昨日、20年間服役していた元日本赤軍最高幹部の重信房子(76)が刑期を終え出所した。
僕は20年前、彼女が大阪・高槻市で逮捕された時、あまりの変わりようにビックリしたことを昨日のことのように覚えている。
(若い頃の重信)
重信と言えば僕らが学生の頃、美人過激派活動家で有名だった。
しかし、逮捕の一報が入り現場に向かった時、別人かと思った。
それほど彼女は変わっていた。
「この変わりようなら、秘密裏に日本に潜伏してても分かるはずないな」と妙に感心した。
(20年前の逮捕時の重信)
僕達の若い頃は多かれ少なかれ、みんな反体制だった。
今の若者がみんな保守的なのと正反対だ。
だから、世論調査をしたら、20~30代が自民党支持、70代が野党支持ということになる。
まあ一概には言えないが…。
僕らの行動に年配者は眉をひそめた。
僕は祖父から「決してアカにならないように」という手紙を貰ったことがある。
僕は孫がいたら「若い頃からそんなに保守的でどうする」と手紙を送るだろう。
話が変な所に行ってしまった。
(昨日、出所した重信)
当時の若者の雰囲気を書いた小説に三田誠広(73)の芥川賞作品「僕って何」(1977年)がある。
田舎から大学に入った「僕」が過激派の女性活動家が好きになり同棲するような話だったと記憶している。
そうなのだ。
ジーパン、Tシャツ、ヘルメット姿の女性活動家はカッコ良かった。
彼女らに誘われてセクトに入った友人もいたな~。
僕の好きな女の子もそうだったな~。
当時の僕らの愛読書は柴田翔(87)の芥川賞作品「されどわれらが日々-」(1964年)だった。
この小説は若者達のバイブルだった。
もう一世代前の政治活動に挫折した若者達の青春を描いていた。
重信房子の出所でそんな青春時代も思い出した。