●方法俳句289・クローズアップ01・奈良文夫01・2016-07-28(木)
○「炎天へズボンの折り目踏み出せり」(奈良文夫01)
○季語(炎天・夏) 「えんてんへずぼんのおりめふみだせり」(「今はじめる人のための俳句歳時記(角川学芸出版編)」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4 →俳人一覧(あ・い・うえお・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:炎天へ踏み出すのは行為者の身体なのですが、「ズボンの折り目」をクローズアップしました。部分だけを提示することにより鮮やかな印象の句となりました。
◎これまでの「クローズアップ」と想定される俳句
・「→うつくしきあぎととあへり能登時雨」(飴山實)〔五体16・あぎと1〕「あぎと=顎」のクローズアップ
・「→掌中の水着から海絞り出す」(大島雄作)〔好きな一句〕海水のクローズアップ
・「→雨の矢の大きく白く花南瓜」(今井つる女)〔好きな一句〕雨粒のクローズアップ
・「→指の肉照る箱庭に灯を入れて」(榮猿丸)〔五体282・指13〕指の肉のクローズアップ
●奈良文夫(ならふみお)(1936~2018)
○好きな一句「浴衣より長脛夕日見てゐたり」02
○季語(浴衣・夏) 「ゆかたよりながすねゆうひみてゐたり」
【Profile】:山梨県出身。1959年病気休学中に俳句を知り、ほぼ同時に「→萬緑」入会、→中村草田男に師事。1973年萬緑新人賞、1985年萬緑賞受賞。1971年榑沼けい一と「群星」創刊代表。
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奈良文夫掲載句
03秋の水裂いて湖心へ黄のカヌー(秋の水・三秋)〈色彩・黄〉2018/9/26
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