出勤途上に毎朝立ち寄る名古屋市北区「名城公園」で、
少し前、1人の若い女性に会いました。
お堀端の生垣の陰に隠れるように作られた、
「公園ネコ」のための、新しい「雨宿りハウス」を発見した時のことです。
木箱の上に、
ビニール製の100円傘を2本使って設(しつら)えたドーム屋根をかぶせ、
地面には、ランチョンマットでしょうか、可愛い花柄の「カーペット」まで敷いてありました。
あまりに上手な出来栄えに感心しながら写真を撮っていると、
背後にふと人の気配を感じ、振り向くと、
彼女が、大きな布袋と、籐製のバスケットと、ペットボトルと、その他ごちゃごちゃとたくさんの荷物を両手に下げながら、立っていました。
「あなたが、作ったの?」と聞くと、
「ウン」と、声を出さずに頷きます。
「上手く出来てるねえ。完璧だし、可愛いし」と続けると、
嬉しそうにニコッと笑った彼女の頬にエクボができ、
八重歯があったことも、
オジサンとはいえ男である私は、
見逃しませんでした。
「ごめんね、邪魔して」とその場を譲ると、
彼女は、水飲み用なのでしょう、ジョッキの中の古い水をお堀に捨ててペットボトルから新しい水を注ぎ、
次には「カーペット」を両手の指で摘んで、洗濯物を干す時のようにパンパンと音を立てながら振り、土を払い落とし始めました。
その場を離れた私が、しばらくしてから振り返ると、
掃除を終わったらしい彼女は、すぐ近くのベンチに移動して座っていて、
バスケットの中から、たぶんエサなのでしょう、何かを取り出して小鉢に入れていました。
そんな様子を、どこからか見ていたんでしょうね、
木立の影から、黒ネコの、明らかに親子が、姿を現しました。
親子ネコはそのまま彼女に近づくと、まず彼女の足元に身を摺り寄せて挨拶をしたあと、
互いの額を寄せながら、小鉢の中のエサを食べ始めました。
それから数日後の、今朝。
今年はいつもよりたくさん落ちているドングリを接写していると、
ファインダーの中を、
彼女の姿が横切るのが分かりました。
何があったか知る由もありませんが、いつもより10分近い「遅刻」でした。
そのために、「雨宿りハウス」の掃除を終え、
座ろうとしたいつもの指定席のベンチを、今朝は「公園の住人」さんの朝寝の場に取られてしまっていました。
しばらく周囲をキョロキョロと見回していた彼女は、
ある場所を定めると、布袋の中からビニール風呂敷のような何か取り出して地面に敷き、座り込みました。
そして、
いつものようにバスケットから何かを取り出して小鉢に入れ、
いつものように姿を現した黒ネコ親子にエサをあげ始めたのが、上の写真です。
「公園ネコ」たちは、こうして「公園の住人」だけでなく、
彼女のような人々にも支えられて、生きているんですね。
そうそう、
最初の「雨宿りハウス」のミカン箱に、
可愛いイチゴのキーホルダーが下げられているのが分かりましたか?
鈴になっていて、触れるとチリチリと音が鳴ります。
子ネコがジャレて楽しく遊べるようにと、吊るしたようです。
彼女はきっと、
心温かくて優しい、いいお母さんになりますよね。
いいえ、もう、親子ネコたちの、お母さんになっているのかも知れません。
ということは、
子ネコは彼女にとっては孫?
彼女は、ずいぶん若い「おばあちゃん」のようです。
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少し前、1人の若い女性に会いました。
お堀端の生垣の陰に隠れるように作られた、
「公園ネコ」のための、新しい「雨宿りハウス」を発見した時のことです。
木箱の上に、
ビニール製の100円傘を2本使って設(しつら)えたドーム屋根をかぶせ、
地面には、ランチョンマットでしょうか、可愛い花柄の「カーペット」まで敷いてありました。
あまりに上手な出来栄えに感心しながら写真を撮っていると、
背後にふと人の気配を感じ、振り向くと、
彼女が、大きな布袋と、籐製のバスケットと、ペットボトルと、その他ごちゃごちゃとたくさんの荷物を両手に下げながら、立っていました。
「あなたが、作ったの?」と聞くと、
「ウン」と、声を出さずに頷きます。
「上手く出来てるねえ。完璧だし、可愛いし」と続けると、
嬉しそうにニコッと笑った彼女の頬にエクボができ、
八重歯があったことも、
オジサンとはいえ男である私は、
見逃しませんでした。
「ごめんね、邪魔して」とその場を譲ると、
彼女は、水飲み用なのでしょう、ジョッキの中の古い水をお堀に捨ててペットボトルから新しい水を注ぎ、
次には「カーペット」を両手の指で摘んで、洗濯物を干す時のようにパンパンと音を立てながら振り、土を払い落とし始めました。
その場を離れた私が、しばらくしてから振り返ると、
掃除を終わったらしい彼女は、すぐ近くのベンチに移動して座っていて、
バスケットの中から、たぶんエサなのでしょう、何かを取り出して小鉢に入れていました。
そんな様子を、どこからか見ていたんでしょうね、
木立の影から、黒ネコの、明らかに親子が、姿を現しました。
親子ネコはそのまま彼女に近づくと、まず彼女の足元に身を摺り寄せて挨拶をしたあと、
互いの額を寄せながら、小鉢の中のエサを食べ始めました。
それから数日後の、今朝。
今年はいつもよりたくさん落ちているドングリを接写していると、
ファインダーの中を、
彼女の姿が横切るのが分かりました。
何があったか知る由もありませんが、いつもより10分近い「遅刻」でした。
そのために、「雨宿りハウス」の掃除を終え、
座ろうとしたいつもの指定席のベンチを、今朝は「公園の住人」さんの朝寝の場に取られてしまっていました。
しばらく周囲をキョロキョロと見回していた彼女は、
ある場所を定めると、布袋の中からビニール風呂敷のような何か取り出して地面に敷き、座り込みました。
そして、
いつものようにバスケットから何かを取り出して小鉢に入れ、
いつものように姿を現した黒ネコ親子にエサをあげ始めたのが、上の写真です。
「公園ネコ」たちは、こうして「公園の住人」だけでなく、
彼女のような人々にも支えられて、生きているんですね。
そうそう、
最初の「雨宿りハウス」のミカン箱に、
可愛いイチゴのキーホルダーが下げられているのが分かりましたか?
鈴になっていて、触れるとチリチリと音が鳴ります。
子ネコがジャレて楽しく遊べるようにと、吊るしたようです。
彼女はきっと、
心温かくて優しい、いいお母さんになりますよね。
いいえ、もう、親子ネコたちの、お母さんになっているのかも知れません。
ということは、
子ネコは彼女にとっては孫?
彼女は、ずいぶん若い「おばあちゃん」のようです。
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