■撮影場所/名古屋市中区新栄の、あるマンションで / 2007.10.16 12:38:22
■NIKON D80 / SIGMA DC 18-50mm EX MACRO HSM / F5.0 1/100秒 ISO100 / プログラムAE 補正±0 スポット測光
あるマンションのゴミ捨て場に
真二つに折られて捨てられていた「ケータイ」。
「彼」がまだ、日々充電されてエネルギーを蓄え、
電波という「存在証明」を常に発しながら生きていた時、
「メモリー」という名の「彼」の頭脳の中には一体
何人の、名前と電話番号とアドレスと、
何通の、送り、送られたメールと、
何枚の、記念に撮られた写真が、記憶されていたのでしょうか。
そして「彼」は、
「彼」の持ち主と誰かとの、
いつ、どんな内容の会話やメールのやり取りを
どれほどたくさん仲立ちしてきたのでしょうか。
にもかかわらず「彼」はなぜいま、
こんな場所に、
二つにへし折られてまで、
捨てられてしまったのでしょうか。
「ケータイ」は、自身では何一つ言葉を発することは出来ません。
けれど本当は「彼」自身も
言いたい思いを胸の中にいっぱい溜め込み、
でも、
多くの思い出や、幸せや、喜びや、悩みや、悲しみや、とりわけ「秘密」を、命をかけて守りながら、
いまここにこうして
横たわっているような気がしてなりません。
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