一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

王子様は残念なイケメン?

2022-04-14 17:37:29 | キャラクター
残念なイケメン。


イケメンだがデートの時は1円単位で割り勘にする、実家暮らしで親のすねをかじり続けるといった、顔はカッコいいが性格や行動に難がある男性は、この世で一定数いるものだ。


色々な残念なイケメンを自分で目やテレビなどで見てきたが、群を抜いて残念だったのは、『白雪姫』(1937)に登場する王子様だと思う。


あなたは、『白雪姫』に登場する王子様を覚えているだろうか。自分も先日『白雪姫』を観返すまではすっかり忘れていたが、観返してみると、王子様はかなり残念なイケメンだった。では、どんなところが残念だったのかを、王子が登場する場面を振り返りながら検証する。


物語冒頭、白雪姫が「願いの井戸」の中に向かって歌を唄っているとき、王子様は白雪姫の住むお城の周りの外壁で馬に乗っていた。すると、白雪姫の美しい歌声に反応し、外壁をよじ登り白雪姫を見つけた。恥ずかしがり部屋に逃げる彼女に対し、王子は姫に対する思いを歌にして伝えた。


そして色々あった後、死んだ白雪姫のことを聞いた王子は再び登場。棺に入った姫にキスをして生き返らせた後、二人は結婚して幸せに暮らした、という報告を聞かされて物語は終わった。


登場の時点でかなり残念、いや現代の感覚ならアウトな行為をしている。城なのに警備がユルユルなことも問題だが、王子という某国の王家の子どもが人の家に無断で入るのは、あまりにも常識外れだ。イケメンだから許されると思ったのか、はたまた王子だから何をやってもいいと思っていたのかは謎だが、王子は空き巣犯と同じことをやっているのだ。


また、勝手に人の家に入り込んでは、その家の娘に告白をするという行為もどうかと思う。しかも、慣れた感じの様子も見えたので、モノにしたい女に対しては、この手を使っているのではないかと思ってしまう。そう思うと、王子はかなり女癖の悪いチャラい奴なのかもしれない。


そして、最後のシーンに「我こそはヒーローだ」みたいな感じで登場し、白雪姫にキスして生き返らせて、そのまま結婚。王子は、魔女のばあさんと戦うなど何の苦労も無く欲しいものを手に入れたのだ。白雪姫は、そんなお坊ちゃん体質の男と結婚して幸せになれるのか。面倒くさいことは自分でやらずに、何でも人任せの男のどこがいいのだろうか。


他にも、王子はオネエっぽい顔をしているし、プリンシパルの履くタイツを履いてるなど、見た目もちょっと残念だ。このように『白雪姫』の王子は、現代人の感覚には合わない男なのだ。もし今現在、1937年の『白雪姫』が新作として公開されていたら、王子のキャラ設定が炎上していたかもしれない。


1937年ではイケメンだった『白雪姫』の王子。しかし85年後の2022年では、イケメンだけど「残念な」という言葉が付いたイケメンになっていた。


警護隊長は大原部長!?

2022-03-27 16:40:12 | キャラクター
「何としてもティアラを取り戻せ!!」。その男は、白馬に乗りながらそう叫んだ。


一昨日(3/25(金))、『金曜ロードショー』で『塔の上のラプンツェル』(2010)が放送された(『金ロー』の前に放送された野球中継が延長されたため、30分遅れで始まった)。2年ぶりの地上波放送をオンタイムで最初から最後まで観れて良かったが、その中でも印象に残ったのが冒頭のセリフだ。いや、セリフというより、それを発した男の声が忘れられなかった。


書き出しのセリフを発したのは、主人公・ラプンツェルが生まれた王国の警護隊長だ。彼は、盗賊のフリン・ライダーたちによって盗まれた王国のティアラを取り返すため、馬(マキシマス)に乗ってフリンたちを追っかけている際に先のセリフを言った。


このシーンはそこまで重要なシーンではないため、覚えている人はほとんどいないと思う。さらに、警護隊長も登場キャラクターの中ではさほど重要でないことが、このシーンが人々の記憶に残りにくくする要因と考えている。


しかし、警護隊長の声の主はディズニー映画には数多く出演する佐山陽規さんなのだ。佐山さんは、『レ・ミゼラブル』等のミュージカルを中心に活動する俳優であるが、持ち前の声と歌を活かして『ポカホンタス』のラトクリフ提督、『不思議の国のアリス』のイモムシなどで声と歌を務めている。


声優としても活躍する佐山さんだが、彼の声優として知られるようになったのは『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の大原大次郎(2代目)だ。大原部長(大原の階級は巡査部長)でおなじみの佐山さんが、『~ラプンツェル』で警護隊長という部長と似たキャラクター(見た目も何となく似ている)を演じると、どうしても大原部長になってしまうのだ。


「何としてもティアラを取り戻せ!!」というセリフも、まるで部長の部下である両津勘吉に対して言っているように聞こえてしまう。頭の中で「警護隊長=大原部長」という方程式になると、「フリンの大バカ者!!」、「コラ、両津!!」…じゃなくて「コラ、フリン!!何をやっとるか!!」といったように、警護隊長の言うことすべてが、『こち亀』で大原が言いそうなことに聞こえてくる。


そうなると、フリンも見ようによっては両津勘吉と、彼の後輩の中川圭一を足して2で割ったキャラクターにも見えてくる。中川みたいなルックスに、両津のような繋がり…はしてないけど太い眉毛。盗み癖やずる賢さ、そして男気溢れるフリンの姿はどこか両津に似ている(無理があるか)。


両津と中川のようなフリン・ライダー、大原部長にそっくりな警護隊長。『~ラプンツェル』は、『こち亀』ファンが観ると以外とはまってしまう作品だ(その逆はたぶんないと思う)。



<フリン・ライダー>



<フリンに似ている(?)両津>



<フリンに似ている(?)中川>


ラプンツェルの「巨人」退治

2022-03-23 18:50:54 | キャラクター
8.8。


この数字は、昨年3月26日(金)に放送されたプロ野球開幕戦、巨人vs横浜DeNAの世帯平均視聴率だ。国民的スポーツと称されるプロ野球の開幕戦、しかも大人気球団と言われる巨人の試合の視聴率が10%を切るのは、異例のことだった。


かつて巨人戦は、毎日のようにナイターの試合がテレビ中継されており、視聴率は毎回20%を越えていた。しかし、約20年前から視聴率は20%を切るようになり、ここ2~3年は1桁台を記録するようになった。また、約15年前から毎日地上波でプロ野球中継が放送されなくなり、ここ2~3年は年に10回程しか放送されなくなった。


オワコン(終わったコンテンツ)となったプロ野球の地上波中継だが、昨年の開幕戦は両チーム点の取り合いになったため、放送時間が30分延長。その結果、野球中継後に放送される『金曜ロードSHOW!』の放送開始時刻は、21時から21時30分に繰り下げられた。そして、当日放送された『バイオハザード』(2002)の視聴率は7.3%と、過去のテレビ放送では一番低い数字となった。


野球中継の延長が『バイオハザード』の低視聴率を招いたとは言い切れないが、それでもオワコン状態の番組を流す必要はあったのか。正直、開幕戦を試合終了まで流すより、大ヒット映画をオンタイムで放送、いや早い時間から本編ノーカットで流したほうが絶対に数字は取れた気がする。


今年は特にそうだ。今年も日本テレビ系列で巨人vs中日の開幕戦が放送されるが、その後の『金曜ロードショー』では『塔の上のラプンツェル』(2010)が放送される(しかも本編ノーカット)。『~ラプンツェル』は大人気ディズニー作品で、過去に何回か地上波放送されたが、何度も10%越えの高視聴率を取っている。次の数字は、過去3年の巨人の開幕戦視聴率と『~ラプンツェル』の『金ロー』の視聴率の比較だ。


〇巨人開幕戦、世帯平均視聴率


・2021→vs横浜DeNA:8.8%


・2020→vs阪神:10.7%


・2019→vs広島(ビジターゲーム):10.6% 




〇『塔の上のラプンツェル』、『金ロー』における世帯平均視聴率


・2020→5月1日放送(21:00-22:54、本編ノーカット):14.7%


・2017→3月10日放送(21:00-22:54、本編ノーカット):12.6%


『~ラプンツェル』は3年のブランクがあっても、前回放送よりさらに数字を伸ばしているが、毎年放送されている巨人の開幕戦は、昨年ついに1桁台に突入した。このままいくと、今年の開幕戦も視聴率1桁台が予想され、昨年と同じく放送時間を延長しようものなら、さらに数字は下がるだろう。


しかし調べてみると、今年もどうやら放送時間の延長がありそうだ。それでは放送時間が繰り下げられ、多くの子どもたちが『~ラプンツェル』を最後まで観るのが難しくなる。子どもが観れなければ、その親も観られなくなる。すると視聴率は下がり、この日の日テレのゴールデンタイムの視聴率は共倒れになってしまう。


そこをディズニーさんの圧力…じゃなくてラプンツェルとフリンたちで、巨人戦の放送時間延長を阻止してほしい。これは、プロ野球ファンより遥かに多いディズニーファンの切実な願いだ。


3月25日(金)。ラプンツェルたちは、本作のヴィランであるゴーテルより先に、日テレ系野球中継『DRAMATIC BASEBALL』のスタッフ、そして巨人と中日の選手たちと放送時間を戦うのであった。


ニモで熱くなる人たち

2022-03-04 18:33:25 | キャラクター
その2人は、いつになくヒートアップして言い争っていた。


5年ほど前に放送された『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系列)内で、MCのマツコ・デラックスがダブルMCで関ジャニ∞の村上信五に、最近ピクサー作品の『ファインディング・ニモ』(2003)を初めて観たと報告した。


すると村上が、「ニモ」を間違ったアクセントで発音した。そのことにマツコが怒り、「ニモ」のアクセントを巡り、2人は冒頭に述べた場面になった。やり取りはこんな感じだ。


村上:「ニ(→)モ(➘)でしょ?」


マツコ:「ニ(→)モ(➘)じゃない!、ニ(→)モ(→)!!」


村上:「ニ(→)モ(➘)やろ!!」


マツコ:「『ファインディング・ニ(→)モ(➘)』!?」


村上:「『ファインディング・ニ(→)モ(→)』やけど、ファインディング取ったら「ニ(→)モ(➘)」やろ!!」


マツコ:「違うわ!!(ファインディング)取ってもニ(→)モ(→)だよ!!じゃあお前、ド(→)リー(➘)て言うの?」


約5年前のやり取りだが、今もなお2人の言い争いは頭の中に残っており、ふとした時に蘇るのだ。そうなるのも無理はない。「ニモ」のアクセントでここまで熱く言い争った人は、後にも先にもマツコと村上だけだと思う。


そもそもなぜ村上が、「ニモ」のアクセントを間違えているのかが謎だが、そのことに対して応戦するマツコの熱量も凄い。『月曜から夜ふかし』は、人のアクセントの違いにツッコミを入れて大いに盛り上がるのだから、週が始まり憂鬱になりがちな月曜日のガス抜きとなる番組と言ってもよい。


そして、主人公のアクセントで大いに盛り上がることができるディズニー・ピクサー作品は、『ファインディング・ニモ』ただ一つだけなのかもしれない。


あざとかわいいミニーちゃん

2022-03-02 19:01:57 | キャラクター
「あざとくて何が悪いの?」。これはパワーワードだ。


これは、テレビ朝日系列で毎週土曜日の21時55分から放送される番組名だ。一般社会に蔓延る「あざとい」行動・言動などを出演者たちが語り尽くすバラエティ番組は、今やすっかりテレ朝の人気番組となっている。


芸能界では「あざといキャラ」で知れ渡っている田中みな実とテレ朝アナウンサーの弘中綾香が、視聴者投稿の「あざとエピソード」をもとにして作られた再現VTR「あざといミニドラマ」を観ながら、「これはあざとい」などと突っ込む姿は、とても信ぴょう性がある。数々のあざとい行為をしてきた2人が言うのだから、間違いはないと思う(2人が本当にあざといかは分からないが…)


しかし、芸能界1、2を争うあざとさのある2人を越える「あざとい女子」がいた。その名は、ミニー・マウスだ。「え、どこが?」と突っ込むのは野暮だろう。ミニーは可愛い見た目ながらも、田中や弘中を越えるほどのあざとさが詰まったキャラなのだ。


例えば、彼女の目の使い方。20年ほど前にテレビ東京系列で放送されていた『TVチャンピオン』(懐かしい)で、「ディズニー王選手権」に出場したミニーの写真を1万枚撮影したミニー大好きおじさんが、彼女の魅力を語ってくれた。


ミニーの虜になり写真を撮るようになったのは、彼女の目が理由だった。ミニーの目は「私を撮って」とアピールしているらしく、それに惹きつけられミニーが大好きになったと言う。「私を撮って」と訴えるミニーの目は、世の男たちを振り向かせるためのあざとさなのかもしれない。


また、ミニーはミッキーフレンズ(ミッキーやドナルドたちのこと)の中で唯一、下着を身に着けているキャラクターだ。ミニーは過去に出演した作品やイラストでは、ほとんどスカートからパンツが見えており、パンちら状態なのだ(パークにいる時はそうではない)。本人は気にしていないように見えるが、もしかすると恋人のミッキーだけではなく、多くの男を惹きつけるためにやっているのかもしれない。


だが、それら以上にミニーが「あざとい女子」だと決定づけるものがあった。それは、1936年に公開された短編映画『ミッキーのライバル大騒動』での一幕だ。ある日、ミッキーとミニーがピクニックをしていると、猛スピードの高級車が現れ、そこに乗っていたのはミニーの幼馴染のモーティマー・マウスだった。モーティマーの紳士的な対応にミニーは心を奪われる一方、ミッキーはモーティマーを敵視し、突っかかろうとするが、軽くあしらわれてしまった。その後色々あってモーティマーは帰り、ミッキーとミニーは仲直りした。



<ミニーの幼馴染のモーティマー・マウス(一番左)>


話はともかく、モーティマーが現れて以降のミニーは、あざとい女子の典型とも言える姿になっていた。高級車を乗り回し、恋人(ミッキー)より高身長で、女性の扱いが上手な幼馴染が現れた途端、急に女の顔を見せ始めたのだ。しかも、恋人の前で堂々と好意を持つ素振りを見せつけ、さらには、ミッキーよりモーティマーへのボディタッチの回数は多くなっている(しかも、パンちらもしている)。


温厚なミッキーがかなりの嫉妬をするほどミニーのあざとさは、田中や弘中を越えるものだと思う。『~ライバル大騒動』時のミニーは、「あざとくて何が悪いの?」と言わんばかりの姿になっている。ミニー・マウスはミッキー・マウスの恋人でありながら、世界で一番「あざとかわいい」女子だった。

<参考ホームページ>
・あざとくて何が悪いの?|テレビ朝日 (tv-asahi.co.jp)

・ ミッキーのライバル大騒動 - Wikipedia