サボ科の記録

笑いのツボ・怒りの着火点・涙の分岐点は人それぞれ
その瞬間のヒラメキをちょこっとメモしてます(^-^)

給料明細

2006-06-08 | 人間を観察
発車ギリギリに、空席に座った女性がとある封筒を握りしめている。
地味な少しとろんとした目、髪はセミロングで、頬が少し赤い。
ほろ酔い気味のその女性は目をギラギラさせて、握りしめていた
封筒のミシン目のところをビリビリと破き始めた。

え?
そ、それって、給料明細じゃあないの?
周囲の人はみんな、そう思ったに違いない。

そして、封筒を程よくひろげて、穴が開くほど凝視した。
やがて、とても満足気な笑みを浮かべて、大切にそうに
鞄の中にしまったけれど、彼女の隣に座っていた青白い
煮干しみたいにげっそりとした青年が、彼女の給料明細を
覗き込まない訳はない。
でも、彼女は上の空で、全く気がついていないらしい。

何て警戒心のない人なんだろう。
目の色変えてまで、給料明細を電車の中で見ようなんてするくらいだ。
きっと彼女も驚く金額が書かれていたに違いない。


彼女に捧げる言葉・・・
暗い夜道と甘い言葉にはくれぐれもご用心を。
さすれば災いも遠ざかるであろう。
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