●五体俳句397・胸11・井上閑子1・2018-9-17(月)
○「浅間高原胸まで霧に浸かりけり」(『浅間好日』2013)(井上閑子1)
○季語(霧・三秋)(「俳句201705」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:この浅間高原の霧は大気より重くたちこめている。まるでゆっくりと流れる川のように。それが「胸まで浸かる」高さであるのだ。
●井上閑子(イノウエカンコ)
○好きな一句「天窓を星流れゆく山家かな」(「未来図」)2
○季語(星・三秋)(引用同上)
【Profile】:1931年東京都出身。1946年、女学校で「水明」(→長谷川かな女)に投句。東京女子大学俳句研究会「白塔」創設。1972年「風」、1977年「萬緑」、1984年「未来図」(→鍵和田秞子)創刊編集同人。未来図賞受賞。
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■Pickup「霧(三秋)」の俳句11句
01「霧ふかき積石に触るるさびしさよ」(石橋辰之助)「馬酔木1933.5」〈五感俳句54触覚3〉
02「らんぷ売るひとつらんぷを霧にともし」(安住敦)『古暦(1954)』〈方法俳句56同質因果4〉
03「霧ふかし野の十字路の四つのはて」(大島民郎)「馬酔木1949」〈好きな一句〉
04「油臭き男櫛あり霧の宿」(殿村菟絲子)〈五感俳句190嗅覚31〉
05「かたまりて通る霧あり霧の中」(高野素十)〈方法俳句194同質因果19〉
06「指櫛に霧湿める髪●流人墓地」(たむらちせい)〈五体俳句197髪10〉
07「捨て舟の半ばかたむく霧の潟」(三田きえ子)〈次元俳句199傾斜4〉
08「オーボエを愛せり霧の河口にて」(前川弘明)〈特集俳句244楽器2〉
09「轟々と霧の中行く列車かな」(徳田秋声)〈好きな一句〉
10「霧をゆく黒衣の下に白衣着て」(浅井一邦)〈好きな一句〉
11「浅間高原胸まで霧に浸かりけり」(井上閑子)↑