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軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

In A Mirror Darkly / Mekong Delta

2014-05-12 02:00:00 | 景観
Ralph Hubert : Bass
Benedikt Zimniak : Guitars
Erik Adam H. : Guitars
Alex Landenburg : Drums
Martin LeMar : Vocals

1.Introduction
2.Ouverture
3.The Armageddon Machine
4.The Sliver in Gods Eye
5.Janus
6.Inside the Outside of the Inside
7.Hindsight Bias
8.Mutant Messiah
2014

ラルフ・ヒューベルト率いるメコン・デルタの2014年作品です。息の長いバンドですね。デビュー当初からプログレに関わる楽曲をメタルで弾き倒しプログレッシャーを虜にし続けていたバンドですが、前々作当たりから硬質なテクニカル・プログレ・メタル路線を突き進む作品を作り続けています。特に前作の出来は筆舌に尽くしがたい大傑作となっていました。新たにボーカルを加えたメンバーでの作品ですので、期待していいんですよね??

1曲目 前作も同じ雰囲気で始まりましたが、オベーション?アコギをピックアップで拾った様なギターの音色が悲しげに切なげに漂う曲。静と動の組み合わせでドラマチックな作品展開を目指しています。最近の「Exodus」当たりにも通じる大人の小技ですね。それにしても素晴らしい音色です、雰囲気はデジタルですが。
 
2曲目 で、ドドドッとハードな曲が始まりますが、相も変わらずメカニカルで硬質でテクニカルでブルータルなリズム隊が圧倒的な存在感を振りまき、ギターはその上を淡々と這い回る。サビの展開は複雑なギターリフが絡み合い、少しスパニッシュな香りも感じられる。ギターパート(インストナンバーなので全てがギターパートの様なものですが・・)は余り目立ちません、と言うよりは全体にスコアーで固められた室内楽の様相を呈しているのかな。複雑怪奇なキメの連続を淡々とこなす、スピード感に乏しく今一インパクトに欠けた曲ですね。80点。

3曲目 ボーカルナンバー、ガッチガチの硬質リズムにギターのカッティング、特に特徴のない普通のロック・ボーカルとコーラス、メコン・デルタらしいのたうち回る様な複雑怪奇なリズム隊が唯一の評価点?サビも不気味な呻きが聞こえるものの、盛り上がるでもなく盛り下がるでもなく・・・前の曲よりはメコン・デルタ節が炸裂していますが、85点。この雰囲気でインストでもっと壮絶に攻めまくった方が聴き安いでしょうね、プログレッシャーには。惜しい。

4曲目 緩急の「緩」です。太鼓の音にストリングスキーボード、アコギ風のギターの音色が優しく響き、シットリとしたボーカルが切々と悲壮感も漂うナンバー(なのか?)。ボーカルのタイプとしてはこの方が向いています。後半演奏に勢いが出てきますが、基本雰囲気重視の曲です。まあ・・・まあ・・

5曲目 ミディアムチョイ早のナンバー、ザクザクとギターが切れ込むイントロ、ボーカルパートは静から段々と盛り上がりを見せる展開。変拍子をそれほど意識させないリズム隊と単調なリフを繰り替えすギター陣、ソロパートで攻める演奏ではなくパーツパーツを複雑に組み合わせ構築していく音楽です。その辺を意識しなくても「2バスも踏みまくっているし、単純ストレートで聴き安いメタル、でもなんか変」とメタラーは首をかしげるのでしょうね。緩急も生かしているし、ラストのクリムゾン風の味付けは何処に向かっているのか?一聴単調な演奏ですが、無茶苦茶複雑怪奇なスルメ曲ですね、恐ろしい90点。

6曲目 ハープの様なデジタル・アコギの目眩くアルペジオ、ドカドカと刺さり込んでくるハードな演奏、不気味さと荘厳さの漂うイントロ。本体は複雑怪奇に疾走する、ガチガチど迫力の演奏。当然スコアーで固められている微塵の隙もない完璧な曲構成。機械の様な正確無比のリズム隊、休む暇無く繰り出される単調なギターリフの複雑な組み合わせ。聞き手を一瞬足りとも安堵させない極悪非道の音の洪水。前作を彷彿とさせるもの凄い曲・・・・これは2曲目に配置だろう・・・95点。凄い凄い!!

7曲目 曲の方向性としては前曲と同じ雰囲気を踏襲、ボーカルが加わった分少しだけ聞きやすいと思いきや、若干の緩急を生かしてはいますが、相変わらず重厚メカニカルなコンピューター演奏が暴走している様な壮絶さは筆舌に尽くしがたい。珍しく短いソロを取っているギターパートはハッキリ言って無意味。その後の延々とリフを積み重ね続けるド迫力の演奏はこの世の物ではありません。これでは・・・メタラーはザリガニの様に・・・・プログレッシャーは狂喜乱舞。100点、背中ゾワゾワで昇天!!!

8曲目 おおおっ、続くねぇ。ラスト曲とは言え聞き手に一息つかせる暇を与えない。雰囲気は全2曲と同じ、暴走・疾走、暴虐の限りを尽くしまくる鬼の様な演奏です。ただ全2曲よりは漂うストレート感と中間部のボーカルパートで少し勢いが削がれています。そうでしょう、同じレベルの曲が3曲続けば流石に重たい。

5曲目で火が付き6曲目・7曲目はレッドゾーン、見事に昇天いたしました。

前作の奇跡の様な出来から、昔のとらえ所の無い様な複雑怪奇な音楽に若干原点回帰しています。と言うより融合?それにしても曲順間違っていない????

ある意味最初から余り期待はしていませんでしたが、前作の奇跡の様な素晴らしさは2度は続かないのかなと。ボーカルが加わった分普通のメタル・ロックに落ち着き路線が戻ってしまった感もあります。しかし、作品後半のこの世の物とは思えない凄まじさは期待以上、恐るべしラルフ・ヒューベルト。

前々作聴き直そう。











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