ワニなつノート

㊙定員内不合格根絶計画(其の十壱)


㊙定員内不合格根絶計画(其の十壱)


高校も本来は、国民の学ぶための場所として作られました。

昭和22年。
文部省は、「選抜」について次のように言いました。

「入学者の選抜を望ましいものであるという考えを
いつまでももっていてはならない。」

「選抜はやむをえない害悪であって、
経済が復興して高等学校で学びたいものに
適当な施設を用意することができるようになれば、
直ちになくすべきもの」

「高等学校はその収容力の最大限度まで、
国家の全青年に奉仕すべきものである。」


1947年の文部省の考え方は、
43年後の1990年、
「子どもの権利条約」で確認されています。

それが、「第23条 障害児の権利」であり、
障害児の学校教育=後期中等教育段階の保障も含まれるのです。


ちょっと立ち止まって考えれば、
いまだに教育委員会が勝手に進学率を97%とかと決めて、
「選抜」をし、しかも「定員内不合格」を出すというのが
いかに異常なことかは分かるはずです。

障害児の「後期中等教育」は、
ほぼ希望者全入が実現しているのです。
「0点でも高校へ」と挑戦する人に向かって、
教育委員会が「高等部へどうぞ」と言うのです。

普通学校の生徒一人にかかるお金は、年90万で、
特別支援学校の生徒一人には、900万かかります。

千葉県約150校の高校のうち、
エレベーターがついているのは1校だけなのに、
特別支援学校には、ほぼ100%エレベーターもついています。

それだけの費用をかけて、
障害児の「後期中等教育」を保障しているのに、
健常児の「後期中等教育」はいまだに
「選抜・定員内不合格」を続けているのです。

どんなに重度の障害児、点数が0点でも、
言葉がしゃべれくても、ひらがなが書けなくても、
「後期中等教育」は保障しようとします。
教室が足りなければ、分室や、新しい学校を建ててでも
「後期中等教育」を保障しようとします。

それなのに、なぜ「進学率」を97%に「計画」し、
毎年募集人員を減らすのでしょう??

これは何を「計画」しているのでしょう?

「15歳の子どもの3%だけは、
何があっても高校生にさせない計画」

それが、いまの「高校入試」制度です。

虐待する親が「しつけ」「しつけ」というのと同じです。
3%の子どもを捨てるための口実が、
「定員内不合格」「選抜」「適格者」という言葉です。


繰り返します。
「計画進学率」と「定員内不合格」は、
「児童虐待」です。

広島の校長も次のように書いていました。

「皆さんも良く承知しているように,
日本の社会は少子化がどんどん進み,
広島県の場合,中学校3年生に在籍する生徒の数は,
多いときに比べ約半数(56%)近くまで減少しています。」

つまり、わざわざ建てた高校の半数をつぶしてまで、
3%の子どもを捨てているのです。
それが「教育」でしょうか?
それは「教育」ではありません。
「虐待」です。

「高校くらいでなきゃ就職なんかないよ」
大人はそう言いながら、
税金で建てた高校の半分を壊して、
「ほら、がんばらないと、高校に入れないよ」と
子どもたちを脅迫し、虐待し続けているのです。

冷たい水ぶろに4歳の子どもを沈めるのと、
何が違うのか。
4年生の子どもを、漢字ドリルを間違えたからと殴り、
食事もさせず、ベランダに放り出すことと、
どこが違うのか。

この国の大人たちは、
なぜ、子どもたちが安心して学べる環境を
作ろうとはしないのだろうか?
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