重低音のBlue Canary

♪ 思いつくままを、つたない文と photo で …

桜。

2009-03-26 | つれずれ
いくら季節柄とはいえ、
連日続けるとさすがに食傷気味とは思いますが、
今日もまた
「桜」の話です。



ね?



地元では「名鉄」と呼ばれて親しまれている名古屋鉄道・名古屋本線に
普通電車しか止まらない無人駅の、その名も「桜」駅があります。



といっても、
駅の住所は名古屋市南区呼続町。

「駅名になっている『桜』の地名は、木の桜のことではなく、『狭い窪地』を指す『サ・クラ』に佳字を充てたもの」とWikipediaにはありました。


であろうとなかろうと、
「桜」駅と言うからにはやはり、この季節は桜の花が咲いていてほしいものですよね。

で、

たしかにありました、
桜の木が1本だけ、申し訳程度に。



木に勢いがなく、
3分咲きの花もまばらでしたが。



「たぶん大正6年(1917年)の開業当時に植えられたと思うんだけど、昔はもっと何本かの桜並木になってて、この季節はずいぶんきれいだったんだよ」
「それが、かなり前、ホームの幅を広げるときに、その桜並木を全部切り倒す話になってね」
「それではせっかく育った木が可哀想だし、第一、『桜』駅らしくないからと町内の人たちが猛反対して、やっとこの1本だけを残してもらったのさ」

――そう教えてくれたのは、



駅の真ん前にあるタバコ店のご主人です。
というか、
駅舎が改装される前はこの店で切符を売り、
2階に駅員が寝泊りしていたのだそうです。


現在のホームは前4両分の幅が広げられましたが、
ラッシュ時などに増結される際の後方4両分のホーム幅は昔のまま。

なので、



ほぼ6~7分おきでしょうか、
通過電車が近づくたびに「危険なので白線の内側までお下がりください」と自動再生のアナウンスに注意されても、
これ以上後ろに下がりようのないスリリングさを、味わおうと思えば味わえます。


「いずれ高架化しなければいけないんでしょうね」と水を向けると、
「高架化の計画なんて、もう30年前からあるよ」と苦笑いするタバコ店のご主人。

やれやれ、
列車ダイヤはスピードアップしても、
利用者に対する安全対策は、遅々として進まないものなんですね。


――などという拙いレポートでお許しいただけるでしょうか、
過日の拙ブログ「『最古』への郷愁」で「珍しい?『桜』駅のレポートよろしくです」とコメントを寄せていただいた「y」さん。




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