られる。
最後の最後まで取り残されている1%の子どもは、だれか?
1%の子だけを高校で学ばせない仕組み。
私たちの社会は、なぜ、いつまでこんな制度を続けるのだろう。
戦後、私たちは子どもの「人権」と「援助」を積み上げて、積み上げて、積み上げてきた。
貧困、虐待、不登校、いじめ、非行、障害、性的少数者…。
最後に残った1%の子に、「あなたには高校で学ぶ資格はない」という。
定員内不合格という子ども差別。
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