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【本】失敗の愛国心

2008年 理論社(よりみちパン!セ)
著者 鈴木邦男

この何年かで読んだ本の中ではずば抜けて面白い。著者は「変り種の右翼」でこの頃時々TVに出ているらしいが、おぼえが無い。それほど、目立たない風貌なのだ。このシリーズは小中学生向けらしく、図書館のジュニアコーナーで発見した。河合塾の講師という著者の教育的情熱も感じる。数冊読んだ、かれの他の著書よりずっと熱がこもっていて、面白い。編集者の意図も加味されているのだろうが。

タイトル自体が一風変っていて惹き付けるし、写真と絵を多用し、文は短く、内容は珍しいことずくめ。徹底して自分を客観視しているのでユーモラスだ。著者は私と殆んど同年輩(1943年生れ)で「右翼」の半生を辿ってきた人、つまり、「向こう側」にいた人だ。私の育ったのは、世の中が大きく変った時代で、学生や知識人はおおむね「左翼」の傾向があった。今また「右翼」に傾いているようだが。 

高校生のときに山口ニ矢の社会党浅沼委員長刺殺事件が、社会人になった頃に三島由紀夫の自決があった。そして、「赤尾の豆単」が受験生の必需品と言われた、その同じ時代を、別世界に生きた人だからこそ、こうも興味が湧くのかもしれない。
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